一般的に、お盆の時期に海に入るのはNGとされています。入ってはいけない理由は、「クラゲの発生」「事故の増加」などさまざまです。この記事では、お盆に海に入るべきではない理由やその他の水遊び、子連れの海水浴の注意点を解説します。
【目次】
お盆に海に入るのがNGな理由

お盆シーズンの海水浴がNGとされる理由には、以下の5つが挙げられます。
1. クラゲが発生しやすいため
2. 土用波が起こりやすいため
3. 離岸流が起こりやすいため
4. 海での事故が増えやすいため
5. 先祖の供養に専念するため
管理が行き届いているビーチであれば、これらの理由を過度に心配する必要はないでしょう。一方で、あまり整備されていない海水浴場や監視員が常駐していないビーチの場合、お盆に訪れるのはおすすめできません。
ここでは、お盆に海に入るべきではない理由を一つずつ見ていきましょう。
1:クラゲが発生しやすいため
お盆シーズンはクラゲが大きく成長し、大量に発生すると言われる時期です。後述する土用波(どようなみ)が発生すると、外洋に生息するクラゲが波に乗って北上し、日本各地の沿岸にたどり着きます。

クラゲの中には強力な毒を持つ種類も存在し、刺された場合はさまざまな症状が起こる可能性があります。クラゲに刺される危険性が高まることが、お盆は海に入るべきではないとされる理由の一つです。

2. 土用波が起こりやすいため
お盆は土用波が起こりやすい時期であるため、海水浴に出かけるのはNGとされています。土用波とは、台風の影響で突発的に発生する大波のことです。
太平洋の沖合などで発生した波が小さな波を飲み込みながら接近し、通常よりも大きな波となって日本にたどり着きます。海に入っている際に土用波が押し寄せてきた場合、高波に巻き込まれる可能性があります。
3. 離岸流が起こりやすいため
離岸流が起こりやすいことも、お盆の海水浴を避けるべき理由の一つです。離岸流とは、波打ち際から沖に向かって発生する速い流れのことです。
離岸流が起こると、踏ん張った状態であっても足を持っていかれる可能性が高いでしょう。波に引っ張られるように沖へと流されてしまい、最悪のケースでは溺れることも考えられます。
4. 海での事故が増えやすいため
先述の理由以外にも、お盆シーズンはさまざまな要因で海での事故が増えやすくなります。たとえば、この時期は台風が多くなるため、高波に飲まれる危険性が高くなるでしょう。台風の影響で水温が低下すると、体力を消耗して事故につながることもあります。

また、お盆は海草が増加する時期のため、海草が足に絡まって溺れるリスクも高まります。足を自由に動かせない状況で土用波が押し寄せると、重大な事故に発展するかもしれません。
お盆シーズンはこのような水難事故が起こりやすいため、海に入るべきではないとされています。

5. 先祖の供養に専念するため
お盆の海水浴が推奨されない理由には、「先祖の供養に専念すべきだから」という意見もあります。そもそもお盆とは、あの世から帰ってくる先祖をお迎えして供養する期間です。先祖がこの世に戻ってくる貴重なタイミングのため、海で遊んでいる場合ではないと考えられています。
また、お盆の時期は灯籠流しなどの行事が水辺で行われるでしょう。水辺は神聖な場所として扱われるため、汚さないように海水浴や川遊びを避けるという考え方もあります。
幽霊に関する迷信があるためという説も
幽霊に関する迷信が信じられていることも、お盆の海水浴に対してネガティブなイメージがつきまとう理由です。お盆はあの世の霊がこの世に帰ってくる時期のため、心霊現象が起こりやすくなるといわれています。
また、旧暦のお盆にあたる7月は、地獄を司る閻魔さまが休暇をとるといわれる時期です。閻魔(えんま)さまの休日には地獄の釜のふたが開いたままになるため、地獄にいる霊がこの世に集まってきやすいとされています。
これらの要因が重なった結果、「海に入ると霊に足を引っ張られる」「あの世に連れていかれる」などの迷信が広まり、お盆の海水浴が避けられるようになりました。
海以外の水遊びはお盆でもできる?
お盆は海に入るべきではありませんが、家族のお休みが重なるタイミングのため、水遊びがしたいと考えている人もいるでしょう。海に行けないとなると、海以外の選択肢には釣りや川遊びが挙げられます。

しかし、風習や事故の多発などの理由から、お盆中は釣りや川遊びも推奨されません。どうしてもお盆に水遊びをするなら、プールに出かけるのがおすすめです。
ここでは、お盆中の釣りや川遊びを避ける理由や、海以外にできる水遊びについて解説します。
釣りや川遊びも推奨されない
お盆の時期に釣りをすべきでないとされる理由には、仏教の風習が関係しています。仏教ではお盆中の殺生が禁じられており、釣りも殺生にあたることから、お盆は釣りをしないのが一般的です。
また、お盆は海以外の水辺でも事故が増えるため、川遊びも推奨されません。たとえば、台風の影響で水位の上昇や水温の低下が起こると、溺れるリスクが高まります。その他にも、「水草に足をとられる」「川の流れが速い」など、事故につながる要因は多くあります。
川では事故に遭わないと思い込まず、水辺ならではのリスクがあることを理解しておきましょう。
お盆の水遊びはプールがおすすめ
「海や川は危険がある」「釣りは殺生にあたる」と、お盆中は水遊びの選択肢が制限されます。とはいえ、すべての水遊びができないわけではありません。お盆に水遊びをしたいなら、プールがおすすめです。

プールは気象的な要因に悩まされる心配が少なく、海や川に比べると安全に遊べます。更衣室なども完備されているため、快適に水遊びができるでしょう。なかには大型のアトラクションを備えた施設もあり、家族みんなで楽しめます。
幼い子どもがいる場合は、自宅の庭などに家庭用のプールを出すのもおすすめです。ホースで水をかけたり、プールを利用してスーパーボールすくいをしたりと、家庭用プールではさまざまな遊び方ができます。遊び方を工夫すれば、子どもも飽きずに楽しんでくれるでしょう。

子連れのプールに必要な持ち物は?しっかり準備して素敵な思い出を
子連れで海に行く際の注意点2つ
ここまでに述べたとおり、お盆中は海水浴を避けるのが無難です。地域によって異なりますが、海水浴は7月上旬(または中旬)〜8月下旬あたりまで楽しめます。夏に海遊びをしたい場合は、お盆の時期をずらして出かけましょう。

なお、特に子連れで海に行く際は、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
1. 紫外線対策をする
2. 子どもから目を離さず事故に注意する
ここでは、子連れで海水浴する際の注意点について解説します。
1. 紫外線対策をする
子どもと一緒に海に行く際は、紫外線対策を万全にしましょう。強い日差しが降り注いだり、日差しが砂に反射したりと、海は日焼けしやすいスポットです。子どもの肌は特に敏感なため、日に焼けることで肌トラブルが起こるかもしれません。
日差しから肌を守れるように、日焼け止めや帽子などの紫外線対策グッズを準備しておきましょう。
2. 子どもから目を離さず事故に注意する
お盆シーズンに限らず、海ではさまざまな事故が起こる可能性があります。子どもは好奇心にかられて動き回ったり、予測できない行動をとったりするため、常に目を離さないように注意しましょう。
また、海ではクラゲなどの危険な生物に遭遇することもあります。注意が必要な生物について事前に調べておき、子どもが誤って触らないように目を配ることが大切です。
お盆は海以外の水遊びを楽しむのがおすすめ

クラゲの発生や事故の多発といった理由から、お盆中の海水浴や川遊びはNGと考えられています。また、先祖がこの世に戻ってくる時期のため、供養に専念すべきという意見もあります。
その他の場所で水遊びをするなら、プールがおすすめです。プールは海や川に比べると危険が少ないため、子どもと一緒に安心して遊べます。
「プールのある施設に出かける」「家庭用のプールを出す」などのアイディアを取り入れて、お盆シーズンは海以外の水遊びを楽しみましょう。
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