「準備不足のパーティほど遭難しやすい!」データから見る装備・準備の大切さ・山岳遭難から考えられる事故防止とは

「準備不足のパーティほど遭難しやすい!」データから見る装備・準備の大切さ・山岳遭難から考えられる事故防止とは

  • BRAVO MOUNTAIN
  • 更新日:2022/01/15
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山梨県警(左)と長野県警(右)の山岳遭難救助隊。南八ヶ岳での合同トレーニングにて(撮影:渡辺佐智)

2022年新しい年を迎え、甲府盆地からは南アルプスのモルゲンロートがとても美しい。2021年12月(11月26日~12月31日、山梨県警発表)の山岳遭難発生状況を振り返り、今年もいい登山ができるよう考えていきたい。山梨県在住の登山ガイドである渡辺佐智が県警地域課へのインタビューを行い、事故データをもとに先月の傾向を解説していく。

関連:【画像】「遭難から考えられる事故防止」2021年12月の遭難状況をまとめたグラフ

※2022年から月末区切りとするため、今回のデータの参照は2021年11月26日から12月31日分とした。

■2021年12月の山梨県の遭難

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山系別遭難発生状況、富士山1件、御坂山系3件(鬼ヶ岳、三石山、精進峠)、南アルプス山系1件(甲斐駒ヶ岳)、八ヶ岳1件(赤岳)秩父山系2件(羅漢寺山、要害山)、大菩薩・道志4件(大菩薩嶺、鳥ノ胸山、扇山)『山梨県警発表、2021年11月26日~12月31日』

山梨県の12月の遭難件数は12件あり、11月の15件(10月26日~11月25日)に比べて微減した。例年12月の遭難件数は、減少する傾向がある。年末で多忙なことや、無積雪期から積雪期の端境期にあたり装備も変わり登山が難しくなるため、入山者数が減っているのではないかと考えられる。

私自身、12月は雪山への切り替え強化月間と考えており、装備の変更だけでなく、雪崩ビーコンなどの使用方法を実地確認したり、読書で頭のスイッチを雪山に切り替えて、ハードルを下げた雪山登山からスタートすることにしている。

■落葉や降雪により登山道が隠れると

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態様別発生状況、道迷い5件、滑落2件、転落0件、転倒2件、疲労0件、発病2件、その他1件『山梨県警発表、2021年11月26日~12月31日』

12月も道迷いが一番多かった。落葉や降雪により登山道が隠れると、人はどうしても、他人のトラック(歩いた跡)に引っ張られがちになる。地形的に間違えやすい登山道(例えば、方角が大きくかわるところや、尾根や沢から外れるところ)は、たくさんの人が間違えるので、誤った道がくっきりと痕跡を残していき、悪循環になる。そういった場所は、地図読みができる登山者なら事前に把握できるが、読めない人の場合は、こまめな現在地確認と、誤った場合すぐに戻るという心構えが必要だ。

■遭難結果をみてみると

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山岳遭難発生状況、発生件数12件、遭難者数18名、死亡2名、負傷者3名、行方不明0名、無事救助12名『山梨県警発表、2021年11月26日~12月31日』

18名の遭難者のうち、単独の登山者は4名、複数の登山者は14名であった。単独の登山者をみると、4名のうち2名は死亡(態様別は発病、その他)、1名重傷(転倒)1名無事救助(発病)となっている。単独の場合、もし重傷であれば、できることは、通報をしてその場で救助を待つこと。怪我をして野外で待っているとどんどん寒くなっていく。荒天や低温化であればなおさら、加温しなければ体温を平熱に保ち続けることはできない。装備は足りていますか?

■ヘッドライトは登山の必須装備!

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登山用ヘッドライト

顕著だったのが、ヘッドライト不携帯で行動不能になり、救助された登山者が7名いた。いずれも複数登山で要害山2名、鳥ノ胸山3名、大菩薩嶺2名の3グループである。誰も持っていなかったことは残念だ。また、「必須装備を不携帯ということは登山届の提出もされていないのでは?」という予想どおり、3グループ共に登山届は出されていなかった。家族や友人を登山に誘う人は、誘った相手がヘッドライトを持っているか、確認してあげてほしい。誘った人が登山届を出すことは、もちろんだ。

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渡辺 佐智

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