J1神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが退団を表明して一夜明けた26日、吉田孝行監督は報道陣の取材に「必要な選手であり、残って頑張ってほしい気持ちはある。ただ、(退団が)決まった以上はみんなでやっていく」と話した。

16日の公開練習でボールを追う神戸のイニエスタ(中央)=神戸市西区のいぶきの森球技場
第15節FC東京戦(27日・ノエビアスタジアム神戸)に向けたオンライン取材で語った。
今季、リーグ戦への出場が3試合にとどまっていた世界的司令塔について、吉田監督は「もちろん試合に長く出たいという希望もあるだろうし、いい契約があればそれを選ぶのは選手の自由だと思う」と気遣った。
神戸に6季在籍し、主将も務めた39歳の功績は大きい。「世界のスーパースターが来てくれるのはチームにとってうれしいことだったし、ヴィッセルだけでなくJリーグにも大きな影響を与えてくれた」とたたえた。
一方、25日の退団会見でイニエスタに花束を手渡したMF山口蛍副将は「Jリーグに来るまではテレビの世界でしか見られず、まさか日本に来ると思っていなかった。僕が神戸に来たのは、アンドレスとプレーしたい思いもあった。イレギュラーな存在だった」と思いを込めた。
敬愛するキャプテンの退団に関し「できれば最後まで一緒にやりたかったのが本音」と明かしつつ「プロ選手である以上、試合に出たい思いはあって当然で、それは理解しているつもり」とうなずいた。
イニエスタにとっては、7月1日にノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で行われるJ1北海道コンサドーレ札幌戦が神戸での最後戦となる。退団会見では「(起用されない)現実と、プレーし続けたい情熱をかけ合わせた結果、去るのがベストな決断だった」と語っていた。(藤村有希子)