
"「インド太平洋協力研究会」による日本外交への提言の表紙"
東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を重視する産学連携の「インド太平洋協力研究会」(座長・飯村豊・元駐インドネシア大使)は21日、東京で12月に予定される日ASEAN特別首脳会議に向け、首相官邸と外務省に提言した。今の中東危機がイスラム教徒の多い東南アジアに波及する懸念をふまえた内容だ。
日本外交への提言書を堀井巌外務副大臣に渡す飯村豊・インド太平洋協力研究会座長=11月21日、外務省
提言では、「米国はウクライナでの戦争に加え、中東、インド太平洋という三正面で戦略的対峙(たいじ)に直面しつつある」とした上で、日本が韓国やフィリピンなどと連携して「自由で開かれたインド太平洋」の実現を図り、「米国を支える必要がある」としている。
ただ、東南アジアなどの新興国や途上国からなるグローバルサウスには、人権や民主主義を唱える欧米の「ダブルスタンダードへの批判」があり、「日本として異なる外交を展開する必要」を強調した。