
2度目の緊急事態宣言が延長されて2週間がたち、政府は福岡を含む6つの府と県の先行解除を検討しています。福岡県は専門家の意見を聞いて、宣言解除の要請を判断したいとしているなか、医療現場や観光地など影響を受けている現場を取材しました。
2度目の緊急事態宣言が延長されて2週間がたち、政府は福岡を含む6つの府と県の先行解除を検討しています。
福岡県は専門家の意見を聞いて、宣言解除の要請を判断したいとしているなか、医療現場や観光地など影響を受けている現場を取材しました。
■記者顔出し
「好天に恵まれた日曜日で人通りはありますが遠方からの観光客は少ないということです」
おととい、太宰府天満宮の参道では、家族連れなどの姿が多く見られました。
■梅ヶ枝餅店
「梅ももう見頃だし天気もいいし、温度も上がって」
「Q.平日の人出は?」「平日は少ないです 例年に比べると全く違いますね」
こちらは、創業から70年以上たつ和菓子の老舗。
■梅園・佐藤弘人専務
「GoToで盛り返してきたかなというところもあったが、緊急事態宣言が出てからガッと落ちましたね」
GoToトラベルの効果で、店の売り上げは一時的に持ち直しましたが、先月の緊急事態宣言以降、他県からの観光客が激減。
今月から看板商品をアレンジした新商品を販売したり、オンラインショップの強化にも乗り出していますが、売り上げはコロナ前の2割ほどに落ち込んだままです。
■佐藤専務
「アフターコロナを見据えていろいろと努力したり、工夫したりする必要はもちろんあると思うが、お客が戻ってきてくれないと何をするにしても難しかったりするので、お客に早く戻ってきてほしいピュアな純粋な思い」
一方、飲食店に対しては午後8時までの時短営業が要請されています。
影響を大きく受けているのが「運転代行業者」です。
■G-CROSS 土井千香子部長
「お電話ありがとうございますGラビット運転代行の土井です」
この業者は緊急事態宣言を受け、夜7時から翌朝4時までの営業時間をそれぞれ2時間早め、夕方5時から深夜2時までとしました。
■土井部長
「店の閉まる時間帯がピークになるので、店が閉まってからは外に出ている車と見合うだけの需要がない」
利用客はコロナ前の2割から3割まで落ち込んでいて、稼働させる車も半分程度に減らしています。
■土井部長
「好きな時間帯にお酒が飲める状況にならないと代行の仕事が成立しないので通常使っているお客も早く戻ってきて前と同じになれば」
需要回復に期待がかかる緊急事態宣言の解除について、福岡県は設定した2つの基準を満たせば、国への要請を検討するとしています。
直近7日間の新規感染者の平均は、きのう、57.6人で180人未満1週間という基準を満たしています。
一方、病床稼働率は50%未満が見込まれる場合基準を満たしますが、おととい時点で51.1%と減少傾向です。
しかし九州医療センターの野田英一郎医師は、感染者の減少を評価しながらも、病床稼働率については減り方が鈍っていると指摘します。
■九州医療センター 野田英一郎医師
「高齢者が非常に多くなっているので入院期間が長くなってしまうなかなか病床稼働率がこれ以上下がりきれない」
緊急事態宣言の解除については―。
■野田医師
「先週も当院で1日だけだが救急の受け入れをストップせざるを得ないような入院患者の増加が起きたので 医療機関側としては緊急事態宣言を続けてほしいと思う」
宣言を解除する場合も段階的な緩和が望ましいと話します。
■野田医師
「解除のしかたも現在午後8時ですがそれを10時までにするとか対策をオールオアナンではなく段階的に解除していくという方法が採れれば緊急事態宣言自体はいったん解除という方法もあるのでは」
感染状況の改善に一定の効果が見られる一方で、地域経済には大きな影響を与えている緊急事態宣言。
政府はあす、関係閣僚と協議し、今週金曜日にも先行解除の対象となる府県を正式決定する見通しです。