米の対中制裁関税は不当 WTOが初判断―米は反発

  • 時事通信社
  • 更新日:2020/09/16

【ワシントン時事】世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は15日、米国が2018年以降に発動した中国製品に対する制裁関税はWTO協定違反とする報告書を発表した。米中貿易戦争をめぐりWTOが判断を下すのは初めて。これに対して米通商代表部(USTR)は反発。中国の知的財産権侵害への対抗措置として制裁関税は必要だと訴え、「WTOは中国の有害な慣行を阻止するのに完全に不十分だ」と非難した。

パネルの報告書は、大統領権限を使った「米通商法301条」に基づく制裁関税に厳しい矛先を向けた。特定国を標的にした関税は、WTO加盟国の差別を禁じる「最恵国待遇」に反するなどと指摘。米国として正当性の立証が不十分だとした上で、「自国の利益を守るとする米国の主張を裏付けることができなかった」と説明した。

トランプ大統領はWTOに対して脱退も辞さない構えで改革を求めており、今回も「WTOを支持していない」と不満を示した。一審に当たるパネルの判断に不服の場合は上訴できる。ただ、二審かつ最終審に相当する上級委員会は米国の反対で欠員を補えず機能不全のまま。審理は不可能で、米中摩擦の緩和は期待できそうもない。

一方、中国商務省の報道官は「客観的で公正な判断を称賛する」と評価する談話を発表。「米国がパネルの判断と多角的貿易体制を尊重することを望む」と強調した。中国は18年4月にWTOに提訴し、対米報復関税で応じてきた経緯がある。

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