話題の「偽ホリエモン投資広告」に釣られると何が起きる!?衝撃の展開に

話題の「偽ホリエモン投資広告」に釣られると何が起きる!?衝撃の展開に

  • おたくま経済新聞
  • 更新日:2023/09/19
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Facebookに広告として出てきた画面

「ワンクリック詐欺」「ママ活詐欺」「フェイクアラート」……スマホとSNSの登場により、詐欺の種類も多様化。あらゆる手段で我々を騙そうとしてきます。

今回紹介するのは、最近爆増している「有名人を利用」した詐欺の手口です。

【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】

流れとしては有名人の広告がでてきて、あたかも本人がオススメしているかのようにみせかけ、実は全く関係ない商材へと誘導していくというものです。

この手段で釣られると何が起きるのか、さっそくやってみました。

【注意】
本稿では有名人の写真や名前を無断で使用した詐欺の手口を紹介しています。今回は「堀江貴文氏」の名前と写真などが登場しますが、ご本人は全くの無関係です。

■ 「偽ホリエモン投資広告」とは

さて巷で話題となっているのが、「ホリエモン」こと実業家の堀江貴文氏の名前や写真を無断で使用した、「偽ホリエモン投資広告」です。

Facebookなどのタイムラインに、ホリエモンの写真を使用した「投資広告」が登場。それっぽく作られているため、つい信じてタップしてしまう人が多いようです。

この件については、堀江氏本人にも情報が多数寄せられていると言い、7月頃からSNSやYouTubeに、否定のコメントおよび、注意喚起が度々投稿されています。

それでもあまりに数が多すぎるのか、この頃では若干ぼやき気味。それぐらい数が多くよせられているようです。

「詐欺会社の広告に使われてますよ、とか一々メンションしてきたり、DM送ってくるやつウザい。そんなん知っとるわ。だからってどーにもならんやろ」

「だからって俺は関係ないだろ笑。騙される奴が間抜けなだけ」(引用:堀江貴文氏Xアカウント(Takafumi Horie) @takapon_jp)

騙される奴が間抜けなだけ!なるほど。では今回はとことん騙されて、何が起きるか確認してみましょう。

■ 「偽ホリエモン投資広告」を押してみた

まず「偽ホリエモン投資広告」を探します。

探すと言うか、Facebookを見ているとすぐに出てくるので、あっという間に目的の広告に辿り着きます。今回も探索わずか5分ほどで発見。はや!

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では、発見した「偽広告」を押すとどうなるのでしょうか。

過去に、「某有名人」を無断で使用した詐欺広告にも釣られたことがあるのですが、その際は、いったんランディングページに飛ばされ、そこからさらにLINEへと誘導するものでした。

しかし「偽ホリエモン広告」は、そんなモノとはレベルが違った。

そんな手間は一切カット!広告から直で、LINEに誘導。すぐ友達追加を仕向けるようになっています。なんという潔さ、ある意味「ホリエモン」っぽいと言えばそうなのかもしれない。

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■ 「偽ホリエモン」をLINE友達追加するとどうなるか

「偽ホリエモン」をLINE友達追加してみました。

すると、やけに丁寧な口調で株式の投資に関して色々聞いてきます。本物はもうすこしぶっきらぼうだぞ!(失礼)

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本人との違和感はありすぎますが、とりあえず続けてみます。

すると立て続けに「オープンチャット」への誘いが来たので、「やっぱりか」と思いつつ、承諾。さらに、他のLINEも追加して欲しいということでこれも承諾しました。

「オープンチャット」は言われたとおりログインのパスワードを入力し、承認を待ちます。

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おそらくその「オープンチャット」でビジネス的な話をして、投資をさせるという狙いに違いありません。

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承認され、しばらくすると、「オープンチャット」で株式の投資に関する情報が流れてきます。

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内容は今買うべき「株」についてのアナウンスだと思われます。また、「偽ホリエモン」以外も、結構真面目に株トレードに取り組んでいる人たちが参加しているらしく、発言も積極的。おやおやこれは。

ちなみにオープンチャットにいる人数は170人程度(記者潜入中に最大190人まで増えました)。絶大なネームバリューを誇る「ホリエモン」を騙っているにもかかわらず、集まったのはこれだけ……。株式投資以前に、この集客モデルがいかがなものかと突っ込まれそうですね。

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さて、この後はおそらく「投資ビジネス」に関するセミナーや、商材への誘導だと予測されます。もちろんその流れは、毎度のごとくこの手の勧誘パターンです。

しかし気になるのは、この「偽ホリエモン」。本人はなりきっているようで、なりきれていません。本物かどうか問い詰めたらどうなるのか?

気になったので空気を読まず、「偽ホリエモン」に直撃!すると衝撃の展開が待っていました。

■ 「偽ホリエモン」に本人か?直撃してみた

「偽ホリエモン」に「本物ですか?」と問い詰めたらどうなるのか?聞いてみると、意外な返事が……。

「ビデオ通話をしましょう」とのこと。

えええええええええええええ!?と焦っていると、なんと「堀江貴文」から「LINEビデオ通話」の着信が!

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流石にこの切り込みには、百戦錬磨の私ですら、かなりテンパりました。

おいおい、ウソだろ!?いや待て……本人がこんな末端の作業をするのか?と思いつつ、恐る恐るでてみると……。

御本人登場!え?これどうなってるの?

LINEビデオ通話の画面に映っていたのは、コーヒーを飲みながらリラックスする「ホリエモン」。

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ただし、こちらの声は聞こえていない模様。全くかみ合いません。すぐに切れてしまいました。

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するとすぐさまメッセージで連絡が。

「室内にいて、インターネットも不安定なのですが、私を見えましたか?文字でのやりとりをさせてください」

おやおや?一方的な理由で、チャットのみにしてほしいとの依頼。一瞬しか映せないワケでもあるのかな?おやおや?

おそらく記者のLINEに映った相手は、「ホリエモンの映像」。当時の画像を調べると、画面の粗さが目立ち、何かの映像をアップして切り出し使用した可能性が高いと考えました。だからこそ一瞬しか映せなかったわけです。

ただ、人によっては「本物だ!」と信じる可能性が高いと考えます。突然かかってきたLINE通話の向こうに、ホリエモンがいるわけですから。記者ですら驚いたほどです。

■ この日、本物のホリエモンは気仙沼を走ってた

210kmの過酷な自転車レースに出ている最中であり、悠長にコーヒー飲みながら私と「LINEビデオ通話」をしている余裕など無いはず。しかも同日16:46にはXにて、レースの完走報告までしているので、その間に通話というのは、無理があります。

もし通話の主がそれでも事実と言うのなら、ホリエモンは室内セットの背景を背負って、コーヒーのみながら自転車こいで話していたことになります。それは無茶苦茶。

つまりこの「LINEビデオ通話」含め、本LINEの偽ホリエモンがやっていることは全て「茶番」。

結果的に「ホリエモン」と会えることもなく、そして「ホリエモン」が薦める投資ビジネスでもありません。そもそも、本人が否定しているので、それ以前の話ですが、皆様は絶対にこの手の広告をクリックしないようにしてください。

また、この手の広告を見て「ホリエモンがやっている投資を始めようか」と言い出す方がいたら、真っ先に止めて上げてください。それ、偽物ですよと。

【編集部より注意】記事化を目的に潜入取材を行いましたが、絶対に真似はしないでください。編集部では、専用機材を用意し、セキュリティ面、やりとりをする担当者のメンタル面にも十分な注意を払い取り組んでいます。安易に真似をすると大変危険です。

<参考>
堀江貴文氏のXアカウント(@takapon_jp

(たまちゃん)

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