外国人投資家にちゃぶ台返しされた「岸田ショック」...もう“日経平均”に翻弄されたくない人への「ウィズ岸田銘柄」9選

外国人投資家にちゃぶ台返しされた「岸田ショック」...もう“日経平均”に翻弄されたくない人への「ウィズ岸田銘柄」9選

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/10/14
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日経平均「上がりすぎ」から「下がりすぎ」へ

「なんで上がるの?」「上がり過ぎでしょ?」な時期ほど、日経平均(以下:日経平均)は上がる…という悪癖を前回コラムで紹介した。

多くの日本の個人投資家が首をかしげる上げ方をするとき、個人投資家は日経平均に“売りバイアス”をかける。代表的な投資行動が、ダブルインバースETF(日経平均の変動率のマイナス2倍動くよう設計された金融商品)の買いである。

ショートが溜まっていくなかで、上値を買い上がる外国人投資家の力が想像以上に強いと、上昇への恐怖感からダブルインバースETFを買った投資家は短期でロスカットする。

そのロスカットは日経平均買戻しと同義のため、踏み上げ相場の燃料となり、9月に付けた年初来高値に向けたラリーが具現化した。

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岸田総理に対して株式市場は冷ややか…/photo by gettyimages

そんな「何このラリー?」な相場は…突然終わった。1ヵ月も経たず、前述の個人投資家の心理はひっくり返ることになった。

ド派手な上昇分は全部溶け、暴走状態の下げに対して「なんで下がるの?」「下がり過ぎでしょ」に投資家心理は一変。“逆張り”の個人投資家は一転し、日経平均に“買いバイアス”をかけ始める。

このターンでの代表的な投資行動は、日経平均レバレッジETF(日経平均の変動率の2倍動くよう設計された金融商品)の買いである。

下げる過程では、毎日のように、「今日こそ戻す!」「今日は買い場!」な雰囲気があった。その思いで押し目買いを入れる個人投資家の買いポジションが蓄積されるなか、「なんでこんな安値から売り叩くの?」な非情なる外国人売りが降ってきた。

8日続伸→8日続落という「逆V字型」

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図1

あまりに真逆の需給が働いたわけだが、起こった現象を抜き出してもまさに正反対。この下げ局面で話題になったのが、日経平均の8日続落(9月27日~10月6日)だった。

8営業日も続けて下げるというのは、2009年7月以来、12年3ヵ月ぶり(この時は9日続落)とのことで、極めてレアな現象だったようだ。

ちなみに、前回9日続落した2009年7月の時は、「9日続落の翌日から9日続伸」という、これまた珍現象が起きていた。一方通行で下げた動きが起きると、その逆流も一方通行で起きるということか…。

そういう意味では、9年3ヵ月ぶりの“V字回復”で逆襲だ!と期待したいところだが、今回は日足チャートを見ると、ちょっと違う匂いがする。

というのが、相場の動きが「下がる→上がる(戻す)」のV字型ではなく、「上がる→下がる」の逆V字型になっていること。その上がる過程で、日経平均は怒涛の8連騰(8月30日~9月8日)を記録している。これの打ち返しが起きただけ、リセットされただけだということが分かる。

何をリセットしたのか?ここは意見が分かれそうだが、「岸田政権の誕生」で手前の上昇時のカタリスト(相場を動かす契機となる材料)がリセットされたという解釈が腑に落ちるように思われる。

8連騰のカタリストが菅元総理の退任報道で、「次期政権の政策に期待している」だとか「これで衆院選を議席を減らさずに戦える」だとか、そんなことを証券会社の人たちが言っていた記憶がある。

某外資系証券では「河野太郎氏勝利なら株式市場にとってポジティブ」と指摘。それが、岸田氏優勢と伝わった辺りから下げ始め、総裁選で岸田氏勝利でも株価が下げたし、党役員人事が伝わると株価が下げ、岸田内閣が発足した日も株価が下げ、岸田内閣の最初の世論調査結果で低支持率が伝わっても株価が下げた…。

とりわけ、金融所得課税引き上げを検討していたことを日本の個人投資家は嫌った。27000円台に突っ込んだ辺りで、市場は今回の下げを“岸田ショック”と名付けた。

外国人のドテン売りvs個人のドテン買い

8日続落の終盤がとくに暴走的に下げたが、流れが変わった9月第5週の投資主体別売買動向を東証が開示している。

このデータで、下げの初動における売り買い主体を把握できる。日経平均が週間ベースで今年最大下落率となった9月第5週、最も売り越したのが海外投資家で、差引1兆7567億円の大幅売り越し(現物と先物合算)だった。

その手前の投資行動と比べると、まさに今回は外国人による日本株“ちゃぶ台返し”だったことが分かる。

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図2

9月第1週~第4週の合計で1兆6778億円買い越していた分を、ほぼそっくりそのまま売ったような金額となった外国人動向。一方で、“岸田ショック”と名付け、金融所得課税の引き上げに非難轟轟だった個人投資家。

興味深いのは、その個人投資家は、ものすごい金額の買い越しだったということ。「岸田政権だと株安になりそう」と思いながら、あまりに下げ幅が大きかったため、逆張りで買い向かったわけだ。

株高時に投信を解約していた個人投資家も多かったが、9月第5週の投信もまとまった買い越しとなっている。「岸田政権だと株安になりそう。だけど、下がったから買いたい!」という、頭で考えていたことと真逆の投資行動をとった個人投資家が多かったようである。

ただ、これは9月第5週、10月1日(日経平均終値2万8771円)までの売買動向である。安値はその3営業日後の10月6日(日経平均安値2万7293円)。これだけ個人が買い下がった後にさらなる下げが待っていたわけだ。

日経平均とマザーズの怖すぎる連動

今回の暴走的な下げへの恐怖感…これをよく示すのが、日経平均と東証マザーズ指数が驚くほど連動し始めたことにある。

今回の下げは、日経平均先物売り主導で雑に値段を切り下げた印象が強く、そこに個人投資家のレバETF買いなど逆張り買いが入ったもののことごとく飲み込まれ、日経平均の需給を悪くしたような動きだった。

ただ、この一連の需給影響は、ファーストリテイリングやソフトバンクグループなど、日経平均構成銘柄には関係するが、日経平均に採用されていない銘柄には関係ない。マザーズ銘柄にも一切関係ない…はずなのだが、ものすごい連動をし始めたことが以下のチャートで分かる。

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図3

このチャートは、日経平均8日続落期間の日経平均とマザーズ指数の分足チャートを重ねたものだ。

「日経平均よりマザーズの下げがきつい」とか「日経平均とは逆行してマザーズに資金流入」とか、需給的に関係ない2指数は、短期では逆行現象が頻発しがちである。

しかし、日経平均の暴走が強まった10月4日から6日にかけ、驚くほど値動きが連動していることが分かる。下げのタイミング、短期の反転タイミングなど、ほぼ完ぺきに連動している。なぜだろうか?

日経平均の視聴率が上がっている?

ここから推測できるのは、「日本株の本格的な調整が待っているかもしれない…」というストレスを抱えた個人投資家が急増しているのではないか?ということ。

そして、そのストレスを感じながらも、逆張りで買い参加する短期リバウンド狙いの個人比率が上がっているということである。

「安いから買ってみたけど、ダメそうならすぐ降りよう」そんな感覚。地合いの判断指標はみんな日経平均としているため、日経平均が下がり始めると、すぐ売りボタンを押す(日経平均と関係ないマザーズなどの中小型含め)…それくらい日経平均の視聴率が上がっており、一旦の底入れ感を示した今なお、この状態は続いている。

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photo by iStock

岸田総理が民放の報道番組に出演し、金融所得課税の強化について「当面は触ることは考えていない」と発言。岸田ショックの火消し発言が日経平均のリバウンドにつながったが、今は外的要因の心配事も尽きない。

中国恒大集団のデフォルト懸念など中国の不動産リスク、電力不足なども絡んできた原油高、そして米長期金利上昇によるインフレ懸念も日に日に強まっている。

「最後の砦、米国株まで下がったらおしまいだ…」そのストレスを、日本の投資家は就寝前に抱えながら床に就く。

こんな状況での投資アイディアは…?となると、こういう地合いに強い株を選ぶのがいいという発想になる。

ローベータ銘柄でストレスフリーに

「今どういう地合いか」といえば、地合い影響が強く、それが個別株に出過ぎる地合い。個別株ごとの期待リターンを「アルファ(α)」というが、今はアルファを飲み込む「ベータ(β)」が無視できない。ベータとは、日経平均やTOPIXなどの市場全体に、その個別銘柄がどれだけ影響を受けやすいかという「価格感応度」を指す。

日経平均が上ると思うならベータ値が高い個別銘柄を選ぶのがいいが、下げたときのマイナス影響が大きく出過ぎてしまう。そこへのストレスが嫌なのであれば、ベータ値が低い個別銘柄を選ぶのも一つの手だ。

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図4

日経平均とのベータ値が“0.5未満”と低いローベータ銘柄(最小分散銘柄とも呼ばれる)をピックアップした。その中で、8日続落の起点となった9月27日以降の期間騰落率がマイナス3%未満と、岸田ショックを軽傷で通過できた銘柄を残した。

さらに、25日移動平均率がマイナス1%未満、信用倍率が1倍未満といった需給環境に優れたもの…といった消去法で削っていくと、銘柄はほとんど残らない。

東証1部で時価総額が1000億円以上ある銘柄となると、上述のような銘柄だけだった。

日経平均ハイボラ、しかも値動きの理由が訳わからん、しかも下落トレンドの匂い。こんな厄介な局面に、耐性を持つ銘柄群を「ウィズ岸田銘柄」とでもいうべきか、何と呼ぶべきか。

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