
"「モデル年金」について議論した社会保障審議会年金部会=東京都千代田区"
年金の標準的な給付水準を示す「モデル年金」が、「サラリーマンの夫と専業主婦の妻」の世帯のみで示されている現状が見直される方向だ。年金の給付水準の変化を示す「ものさし」としての役割を担ってきたが、共働き世帯が多数派となるなど多様な状況を踏まえた説明をしないと、制度不信につながりかねない、という判断からだ。
21日に開かれた厚生労働省の審議会で、様々なライフスタイルを想定したパターンの提示など見直しが必要だとする意見が大勢を占めた。新たに年金額を算出する世帯の具体像は、2025年に予定される年金制度改正に向けて詰める。
「モデル年金」は現在、男性が平均的な賃金で40年間就業した場合の厚生年金に、夫婦2人分の基礎年金を加えて算出している。妻は40年間、夫に扶養される第3号被保険者という世帯で、現在は月額約22万円。