
アメリカでトランプ大統領の支持者が連邦議会を襲撃した事件を受けて、野党・民主党は大統領を弾劾(だんがい)訴追する決議案を提出しました。今回の事件で61人が逮捕されていて、これまでに20人が訴追されています。この中には、極右陰謀論に傾倒する者や、極右組織の支部長など、過激思想に染まったものが多くいました。民主党は「妄信的信者の破壊行動の引き金を引いたトランプ大統領の責任は重い」としています。特に、議会襲撃の直前に行われた集会で「我々は戦うのだ。死にもの狂いで戦わなければ、この国は終わってしまう」と発言したことを問題視。民主党が提出した決議案では「トランプ大統領は、連邦議会で何が起こるか結果が予見できたにもかかわらず、不法行為を鼓舞する発言をした」としています。
弾劾訴追の決議は、民主党が過半数の下院で行われます。つまり、決議案が可決される見通しです。トランプ大統領は、史上初めて、2度、弾劾訴追を受ける大統領として、歴史に名を残すことになります。その後、上院で3分の2の票が必要になるため、有罪判決を受けて、罷免(ひめん)される可能性は、ほぼありません。
ただ、この状況下、さらなる混乱の懸念もあります。FBI=連邦捜査局の内部文書をもとに、複数のアメリカメディアが「ある武装集団が1月16日にワシントンに向かうとの情報を得た。 武装集団は、議会が大統領の排除を試みた場合、大規模な暴動が起きると警告している」と報じました。
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