おしゃれで明るいギャルVTuber・轟京子が漂わせる「カオスな魅力」

おしゃれで明るいギャルVTuber・轟京子が漂わせる「カオスな魅力」

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  • 更新日:2022/08/06
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轟京子(C)ANYCOLOR, Inc.

現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。

メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加している。

デビューから順を追うように紹介してきた本連載。元1期生、元2期生、元ゲーマーズ組の次とくれば、2期にわたる元SEEDs組のなかから、今回は轟京子について書いていこうと思う。

【動画】クレイジーな一面が溢れ出てしまった轟京子の行動まとめ

シスター・クレアの紹介時にもあげたが、にじさんじSEEDs組といえば「可能性を秘めたチャレンジ枠」という根幹があり、月ノ美兎のブレイクや公式から直々に「ヤベー奴ら」とアナウンスされた流れもあり、SEEDs組にはさまざまなタイプの「チャレンジ枠」「ヤベー奴」が集まっていた。

轟京子は、薄い褐色に焼けた肌、キレイな銀髪にパッチリと開いた眼と薄い青色の瞳。ピンクのショートパンツと白のロングブーツ、適度に見られる肌。そのほかの衣装もスポーティなものでも春・冬服でもバッチリと着こなす、オシャレなギャル×お姉さんというルックス&イメージが先行しており、これまでのにじさんじとは一線を画すタイプなのが分かる。

その当時、ネットカルチャーとはいわばオタクのものであった。もちろんいまでもその名残は強くあるが、インターネットを使わない層が年々減りつつある時代背景・社会事情に加え、コロナ禍を経験する中で全国民がインターネットに触れていったことも拍車をかけ、いま現在「ネットカルチャーはオタクのもの」などというのは筆者としては賛同しづらい。

彼女がデビューしたのは2018年6月上旬、まだまだ「ネットカルチャーはオタクのもの」であった頃だ。そんななかでこのルックスでデビューするということがすでに「チャレンジ」であろう。

しかしながら轟京子のキャラクターを知れば、そのような認識はすぐに崩れ、あるいは改めることになるだろう。おそらく彼女はSEEDs1期生のなかでも飛び抜けて「ヤベー奴」だったのだ。その部分に関しては公式の切り抜き動画でうまくまとめられている。轟「狂」子とも言われる由縁であろう。

サムネイルの時点ですでに「ヤベーやつ」なのがヒシヒシと伝わるだろうか。この2つの動画は、2021年1月頃から料金延滞でインターネット回線の再契約が必要となり、YouTubeなどを通した生配信がまったく出来なくなってしまったため、急遽制作された動画である。

「なぜかあの動画が見られてさ。1万再生すればいいと思っていた、1万人の人間が笑顔になれれば良いと思ってた。そしたみんな『怖い』『怖すぎる』『ヒィ!?』ってなるでしょ?アタシは『PUI PUI モルカー』を目指していたのに!どこが怖いの!?」

ちなみに本人として黒子で出演している人物はマネージャーさんとのこと。本人などでは一切ない。彼女曰く「あれで怖かったならアタシがこれまでに作ってきた3Dや人形のほうが怖くない?」とも口にしている。

こちらは、SEEDs1期生がデビューしてわずか2か月で企画・配信された2018年8月25日の「SEEDs全員集合!!!24時間生配信」のワンコーナーにおいて、同期であった社築をモチーフにした3Dモデル、俗に言う「3D社築」である。

その後にも同じようにして同期の3Dモデルを複数制作し、彼女のリスナーはおろか同期から笑いを大きく引き出し、同時に恐れ慄かれることになる。

2020年10月末には、にじさんじYouTubeチャンネルにて続いていた『ツキイチにじさんじ』内の罰ゲームにて、自分自身の人形を制作させられることになった。先にあげた「ご報告」動画に出演もしている。

轟京子は服飾系の専門学校を卒業しており、配信で見せるデザインや洋服のセンスはピカイチ。ファッション・コスメ・美容にも詳しく、何度となく配信を通して見せてきた。雑談配信よりもお絵描き配信のほうが頻度として高くなるほどにお絵描き・デッサンの配信をしてきた彼女、そのデザイン力とお絵描き力が存分に活かされた企画が「ROKI’S COORDINATE」シリーズだ。

にじさんじライバーをコーディネートしていくというこの企画。自身のデッサン力やアイディア力が存分に発揮しつつ、二次創作が活発なにじさんじリスナーの創作意欲や妄想力を刺激し、とても活発にコミュニケーションを取りながら盛り上がる配信シリーズとなっている。

あくまで「轟京子が着せたい服装」を率先して描くことが多く、しばしばリスナーと論戦になるのは避けられないわけだが、それもまた一興のうち。不定期ながらも人気の高い企画配信となっている。

配信中にはくだらない雑談話も挟みながら、リスナーからの「こういうファッションってどうすれば着ればいいか分からない」「カラーコーディネートが難しい」といったマジメな質問にもできうる限り答えようとしているのが分かる。そんなムードを察知したか、洋服選びのコツについて話す動画もアップしている。

『チャージマン研!』『DYNAMIC CHORD』『ボボボーボ・ボーボボ』といったネットカルチャー内でもインターネット・ミーム化したアニメ・漫画が好きということもあり、配信内でも話題にあがることが多々ある。クセの強いブラックジョーク・ユーモアに溢れた作品内容は、彼女のセンスや勘所にもピッタリ合うのだろう。

特に社築らとともに『チャージマン研!』の名シーンを再現する配信は、元SEEDs組1期生・2期生メンバーによる数ある名配信のなかでもキレッキレな内容である。

これに加え、クセの強い腐女子・夢女子の側面を持ち合わせており、BL好きとしてもファンに知られはじめている。

先に挙げた「ROKI’S COORDINATE」では好きなシチュエーションや性癖について熱く語ることもあり、元SEEDs1期生による活動3周年を記念配信となった『Gartic Phone』では社築と花畑チャイカによるBL系イラストを描いたりと、少しずつその趣味性を公にしている。

2022年6月9日には早瀬走の配信にて、鈴鹿詩子、モイラ、竜胆尊、レヴィ・エリファとともに飲酒配信に参加。にいさんじのなかでも指折りのBL好きである鈴鹿詩子と早瀬走を筆頭にしたこの会、お酒の肴(トークテーマ)に挙がるのはもちろんBLネタ。スタートからディープな話題についていけないリスナーが続発するなか、ワイワイと歓談する轟の姿が見れる。

ここまで振り返った内容をみれば、「バーチャルYouTuber・VTuberとは一体何なんだ?」と感じる方もいるかと思う。2Dの絵がどう、3Dモデルがどう、ということすらも些事のように感じられるほど、轟京子は縦横無尽に駆け巡ってきた。

どこかアングラ気味でB級かもしれないが、奥行き・角度・方向性それぞれにエッジが立ったエンターテイメントの数々だ。

そんな彼女と共鳴するにじさんじのメンバーといえば誰が挙がるだろうか。元1期生の月ノ美兎はたしかに彼女に近しいだろうが、アップテンポに会話を続けていくムードと気質、ネットミーム好きや服飾関係の制作物から伺えるカジュアルでヒネたセンスは、周央サンゴが最も近しいところだろう。

意外に思われるかもしれないが、2人はSpotifyで配信された『VTuber 魔法のリムジン Tokyo 1Day Trip』の初回配信に出演している仲だ。

これまで配信上ではほとんど絡んでいる姿を見せておらず、ほぼ初対面といっても過言ではないのだが、お互いの共通点などですぐに盛り上がってみたり、コミュニケーションも円滑そのもの。

バンジージャンプやお化け屋敷を楽しんだ後、これまでの道のりや夢についてお互いが語る後半エピソードは必聴だ。

2022年7月1日には自身の3Dモデルのお披露目配信を行なった。数々のお笑いネタを次々に投下しつつ、しかも前後関係があまりにも辻褄が合わないままにパレードしていくような、カオス気味な内容となっていたが、「轟京子がどこから生まれてきたのか?」というバックグラウンドが感じられる内容にも仕上がっていたのだ。

ちなみに前週には周央サンゴが3Dお披露目配信をしており、こちらもまたハイテンションかつ様々なネタを繋ぎ合わせた内容で、2週続けてリスナーは置いてけぼりを食らうレベルの配信を見ることになった。彼女ら2人の共通性がうかがい知れる点であろう。

ここまでの彼女を見てみると、「轟京子はオタクで陰キャラ」などとはとても思いにくい。むしろ明るいキャラクターでオタクカルチャーに強い、それどころかかなり理解力をもって楽しんでいるのが伝わってくる。

最近のオタクカルチャーにおいて「オタクに優しいギャル」という概念が広まりつつあるが、2018年6月にデビューした彼女はまるで流行を先取りしているかのようだ。なにより「全国民がインターネットに触れている」いまの状況のなかにおいては、明るくカジュアルにネットカルチャーを楽しんでいる理想的な存在(ロールモデル)として、異質なセンスをそのままに少しずつ存在感を強めていくこともできるかもしれない。(草野虹)

草野虹

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