Case05 プチブリックを飾りつけたピザ窯は取りはずし可能な屋根つき!
スタイリッシュな外見にこだわったピザ窯は、燃焼室のレンガをひとつずつ削って積み上げ、ドーム型の窯に仕上げた力作。副燃焼室ではスモーク料理も楽しめる。

プチブリックで化粧されたかわいらしいピザ窯。無骨で男っぽいデザインはあえて避けたそう
<記事内ギャラリー>
<Tさんの窯データ>
窯の種類
ドーム型二層タイプ
窯のサイズ
W1140×D1095×H1690mm
使用した主な素材
焼き過ぎ煉瓦128個、フランス煉瓦65個、耐火レンガ(SK32)50個、耐火レンガY2(扇形)/6個、同Y3(扇形)/7個、プチブリック260個、コンクリート平板(60×990×200mm)1枚、同(60×990×300mm)3枚、大谷石(60×300×900㎜)3枚、モルタル、砕石、砂など
製作費用
約8万円
製作期間
実働7日間
窯製作のきっかけ
食べ物までがスピード優先になってしまったこの時代に、これと対極の「面倒がかかるが心を込められる食べ物」を作りたいという気持ちがあった。また、石積みのアーチに憧れていた
窯設計までの経緯
まず本を買って勉強。大きさ、構造を決め、一度はアーチ型でピザ窯を設計。しかし大谷石の送料が意外に高く、ドーム型にすると内部の容積が少なくでき、大型の大谷石を使わないでできるとわかり、設計をやり直した
窯の特長・ポイント
燃料の節約のためには、内部の容積を小さくするのが有効なので、最低限の大きさで設計。焼き床兼火床の下部に副燃焼室を作り、取り除いたオキ火を置くスペースとした。窯口、副燃焼室のフタは大谷石で作り、なるべくすき間のないようにしてスモーク料理にも対応できる仕組みにした
土台
焼き過ぎレンガを11段積み上げ、コンクリート平板を設置
屋根
ひとりで取り外しができる屋根を製作。骨組みは2×4材を半分にカット。屋根材はポリカーボネイトの波板。接合部はビスケット・ジョイントとコーススレッドで固定した
今回の窯作りで失敗したところ・改良点
窯床の大谷石の両側に膨張スペースを残すべきだった。燃焼時に大谷石が膨張して窯を押し広げるので、煙突の開口部に簡単にクラックが入り、煙突はさっそくやり直しに…
使用する薪の種類・調達方法
以前は薪屋さんで調達。昨年冬は薪の原木をもらい、チェンソーと斧で小割りした。樹種にはこだわらず、広葉樹であればなんでもOK
使用時に出る煙についての注意
隣は留守が多く、一声かける程度。煙は温度が上がってしまえばそんなには出ないので特に気にしていない
窯まわりに欲しい設備
屋外用の小さなテーブル
ピザ・パンをうまく焼くコツ
ピザは見る見るうちに焼き上がるので、目を離さずにこまめに回してやればたいていうまく焼ける。裏側を適度に焦がすために溶岩のプレートを使用している
ピザ窯の魅力
「原始的なゆったり感」。懐かしさのようなものを感じる。人間は炎が好きなのだと思う


ピザ窯本体を覆うような小さな屋根を、2×材とポリカーボネイトの波板で製作。ひとりで取り外し可能

ピザ窯背面。レンガがきれいにドーム状に積まれているのがわかる。お見事!

窯口のフタとダンパーには60mm厚の大谷石を使用

ちょうどアルファベットのCをどんどん小さくするようにして、ドーム型の窯を作っていった

溶岩石に乗せて焼いたピザは裏側もほどよくこんがり焼ける
*掲載データは2011年8月時のものです。
dopa