
停電を想定して暗い中行われた
高津区役所は、地震などの災害が発生した際、早期に体制を整え迅速な対策本部を設置する訓練を初めて実施した。これは、初動体制の強化を図ることで、区内外の状況把握や対応を素早く行うことなどを目指したもの。
今年に入り、石川県で震度6度、千葉県で震度5度、鹿児島県で震度5弱が発生している。
そんな中、高津区は、いつ起こるか分からない地震に備え、5月19日に区役所で震災時の対策本部設置訓練を実施。区職員ら約40人が参加した。
災害時に本部を設置する目的は、区内外の被害状況を明確に共有し迅速に対処するため。設置に際しては手順や動きに慣れが必要となるため、川崎市内でも既に、麻生区や幸区役所で同様の訓練が行われている。
開設キットに沿って
今回は役割が記された「ビブス」や初動対応が記された「アクションカード」、養生テープなど備品一式がまとめられた「区本部開設キット」を用意し訓練に臨んだ。
当日は、地震は22時40分に発生したと想定し、職員らが区に参集。始めに区内の地図や庁舎内外の損害状況を共有出来るよう「ホワイトボード」を設置。その後、到着した人から区役所の被害状況の点検や電話応対などを行い、それぞれの状況がホワイトボードに共有事項として記された。2回目の訓練では停電を想定し「ポータブル電源」や「ランタン」を用いて明かりを確保する手法なども学んでいた。
反省を活かしていく
途中「声が小さい」「ひび割れのサイズも不明確」「地図に書かれた被害状況が分かりくい」などと緊張感の無さも指摘された。またある程度人が集まると手が空く人も存在し、人数が足りていない所へのサポートや指示系統の見直しも必要となった。
訓練を見守った高橋友弘区長は「多くの職員が訓練の重要性を認識していると感じた。また非常時におけるアクションカードの有用性が認識できた。チームワークよく初動対応が出来ていた印象だが、若干戸惑うような場面も見受けられたので、今後も状況などを変えながら訓練を重ねていきたい」と話していた。

状況を共有できるようホワイトボードにまとめられた
タウンニュース高津区版