ことわざ「宝の持ち腐れ」の意味と正しい使い方

ことわざ「宝の持ち腐れ」の意味と正しい使い方

  • @DIME
  • 更新日:2021/10/14
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『宝の持ち腐れ』という言葉は、誰もが聞いたことがあるでしょう。能力はあるのに実務に生かし切れていない人や、取得はしたものの使っていない資格などがあれば、まさに『宝の持ち腐れ』状態と言えるかもしれません。言葉の意味や例文、類語を紹介します。

「宝の持ち腐れ」の意味

『宝の持ち腐れ』は『たからのもちぐされ』と読みます。周囲の人がこのように言っていた場合、どのような意味なのでしょうか?

まずは、言葉の意味を把握しましょう。

価値あるものを活用しきれていないこと

『宝の持ち腐れ』とは、有益なものを持っているにもかかわらず、活用できていない状態について言う言葉です。

この場合の宝とは、貴重な品物のみを指すわけではありません。物理的な貴重品はもちろん、抽象的な人・物を指す場合もあります。

宝の持ち腐れは『宝が腐っている状態』なので、あまりよい意味では使われません。

誰かに「宝の持ち腐れだね」などと言われたときは、「もったいない」「持っている意味がない」などの意味が込められていると考えてよいでしょう。

「宝の持ち腐れ」の使い方や例文

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(出典) photo-ac.com

宝の持ち腐れは、人と物の両方に使うことが可能です。具体的な使い方を知り、例文を見て自分でも使えるようになりましょう。

人に対して使う場合

人に対しては、『才能がある人や優秀な人材を使い切れていない』と感じられる場面で使うのが一般的です。

「もったいない」という意味だけでなく、「出し惜しみすべきではない」といった批判的な意味が込められるケースもあります。

あんなに優秀な人をプロジェクトに入れないなんて、宝の持ち腐れだ

国家資格まで取ったのに働かずに遊んでいるなんて、宝の持ち腐れだ

身長という大きな武器があるのに生かせておらず、これでは宝の持ち腐れだよ

個人に対して「宝の持ち腐れだ」と言うときは、『あなたには才能がある』『せっかくの才能を発揮してほしい』など、肯定や期待の意味を込めて使います。やればできる人や力を発揮するのをためらっている人のモチベーションを上げたいときに最適な言葉です。

ただし、それには何か理由があるのかもしれません。相手を鼓舞するつもりで使う場合は、相手の気持ちや事情への配慮を忘れないようにしましょう。

物に対して使う場合

物に対しては、高価な物・ハイスペックな物・有益な物を活用し切れていないと感じたときに使います。

例えば、以下のような使い方が可能です。

高いお金を出して最新の調理器具を買っても、しまっておくなら宝の持ち腐れになってしまうよ

お気に入りの服こそどんどん着るべきだ。着ないで眺めるだけなんて宝の持ち腐れだ

インターネットを見るだけなのに、そんなにハイスペックなPCはいらないよ。宝の持ち腐れになるだけだ

物は、使ってこそ意味があります。せっかくよい物を持っているのに使わない人は、便利になったり見栄えがよくなったりするチャンスを逃しています。

「宝の持ち腐れだ」には、歯がゆさや冷やかしの気持ちが含まれているのです。

また、使いこなせない物を欲しがるのは、お金のむだです。この場合の「宝の持ち腐れ」は、「身の丈に合った物を選ぶべき」という忠告の意味になります。

「宝の持ち腐れ」の言い換え表現

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(出典) photo-ac.com

日本語には、「宝の持ち腐れ」と近い意味を持つ表現がいくつかあります。それぞれの意味や使い方を見ていきましょう。

「豚に真珠」

豚に真珠は、『価値の分からない人に価値があるものを与えてもむだ』という意味です。新約聖書に『真珠を豚に投げ与えてはならない』という一節があり、これが語源といわれます。

聖書の中では、豚は不浄の生き物です。真珠のような価値あるものを与えるには値しない存在と考えられており、『愚か者に価値あるものを与えても意味がない』という意味となりました。

言葉としては、宝の持ち腐れよりも否定的・侮蔑的な意味が強めです。言われた方はよい気分にはならないので、他人に面と向かって「豚に真珠だね」と言うのは控えた方がよいでしょう。

「無用の長物」

『無用の長物』は『むようのちょうぶつ』と読みます。

『持っていてもむだな物』『持っている意味がない物』を指すのが一般的で、『持っているだけで役に立っていない』という意味では、宝の持ち腐れと似ています。

その昔仏教では、出家の際の持ち物の数が決まっていたそうです。規定の物以外は『長物』と呼ばれたことから、『不要な物=長物』と考えられるようになりました。

無用の長物には、『使わないともったいない』という意味はありません。『持っているだけで邪魔になる』というニュアンスが強いので、使いどころを間違えないようにしましょう。

「箪笥の肥やし」

箪笥の肥やしは『たんすのこやし』と読み、収納したままで使わない物・衣服を指す言葉です。箪笥に入れるだけで出さない物は、全く意味がないことから、このように言われるようになりました。

宝の持ち腐れと同様に『もったいない』という意味が含まれていますが、人に対しては使われません。箪笥の肥やしを使える対象は、あくまでも物限定です。

「猫に小判」

『猫に小判』は、『価値を理解しない者に高価な物を与えても意味がない』という意味です。猫に小判を与えても喜びもありがたがりもしないことから、このように言われるようになりました。

『価値ある物を使いこなせない』という点では宝の持ち腐れと似ていますが、猫に小判には『価値が分からない』といった意味も含まれます。宝の持ち腐れよりは、豚に真珠に近い言葉といえるでしょう。

猫に小判は、価値観の違う人をからかうニュアンスが含まれます。面と向かって言うのは失礼に当たるため、基本的には避けるのがベターです。

構成/編集部

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