社説[きょう解散]政策論争で違いを示せ

  • 沖縄タイムス+プラス
  • 更新日:2021/10/14

[衆院選2021]

岸田文雄首相はきょう衆院を解散する。19日公示、31日投開票に向けて事実上の選挙戦に突入する。

県内四つの選挙区では、既に立候補予定者が支持拡大へ動きだしている。党本部からも幹部が応援に入っている。

4年ぶりの総選挙で沖縄選挙区は次の点において重要な選挙となる。

まず、沖縄は来年復帰50年の節目を迎える。これまでの沖縄振興を振り返るとともに未来に向けてどのような沖縄をつくるかが問われている。

また来年は、県内政局の天王山となる知事選を秋に控えるほか、名護、沖縄、宜野湾、那覇など重要な首長選が幾つもある。今回の衆院選の結果が今後の選挙にストレートに影響することは確実だ。

四つの選挙区はそれぞれ状況は異なるが共通する課題も抱えている。

差し迫った課題は新型コロナウイルス対策だ。コロナ禍で疲弊した経済や暮らしをどう立て直すか。特に県経済の屋台骨である観光業は、コロナ後を見据えた戦略的な対策が求められている。

二つ目は基地問題だ。米軍普天間飛行場の危険性は一日も早く除去しなければならない。それが原点であるにもかかわらず政府は「辺野古ありき」で新基地建設を強行している。どう対応するのか。

三つ目は沖縄振興である。現在の沖縄振興計画は本年度で期限を迎える。いまだ道半ばの自立型経済を実現するために、新振計でどのような施策が必要なのか。

選挙戦を通し、それぞれ政策論争を期待したい。

■    ■

今回の衆院選は内閣発足からわずか10日で解散し、1カ月足らずで政権選択を有権者に求める異例の日程である。

岸田首相は13日の自民党全国幹事長会議で、コロナ対策や外交・安全保障といった課題を誰に託すのか国民に判断してもらうと力説した。

だが、有権者にとっては判断材料が十分とは言えない。

政権の考えが国会で示されたのも首相の所信表明演説とそれに対する各党の代表質問の場のみ。野党が再三開催を求めた予算委員会は与党が応じず開かれずじまいだ。

自民党の公約には、岸田首相が唱える「新しい資本主義」で分厚い中間層を再構築すると明記された。賃上げに積極的な企業への税制支援も打ち出している。

ただ、総裁選で訴えていた「令和版所得倍増」は見当たらない。金融所得課税の見直しも見送られた。早くも岸田カラーは薄らいでいる。

■    ■

忘れてはならないのは、衆院選は9年近くに及んだ安倍・菅政権への評価でもあるということだ。「政治とカネの問題」や「説明しない政治」にどう向き合うかも問われる。

立憲民主党は共産党などとの共闘を強化し、政権と厳しく対(たい)峙(じ)する構えを見せる。

日本の針路を決める重要な選挙である。経済政策や子育て・社会保障、エネルギー政策、多様性の尊重など課題は山積している。各党の公約を基に争点を明確にして議論を深めてもらいたい。

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