「結果配分へのシフト」とビッグクラブ創出の関係【改革へと動き出したJリーグ】(3)

「結果配分へのシフト」とビッグクラブ創出の関係【改革へと動き出したJリーグ】(3)

  • サッカー批評Web
  • 更新日:2023/01/26
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日本にビッグクラブは誕生するのか 撮影:原悦生(SONY α9Ⅱ使用)

2023年シーズン、Jリーグは改革へと動き出す。各クラブ、さらには日本サッカーの将来を大きく左右し得る変化がもたらされるのだ。だが、その明確な理由や是非については、まだ議論になっていない。Jリーグの進むべき道について、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■配分金の変更点

Jリーグのもう一つの改革のポイントは、Jリーグから各クラブへの配分金を「均等配分」中心から「結果配分」中心に変更することである。

Jリーグは加盟クラブに対しての配分金。これまでは、J1クラブへの配分金はJ2クラブへの配分金の2倍程度(J1が3億5000万円、J2が1億5000万円)だったのだが、それを段階的に5~6倍程度までJ1の配分比率を高めていく。そして、同一カテゴリーのクラブの間でも従来の「均等配分」ではなく、戦績やファンの拡大などの成果によって配分比率を変える「結果配分」にシフトさせていくというのだ。

要するに、戦力的、経営的に成功しているクラブには多くの配分金が与えられ、そうではないクラブには配分金が減らされるということになる。

つまり、強いクラブは多くの配分金を受け取って、それを使ってさらに強化を進めることができる。こうして、トップクラスのクラブは「ビッグクラブ化」していく。競争原理が強くなっていくということになる。

■Jリーグの大きな特徴

たしかに、「ビッグクラブ」が存在しないところが、Jリーグの特徴だった。

浦和レッズのような大きなスタジアムを使用し、多くのサポーターを動員できるクラブが成績面ではそれほど成功せず、かつては地方都市をホームタウンとする鹿島アントラーズジュビロ磐田が優勝を争った時代があった。

ここ数年のJ1リーグは、川崎フロンターレ横浜F・マリノスがタイトルを独占している(過去6年間で川崎が4度、横浜が2度優勝している)。しかし、川崎の本拠地、等々力陸上競技場は収容人員が2万7000人程度と中規模のスタジアムであり(約3万5000人程度への改修計画が決まった)、一方、横浜の本拠地、日産スタジアムは日本最大のスタジアムではあるが、サッカーの試合が見にくい構造の陸上競技場で観客動員がうまくいっているとは思えない。

つまり、Jリーグにはヨーロッパの5大リーグにあるような「ビッグクラブ」は存在しないのだ。

■横綱が消えた国

“アンチ”を含めて全国民が関心を持つような全国的な「ビッグクラブ」が存在することは、リーグ全体の人気を高めるはずだ。

かつての日本のプロ野球の読売ジャイアンツはそんな存在だったし、大相撲の横綱も「国技」の看板を背負う存在だった。だが、最近のジャイアンツは戦力的にも人気の面でもかつてのような存在感はなくなっているし、大相撲でも初場所では横綱は照ノ富士だけ、大関も貴景勝1人となってしまい、しかも照ノ富士は全休。貴景勝がなんとか優勝を遂げて面目を保つという状態になってしまった。

つまり、日本にはどの競技にも「ビッグクラブ」が存在しないのが現状なのだ(ラグビー、リーグワンの「埼玉パナソニック・ワイルドナイツ」がそれに近いのだろうが、全国区的な知名度にはほど遠い)。

そこで、Jリーグは「結果配分」方式を採用することによって、そうした「ビッグクラブ」を創出しようとしているのだ。

Jリーグは、今回の構造改革について、こう紹介している。

「Jクラブの中で、世界に伍するトップクラブが生まれ、ナショナル(グローバル)コンテンツとして輝くことで、Jリーグの成長を牽引する」

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後藤健生

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