EVのカスタマイズモデルも登場 多様化するクルマの楽しみ方を実感【東京オートサロン2022】

EVのカスタマイズモデルも登場 多様化するクルマの楽しみ方を実感【東京オートサロン2022】

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  • 更新日:2022/01/19
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2年ぶりに開催された東京オートサロン2022(開催期間:2022年1月14日~16日)には、実にさまざまなカスタマイズカーが展示された。会場で感じたトレンドや特に目を引いた出展車両に触れつつ、今回のイベントを振り返る。

未来型モーターショーの第一歩に

コロナ渦にあって、前回の2021年は開催中止を余儀なくされた東京オートサロン。毎年恒例のチューニング&カスタマイズショップや、日本の主要な自動車メーカー、さらにはタイヤメーカーやカー用品ブランドなどが一堂にブースを構える毎年恒例のこのショーは、年々その規模を拡大し、2020年には33万6060人の観客動員数を記録。アメリカのラスベガスで開催されるSEMAショー、そしてドイツのエッセンで、こちらも多くの観客を迎えるエッセンモーターショーとともに、世界を代表するアフターマーケットショーとして知られる存在となった。

コロナウイルスによる影響は今も変わることはないが、2022年は待望のイベントが帰ってきた。ただし今回、一般公開日は1月15日と16日の2日間のみ。しかも従来とは異なり当日のチケット販売が行われないため、会場の千葉・幕張メッセを実際に訪れることができた観客数は、2020年の数字と比較すればかなり抑えられたものになったはずだ。

しかし、実際に一般公開日にさまざまなブースが立ち並ぶ会場を歩いてみたところ、モーターショーとしての寂しさはほとんどなかったし、むしろこの程度の来場者数のほうが出展された各車を見るにはベターな環境とも感じられた。入場者が一定数に制限されたブースでも、その待ち時間はストレスを覚えるものではなく、お気に入りのアングルで写真を撮ることも難しくはなかった。もちろん主催者サイドとしては、例年どおりもっと多くの観客を動員したかった、というのが本心であるのは容易に想像できるところだが。

リニューアルされた公式ウェブサイトを通じて、オートサロン全体の雰囲気はもちろんのこと、来場できない人でも楽しめるように出展者からの情報を配信することを目的とした「オンラインオートサロン」も面白い試みだ。ライブ感ある動画配信が日本語・英語・中国語で行われ、それを見れば最新のトレンドやニュースが分かるという仕組みは、まさに未来型モーターショーの第一歩ともいえそうだ。会場に行かずとも各種の情報が得られるのだから見る価値は十分にある。

ラリーアートの復活に注目

地球温暖化対策を意識したカーボンニュートラルの実現。自動車メーカーにとっては、もはやこの命題から逃れることはできないのだろう。東京オートサロン2022に出展したメーカーは、もちろんすべてそれを自身の将来像として意識し、その意思を示していることがダイレクトに感じられた。

個人的に最も大きな驚きだったのは、STIが初公開した電気自動車のスポーツモデル「STI E-RAコンセプト」だった。車名のE-RAはElectric Record Attempt(電気自動車による記録樹立の試み)の意で、2023年以降にニュルブルクリンクのノルドシュライフェで、400秒以下となるラップタイムに挑戦する計画もあるという。ヤマハから供給される4基のモーターはトータルで1088PSに達する。

日本仕様の正式発表が暗黙の了解となっていた日産の新型「フェアレディZ」も、常にそのブースは混雑が絶えなかった。実際の販売は2022年6月後半からスタートする見込みだが、まず投入されるのは特別仕様車の「プロトスペック」。240台の限定販売となるこのモデルは、車名にも示されているようにプロトタイプ時に提案されたさまざまな特別装備を装着したものとなる。

三菱が「MiniCAB MiEV」などのBEVを参考出品車両として発表したほか、自身のモータースポーツ活動を担い、カスタマイズパーツなどを開発・供給していた「ラリーアート」を復活させたのは、三菱車のオーナーにはまさに朗報といったところだろう。今回の東京オートサロンでは、新型「アウトランダーPHEV」をベースとする、「ビジョン ラリーアートコンセプト」「アウトランダー ラリーアートスタイル」、そして「エクリプス クロス ラリーアートスタイル」の3モデルを展示。その完成度から見て、パーツ類の発売もそう遠くない話と想像できる。アフターマーケットは自動車メーカーにとっても重要なのだ。

楽しみ方の多様化を実感

輸入車では、ロータスにとって最後の純内燃機関搭載モデルとなることが発表されている「エミーラ」が登場したほか、ルノーの新型SUV「アルカナ」、そして早くもマイナーチェンジを受けたアルピーヌの「A110 Sアセンション」などの展示があった。チューニングブランドでは、ノビテックやマンソリーなど、こちらもドイツのチューニングマーケットにおけるビッグネームがそろい、日本のチューニングブランドとその完成度を競い合った。

東京オートサロンの会場で感じたのは、チューニング&ドレスアップというジャンルの幅広さである。そして前でも触れたように、脱炭素化の動きがより明白なものになってきているという事実だった。扱うものが電気であるだけに、エレクトリックモーターやバッテリーといった基幹部品に手を入れることができた例は、チューニングメーカーの中ではまだ少ないが、内燃機関から電気モーターへのコンバートなどにはすでに十分な実績がある。今後はそうしたコンバージョンモデルが、カスタマイズカーのトレンドセッターに躍り出る可能性も期待される。

われわれは今、脱炭素社会を実現するために、その象徴ともいえる自動車をいかに進化させていかなければならないかという歴史的な変革期にいる。それは単純に石油という化石燃料から電気へとエネルギーが変わるだけではなく、もっと複雑なハナシになってくるはずだ。

ガソリン車を使って遊ぶことはもしかすると将来、とてもぜいたくなことになるかもしれない。そうだとすると、楽しむべきはまさに今にほからならない。そのような無言の熱意が感じられた、そして自動車の楽しみ方が実にさまざまであることを感じさせられた、東京オートサロン2022だった。

(文=山崎元裕/写真=webCG)

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