アイビスサマーダッシュだけじゃない!枠順とコース取りだけで決まった「超不公平なレース」5選

アイビスサマーダッシュだけじゃない!枠順とコース取りだけで決まった「超不公平なレース」5選

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2022/08/06

◆今年のアイビスサマーダッシュも8枠が2頭馬券絡み

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2021年のアイビスサマーダッシュはインベタの奇襲が嵌ったが…写真/橋本健

先日、夏の名物「アイビスサマーダッシュ」が行われました。アイビスサマーダッシュが行われる新潟の直線コースは、「超外枠有利」で有名な舞台。

昨年こそ最内枠のバカラクイーンが内ラチ沿いに突っ込む奇襲で3着に健闘しましたが、あくまでも例外。今年もやはり外枠が有利で、8枠16番のビリーバーが7番人気で勝利。2着には8枠17番のシンシティ、さらにあわやの4着に8枠18番のレジェーロが16番人気の低評価を覆して突っ込んできました。あと一歩で8枠3頭での決着になろうかというほどの、相変わらずの外枠有利レースだったわけです。

しかし、こういった有利不利が発生するのは実は直線競馬だけではありません。競馬は開催日時や天候、またそれに伴う芝の荒れ方によってしばしば極端な有利不利が発生するのです。まさに「不公平競馬」そのもの。そこで今回は、個人的に強く印象に残っている「枠とコース取りだけで決まってしまった超不公平レース5選」をお送りしたいと思います。

◆内枠3頭で大波乱! 2007年市川ステークス

まずは直線競馬とは真逆、内枠が圧倒的に有利だったレースです。舞台は2007年暮れの中山。この日はまだ開幕週の日曜日ということで内の馬場状態がよく、ただでさえ距離ロスなく最短距離を通れる上に走りやすい状態で圧倒的にインが有利でした。

結果、レースは完全な内枠決着。道中はインの中団で溜めたテンイムホウが勢いをつけて加速、外を通った馬は4コーナーではさらに外に振られてしまい、先行した内枠の馬を最内枠のテンイムホウが差し切ってあっさり決着しました。

3連複は1-2-3で6万馬券、3連単に至っては1-3-2で54万馬券という大波乱でした。ちなみにわずか80分後の最終レースも同じ1200m戦。3連単は4-2-3というまたしても内枠の上位独占で3連単は31万馬券。傾向を掴んでいれば獲れたかも?

◆馬場改修直後でインがまったく伸びず! 2012年ファルコンS

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2014年の有馬記念も7枠8枠の上位人

続いては、馬場の工事が芝に影響を与えたレースです。舞台は2012年の中京競馬場。この時の中京競馬場はリニューアルオープンしたばかり。もともと平坦だったコースに坂ができたり、直線が長くなったりと大規模な改修工事が行われ、その直後の開催でした。

工事の影響でしょうか、リニューアル直後の中京芝はやたらと外が伸びて後方にいた馬が差して来るレースが続いていました。芝1400mで行われたファルコンSも例外ではなく、先行した馬はほぼ失速。8枠15番のブライトラインが外から豪快に差し切りを決めると、2着には道中10番手のレオンビスティーが入り、3着~8着まではすべて2ケタ馬番勢が入線しました。

ちなみにこのレースで不利な2番枠だったのがハクサンムーン、5番枠だったのがトウケイヘイロー。両馬とも後に国内や海外のG1で活躍する馬ですが、そんな強豪でも特殊な馬場傾向には勝てず2ケタ着順に敗れてしまっていたのです。

◆新潟芝の外ラチ沿いで熱い叩き合い! 2004年新潟大賞典

新潟芝の外ラチ沿いの叩き合いというと直線競馬をイメージしますが、実は直線レース以外でも外ラチ沿いで激しい攻防が繰り広げられることがあります。2004年の新潟大賞典はまさにそんなレース。

この日は開催3週目、現在とは馬場管理技術の差もあり、今以上に内側の芝は荒れて剥げかかっていました。そんな中、16頭立てで行われたこのレースは、直線に入ると各馬が外ラチを目指して追い出しを開始。しかし、多くの馬が外を目指したためにラチ沿いは大渋滞しており、結局最初から外を走れた外枠の馬が上位を独占。

勝ったのは大外8枠16番のマイネルアムンゼン、2着に8枠15番のハレルヤサンデー、3着にも7枠13番のスーパージーンが入り波乱。傘の花が開く観衆の目の前をかすめるような叩き合いは今でも印象に残っています。

◆雨の極悪馬場で内の馬は進んで行かず! 2020年キーンランドカップ

雨の影響を大いに受けたという意味で印象深いのは2020年のキーランドカップです。舞台は札幌芝1200m。北海道の芝コースは洋芝という、一般的にタフでパワーを要することで知られているのですが、さらに雨が降ったことで超パワー馬場に。

一瞬で決してしまう短距離戦ゆえに、内を通らされた馬はほとんど進んでいかず、最終コーナーでは多くの馬が勝負圏外に脱落。外枠から外を通れた馬が続々と押し上げて来た結果、16頭立てのレースは上位から「14→12→15→13→16番」というキレイに外側の5頭で掲示板の5着までを独占しました。

ちなみにこの時4番枠という不利な枠順に泣いて6着に敗れていたのがビリーバー。そう、先日のアイビスサマーダッシュでは16番枠から突き抜けた馬です。枠順に笑うこともあれば泣くこともある。運が左右するのも競馬の面白さなのかもしれません。

◆新世紀の大波乱はサインより枠順が要因? 2001年有馬記念

最後は、有名なあのレースを取り上げます。2001年の有馬記念です。実はこのレース、世相から予想をするサイン馬券界隈では語り草になっている一戦です。

そう、2001年はニューヨーク・マンハッタンで世界を震撼させたテロ事件があった年。世相を反映するといわれるグランプリ・有馬記念を勝利したのは“マンハッタン”カフェ、そして最低人気ながら2着に粘り込んだのは“アメリカン”ボス。サイン馬券が炸裂したレースだったのです。

しかし、実は枠順によって決まったレースだったことはあまり知られていません。そもそも当時の主役は引退が決まっていた現役最強馬テイエムオペラオーと、その最大のライバル、メイショウドトウ。当然のように2頭が人気を集めたのですが、両馬は舞台となる中山芝2500mで圧倒的に不利といわれる8枠。結果、4~5着に敗れてしまったことが波乱の一因でした。

ちなみに勝ったマンハッタンカフェは4番枠。前半インでジッと我慢すると直線は末脚を爆発させました。2着のアメリカンボスは1枠1番、3着トゥザヴィクトリーは2枠2番。終わってみれば4→1→2番という、超内枠競馬だったわけです。

いかがだったでしょうか? 直線競馬のみならず、レースには枠順の有利不利がつきもの。その枠順は抽選で決まるわけですから、やはり運を味方につけないと勝てないのが競馬でもあります。もっとも、馬券を買うファンからすると事前に有利不利がわかれば高配当をゲットするチャンスでもあります。ぜひ、直線競馬以外でも「不公平レース」を探してみてください。思わぬ高配当のチャンスが転がっているかもしれません。

文/TARO

【TARO】

競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。最新の著書に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。

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