観客が戻り始めた実写映画 『ハケンアニメ!』は異例のロングラン

観客が戻り始めた実写映画 『ハケンアニメ!』は異例のロングラン

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  • 更新日:2022/06/23
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『ハケンアニメ!』(c)2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

まずは速報。5月27日に公開された『トップガン マーヴェリック』は昨日6月22日、公開から27日目に興収60億円を突破した。外国映画、日本映画問わず、コロナ禍に入ってからの実写映画の最高興収は『今日から俺は!!劇場版』の53.7億円だったので、これで2020年以降に公開されたすべての実写映画でナンバーワンになったことに。現在も動員は好調で、いよいよ2018年に公開された『ボヘミアン・ラプソディ』以来の実写映画100億円突破の可能性も見えてきた。

参考:マーベルにも勝った『トップガン マーヴェリック』 それでも「映画の未来」は変わらない!?

その『トップガン マーヴェリック』が1位に返り咲いた先週の週末動員ランキング。トップ10に初登場したのは、5位の『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』と6位の『峠 最後のサムライ』だった。『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』のオープニング3日間の動員は10万3507人、興収は1億4274万1950円。『峠 最後のサムライ』のオープニング3日間の動員は9万2121人、興収は1億1516万7970円。いずれの作品も配給の東宝、松竹&アスミック・エースの期待には届かないであろう鈍い出足だが、コロナ禍が落ち着いた今年の春以降の傾向として、週末ランキングでは目立たなくてもロングヒットとなっている実写映画がいくつかある。

一つは、5月13日に公開された『流浪の月』。初登場は5位と振るわなかったが、その後も7位→9位→9位と粘り強い興行を展開。さらにその上をいくのが5月6日に公開された『死刑にいたる病』で、こちらも初登場5位のあと、6位→8位→6位→8位→10位と6週にわたってトップ10にランクイン。現時点で、独立系の配給による日本の実写映画としては異例の興収10億円を突破している。

異例ということでは、本コラムでも公開初週にあまりに不調なスタートだったためにトップ10圏外であるにもかかわらず思わず言及(参考:『五等分の花嫁』の大ヒットが示す 「実写よりアニメ」の決定的なシフト)した、『ハケンアニメ!』の興行にも触れる必要があるだろう。公開後しばらくしてから作品の評判がソーシャルメディアや口コミで広がっていった同作は、上映終了予定日が近づいた公開4週目のウィークデイに駆け込み客が殺到して各劇場で満席が続出。結果、公開から1ヶ月以上が過ぎた現在も上映が続いていて、上映回数は少ないながらも客席が埋まり続けている。

もっとも、独立系配給作品ならまだしも、オープニング3日間の成績によってその後のスクリーン割がほぼ決まってしまうメジャー配給作品(本作は東映配給)の場合、今回のようにソーシャルメディアや口コミの広がりがあったとしても、タイミングを逸したら目標の数字にはどうしたって届かないのも事実。作品の予算規模などの問題ともからむので難しいだろうが、メジャー配給作品は300スクリーンでの全国公開が前提という現在の構造から、まずは150~200スクリーンで公開して、作品の動員や評判に応じて柔軟にロングランに対応できるような仕組みができれば、少しは日本映画界も変わると思うのだが。(宇野維正)

宇野維正

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