
「ソリティアリング」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。
真っ先に一人遊び用のトランプゲームを連想した方もいらっしゃるかもしれません。
実は、「ソリティアリング」は「一粒の石をあしらった指輪のデザイン」を指します。
婚約指輪などでよく使われるデザインで、ティファニーやハリー・ウィンストンなど、各種のジュエリーブランドが定期的に新作を追加することもあります。
変わり種としてはポケモンのキャラクターをあしらったソリティアリングも実在します。
なお、ポケモンリングは定期的に新作が追加されており、最新のものは2022年3月に発表されています。
1. そもそも「ソリティア」とはどういう意味か

Diane C Macdonald/shutterstock.com
では、ソリティアとはどういう意味なのでしょうか。
もともとフランス語で、英単語としても扱われています。
solitaireを仏和辞書で引くと下記のようになります。
・孤独な;単独の.
enfance solitaire|孤独な子供時代
mener une existence solitaire|独居[単身]生活を送る
homme solitaire.|孤独を好む男.
・人気(ひとけ)のない;人里離れた.
un quartier solitaire|寂しい界隈(かいわい).
━[名] 孤独な人;交際嫌いの人.
━[男]
・隠者,出家.
・(指輪の)一個石のダイヤモンド.
・〖ゲーム〗 ソリタリー(一人でするパズル).
(プログレッシブ 仏和辞典 第2版の解説)
このように、「孤独な・単独の」という意味から派生して、「一個石の指輪」や「一人でするパズルゲーム」といったような意味を持つようになったのです。
【画像】ボードゲームでも有名な「ソリティア」という言葉の奥深さ!
2. 「ソリティア」というゲームは複数ある!
そのため、単に「ソリティア」と呼んだ場合、本来は上海なども含めた、様々な一人遊び用のゲームをまとめた呼び名なので、特定のゲームをすぐ思い浮かべることはできないのですが、私たちはどうしても特定のトランプゲームを思い出してしまいます。
トランプの山札をめくって、一定の順番で4組並べ直すことを目指すあのゲームです。
このゲームはもともと「クロンダイク」と呼ばれていたのですが、Microsoftが1990年にWindows 3.0を販売した時、このクロンダイクを「ソリティア」と呼称して同梱のゲームソフトとして提供したため、「クロンダイク」=「ソリティア」という誤解が長らく生まれていました。
現在は、Windowsで遊べるトランプゲーム集(Microsoft Solitaire Collection)ではゲームの種別が正しく記載されており、かつて「ソリティア」と呼ばれていたゲームは「クロンダイク」として収録されています。
おそらく、このWindows付属の「ソリティア」も当初はおまけ的な存在として深く考えずにリリースしたものと思われます。
しかし、奥深いゲーム性で人々を魅了し、30年以上の長きにわたって愛される存在となり、その副産物として「クロンダイク」=「ソリティア」と認識されるという、思いもよらない誤解を多くの人にもたらすことになりました。
ソリティアで遊ぶと、あまりにも延々と暇つぶしができてしまうために、仕事をせずにソリティアで暇つぶしをする「ソリティア社員」という言葉を生むまでに至っています。
このように、「ソリティア」という単語一つとっても様々な派生形があり、経緯や誤解があるのです。
気になった単語についても調べてみると発見があるかもしれません。
ただし、延々と暇つぶしができるからといって、勤務中に業務と関係ない私的な調べものは控えましょう。
度を超えている場合は解雇されるリスクもあります。
調べ物は業務時間外で楽しんでくださいね!
参考資料
株式会社ユートレジャー「【ポケモン】ゲンガー 婚約指輪・結婚指輪 初登場。あやしげな表情やすがたを立体的にデザイン。3月17日(木)発売」
Microsoft「Windows 用のおなじみの無料ゲーム、ソリティアを入手する」
GIGAZINE 「Microsoftの「ソリティア」がついに誕生30周年を迎える、いまだに全世界で毎月3500万人がプレイ」
當瀬 ななみ