風間杜夫ら出演「青空は後悔の証し」開幕に岩松了「劇場で一緒に“青空”を見上げて」

風間杜夫ら出演「青空は後悔の証し」開幕に岩松了「劇場で一緒に“青空”を見上げて」

  • ステージナタリー
  • 更新日:2022/05/14

明後日「青空は後悔の証し」が、本日5月14日に東京・シアタートラムで開幕した。

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明後日「青空は後悔の証し」より。

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「青空は後悔の証し」は、岩松了の最新作。出演者には、風間杜夫石田ひかり佐藤直子小野花梨豊原功補が名を連ねた。劇中では、元パイロットの男・ロウ(風間)を中心にした物語が描かれる。ロウは、以前は自身の息子・ミキオ(豊原)とその妻・ソノコ(石田)と同居していたが、3年前に別居し、現在は家政婦の玉田(佐藤)がロウに仕えている。ロウは、パイロット時代の部下で、当時救いの手を差し伸べたことのある元客室乗務員の女性・野々村との再会を楽しみにしていた。しかし再会を前にしたある日、野々村が営むレストランで働いているという若い女(小野)がロウのもとにやってきて……。

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舞台にはロウが暮らす高層住宅の部屋を表すセットが組まれており、ステージ中央にある大きな窓の向こうには青空と、建設中の建物の尖塔が見える。そのほかには天蓋付きのベッドやロッキングチェア、丸テーブルとイス、小さなバーコーナーなどが置かれており、きれいに片付けられた部屋の様子からは居住者の快適な暮らしがうかがえた。

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舞台中央の窓は青空や夕焼け空、夜空など次々に色を変えてゆき、時間の経過を表す。またロウの“夢”の場面では、窓に映し出された映像と俳優の動きを組み合わせた演出や、舞台美術を用いたマジックなどが取り入れられ、幻想的な雰囲気が作り出された。

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俳優たちは岩松が紡いだセリフを自然な口調で語り、ちょっとした相槌や行動を積み重ねることで、その場の空気やすれ違う人間模様を具現化する。何かにつけて息子のミキオと言い争いになってしまうロウの激高ぶりを、風間は声を裏返らせながら表現。ロウが怒れば怒るほど滑稽味が増すさまを、コミカルに演じる。また野々村とのエピソードをロウが語る場面では、風間は表情や演技の間を巧みに操り、キャラクターの背景と過去を色濃く感じさせた。

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石田は抑えた表情で、ソノコが何か秘密を抱えている様を演じる。また佐藤は家政婦の玉田を、情が豊かな人物として立ち上げつつ、玉田が自分の娘に対して抱いている強い執着をのぞかせた。若い女を演じる小野は、ほかの登場人物が言及できない話題に踏み込んだり、発言の揚げ足を取ったりすることで周囲の大人を翻弄し、物語に動きを与える。さらに豊原は、父や妻を大切に思う気持ちをうまく言葉にできず、不器用に振る舞ってしまうミキオを、人間味のあるキャラクターとして描き出した。

このたび岩松と出演者たちからのコメントが到着。岩松は「『青空は後悔の証し』は年齢を重ね、それぞれに社会性を背景にかかえて生きてきた父親と息子の関係を書こうと思いました。そんな関係を風間さんと豊原くんという優れた俳優たちにやってもらったら面白いかなと。一輪の花として石田ひかりさんには息子の妻を。ひと組の親子、ひと組の夫婦。この人たちが見上げる『青空』はどんな色なのか、劇場で一緒に見上げて頂ければと思います」とメッセージを送る。

風間は「お客様の想像力に委ねる部分のある作品なので、観てくださった皆さまそれぞれが違う思いで眺め、それぞれに異なる印象を持つと思います。それだけに感想をお聞きするのが楽しみです」、豊原は「岩松さん書き下ろし戯曲でしか味わえないブラックホールとも言うべき遠距離感と茶柱を見つめる近距離感は思いっきり濃度を高めて混在し、風間さんのどこまでも真面目で不真面目な得体の知れぬ存在感がその独特の戯曲世界に立ち上がっていくのがそばで見ていて堪りません」と述べる。さらに岩松作品に初参加する石田は「岩松さんに教えていただいた事を心と身体に染み込ませ、出演者のみなさんと心をひとつにして舞台に立ちたいと思います」と意気込みを語った。

上演時間は約2時間。東京公演は5月29日まで。本作はその後、6月4・5日に大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演される。

岩松了コメント

シアタートラムでは、女子高生の話を書いた2013年の「不道徳教室」から9年振りの公演になります。

「青空は後悔の証し」は年齢を重ね、それぞれに社会性を背景にかかえて生きてきた父親と息子の関係を書こうと思いました。そんな関係を風間さんと豊原くんという優れた俳優たちにやってもらったら面白いかなと。一輪の花として石田ひかりさんには息子の妻を。ひと組の親子、ひと組の夫婦。この人たちが見上げる「青空」はどんな色なのか、劇場で一緒に見上げて頂ければと思います。

風間杜夫コメント

不安もあるけれど、早くお客さんに観て頂きたいという期待感の方が大きいです。

お客様の想像力に委ねる部分のある作品なので、観てくださった皆さまそれぞれが違う思いで眺め、それぞれに異なる印象を持つと思います。それだけに感想をお聞きするのが楽しみです。

観劇して下さった皆さまの心に深く何かを残してゆく作品になるということは間違いありません。

お待ちしています。

豊原功補コメント

数年前、岩松さんの戯曲に立つ風間杜夫さんとの座組みをやりませんかとひとりひとりにぼちぼちとお話をして快諾をいただき、さて実現へと逸る気持ちを知ってか知らずかパンデミックという悪魔に延期を余儀なくされてやっとの今、思い叶ってとうとう開幕の日を迎えようとしています。

その今回の作品、岩松さん書き下ろし戯曲でしか味わえないブラックホールとも言うべき遠距離感と茶柱を見つめる近距離感は思いっきり濃度を高めて混在し、風間さんのどこまでも真面目で不真面目な得体の知れぬ存在感がその独特の戯曲世界に立ち上がっていくのがそばで見ていて堪りません。

と私はそれを他人事のように楽しんでいる場合でもなく、ご存知の方には説明も無粋というものですが岩松作品での登場人物は骨格をはっきりさせようとすればするほど遠ざかってしまうという迷路なところもあり、自虐と苦悩をひと回りしながら楽しむようなやや危ない脳内活動の時間に没入させてもらっています。結局は観客の入った本番から少しずつ見えてくる役柄の正体を待つしかないのだけど。

みなさまにも多くを感じ、劇場を楽しんで頂けますよう。

石田ひかりコメント

人生初の岩松作品は、想像を遥かに超える難しさと厳しさでした。わたしは今まで一体何をしてきたのだろうと思えるほど、岩松さんの稽古は厳しく、深く、これまで味わったことのない感情の連続でした。また、「セリフ自体にそんなに意味はない」「大事なのは関係性」「感情を幾重にも」「窮屈なキャラクターにならないで」「言葉は身体の状態だから」などなど、忘れたくない、忘れてはいけない言葉たちを浴び続けた時間でもありました。

果てしなく続くと思われた稽古を終えて、いよいよ初日となります。あとは終わっていくだけなのかと思うと、早くも寂しさを感じる自分に驚いています。岩松さんに教えていただいた事を心と身体に染み込ませ、出演者のみなさんと心をひとつにして舞台に立ちたいと思います。岩松さんの世界へ、どうぞいらしてくださいね。劇場でお待ちしています!

明後日「青空は後悔の証し」

2022年5月14日(土)~29日(日)
東京都 シアタートラム

2022年6月4日(土)・5日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

作・演出:岩松了
出演:風間杜夫、石田ひかり、佐藤直子、小野花梨、豊原功補

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