口癖は「めんどくさ」と「しらんけど」。役者を夢見た、あの日が遠い

口癖は「めんどくさ」と「しらんけど」。役者を夢見た、あの日が遠い

  • かがみよかがみ
  • 更新日:2022/06/23
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かつては活動的だったが、生きるモチベーションが下がっている

わたしは、基本的にやる気がない。

もともとローテンションな両親の気質を色濃く受け継いだのか、基本的に陰気だし、新しいことには消極的だし、厭世的。口癖は「めんどくさ」と「しらんけど」だ。

外に出てアクティブに活動するような趣味もなく、休日は常に自宅に引きこもり、YouTubeを流しながらスマホでパズルゲームに勤しんでいたら終わる。

職場の同僚の中には、休みの日にはアウトドアを満喫する子もいる様だが、仕事に疲れて帰宅して、どこにそんな気力が残っているのか。

はなはだ、謎だ。

仕事だって、いかに省エネで自分が疲れずに勤務時間を終えることが出来るかが最大の関心ごとで、頑張って成績を上げようだとか、新しいことをおぼえようなんて微塵も思えない。

20代前半までは、それでも趣味の周遊謎解きに出かけたり一人で映画に行ったりと、休日も活動的に過ごしていたと思う。

今のバイトだって、少しでも戦力になろうと勤務時間に120%の力を注いでいた。

何がそんな私をこうも無気力にしたのか。

勿論、肉体的な老いは大きな要因だと思う。30歳を目前にし、抗いきれない肉体の衰えに日々悩まされるようになってきた。寝ても寝ても疲れの取れない身体に、もう若くないんだなとため息をつく毎日だ。

しかし、それよりなにより自分の中で、生きることに対するモチベーションが保てなくなったことが大きい、と私は思っている。

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私には「役者として食っていく」という夢があったはずだ

つい最近まで、私の人生には『役者として食っていく』という大きな夢があった。

その夢は、私がまだ物心つく前からぼんやりと私の根底にあって、将来を考える様になってその輪郭を色濃くはっきりとしていった。

物心つく前から私の人生と並走しているのだから、もう25年以上の付き合いだ。

20代中盤くらいまでは、その大きな夢に向かってオーディションや稽古でスケジュールをギチギチにしていたし、恩師が言った『役者に必要なのは色々な経験だ!』という言葉を胸に様々な場所に出向いた。

アルバイトだって、役者稼業に打ち込むために必要な資金をより多く捻出しようと、がむしゃらに打ち込んでいた。

人生の目的がハッキリしていたので、活動の為なら、と色々な理不尽や体力的なキツさも無視することが出来た。

しかし、活動を継続するかどうかのボーダーと言われる20代後半、私にコロナが重くのしかかった。

取り立てて特技のない役者にとって『若さ』だけが、ただひとつの価値みたいなところがある。特に女子は。

20代半ばですら既に若くないと評される芸能界で、20代後半は既に不良債権扱い。30代なんていわんや、である(いやわからない。もしかしたら30代には30代の価値があるのかもしれない)。

華々しい実績がない私にとって、夢は所詮夢でしかなく、このまま30代、40代と今のモチベーションを保ったまま走り続けるイメージが途端に描けなくなってしまった。

そうやって人生の半分以上を一緒に駆け抜けてきた夢がなくなった時、私の働くこと、ひいては生きることへのモチベーションは急速に萎んでいった。

人生の指針がなくなったことで、元々向いていない向いていないと思いながら続けていたアルバイトは、会社の嫌なところばかりが目につくようになり、芸の肥やしに、と思って出かけていた色々からも足が遠のいて、休日は自宅に引き篭もり惰眠を貪る様になった。

「なんて怠惰でつまらない」と思っていた生活を、私がしている

幼い頃、休みの日は昼過ぎまで寝ている両親のことを、なんて怠惰でつまらない生き方なんだろうと思っていた。

あの頃の私は若くて、夢と希望に満ち溢れていた。

でも実際、当時の両親と年齢が近くなると、連勤の疲れは全く取れないし、身体の至るところにガタが来ていることも分かる。

人生に対する夢も希望もなくなって、ただただ生命維持のためにしたくもない仕事を義務のようにこなす日々の繰り返し。

そんな生活に嫌気がさしても、抗おうという気力もない。

あの頃、哀れに思っていた両親そのままの姿の自分がいることに、『子は親の背中を見て育つ』という言葉を噛み締めている。

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しろくろ

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