
昼休み一人派の人たちの本音
職場での昼休みの過ごし方は人によってさまざまだが、今は一人で過ごしたい人も多いようだ。プラス株式会社ファニチャーカンパニーの「職場の居心地WEB調査」(対象:従業員数100名以上のオフィスで働く勤続年数1年以上の会社員500名、回収日: 2023年8月9日)に、「昼休みの過ごし方」を調査した結果、職場での昼休みを一人で過ごしたい人は66.2%にのぼったという。
では、なぜ一人で過ごすことにこだわるのか。職場の同僚と一緒に過ごすのは嫌なのか。“昼休みは一人派”の人たちに話を聞いた。
職場の仲間と食べるランチが憂鬱に
IT企業勤務の30代男性・Aさんは、前職で務めていたメーカーの昼休みの過ごし方に疑問を感じていたと振り返る。
「会社としての方針として、昼食は同僚たちと食べて交流を深めようというカルチャーがありました。なかでも僕が配属された部署ではその意識が高かったんです。集まって会議室でお弁当を食べたり、誘い合って外食に行くのが“普通”でした。上司は転職してきた人にも、『みんなと食べた方が楽しいし仲良くなれるよ』と勧めていました」
最初のうちは交流ができて楽しいとも思ったAさんだが、最終的には昼休みの過ごし方に嫌気が差し、会社に行くのが憂鬱になるほどだった。
「部署の人と昼休みまで一緒に過ごしたら、休まる暇がない。会社や不在のメンバーの悪口を言う人もいて、ストレスを感じるようになりました。
その後、転職した会社では、お昼時間も行動も自由です。一人の方が好きなことができるので、“今日はあそこで食べよう”とか、“昼食はさっさと済ませてアニメを1話分見よう”とか、上手にリフレッシュできる」
社員食堂で人に話しかけられるのが苦手
メーカー勤務の20代女性・Bさんは、「昼休みぐらい放っておいてほしい」と嘆く。特に社員食堂での食事は「苦痛でしかない」という。
「入社当初は社員食堂が物珍しく、誘われるままに行っていましたが、昼休みまで会社の人たちと顔を突き合わせることにうんざりでした。
会社のエラい人が『社員と交流を図る』目的で、わざわざ社員食堂でご飯を食べるんですよ。しかもこちらが食べている最中に話しかけてこられて、緊張する。食事時にやめてほしいです。
一人で社員食堂にいたら、上司に見つかって『友達いないの?』と面倒なことを言われるし、同僚からは『ここいい?』と隣に座られることも。結局、仕事の話ですよ。疲れるだけでした」
職場の社員食堂の居心地が悪いBさんは、一人で外食することが多くなった。
「そもそも食べるのが遅いので、時間が限られている昼休みに誰かと食べるのが苦手。だからといって、職場のデスクで買ってきたものを食べるのも嫌。パソコンの前だと、仕事モードが抜けなくて、食べた気がしないというか……。
せっかくの昼休みなんだから、少しでも仕事から離れたい。一人で会社の少し遠くまで足を延ばして外食したり、公園でお弁当を食べるようになりました」(Bさん)
SNSで推しの情報をチェックし、自分の時間を満喫
商社勤務の20代女性・Cさんも、ランチタイムは一人で過ごしたい派。SNSで推しの情報などをチェックし、自分の時間を満喫しているという。ただし、仲の良い同僚と月に一度は一緒にご飯を食べているという。
「基本的には、昼休みは自由にしていたい。お腹の空き具合も人それぞれじゃないですか。でも同僚と定期的に“2000円ぐらいするようなちょっといいランチを食べにいく会”をやっているんです。
ランチそのものを楽しみにすると、その日の仕事にもやる気が出ていい。でも、それが毎日だと辛い。“たまには”という気楽な感じがちょうどいいですね」(Cさん)
「おひとりさま」という言葉が定着して久しいが、昼休みも一人行動で充実すると考える人も少なくないようだ。(了)
マネーポストWEB