Z世代の葛藤を代弁するポッププリンス、コナン・グレイの本音

Z世代の葛藤を代弁するポッププリンス、コナン・グレイの本音

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/02/24
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Z世代のアイコンであり、ネット発のポップスターであるコナン・グレイ(22)。

2020年3月にリリースしたデビューアルバム「Kid Krow」は全米ポップアルバムチャート初登場1位を獲得。楽曲「Heather」はTikTokから火がつき社会的な流行語に。同年10月、Spotify上での再生回数が累計10億回に達した。

さらに2021年2月19日には新曲「Overdrive」をリリース。彼が発信する「孤独」を「共感」に変える新しい価値観に引き寄せられ、アメリカのZ世代を中心に高い注目を集めているコナン・グレイは、いま変化の過渡期にある社会をどのような眼差しで見つめているのか。

子どもの頃、僕は引っ越しの多い生活を送っていました。だから、どんな環境でもいつも「新入り」。性格も内気だったから友達も少なくて、日本人とのハーフでマイノリティだからといじめられたこともあったし、当時のポップスターも自分のような見た目の人はいなかった。自分を理解してくれる人なんてずっといない、そう思っていました。

でも、僕にはインターネットがあった。15歳の頃から自分のYouTubeチャンネルに動画を投稿し始めて、そこで友達と会話するような感覚でたくさんの視聴者と出会うことができた。僕と同じような気持ちを抱えている人がたくさんいることを、インターネットと、大好きな音楽を通して知ることができたんです。

動画を投稿してから学校に登校し、家に帰ったらボロいマイクとパソコン一台で曲をつくる生活を送っていた17歳のある日、ひとりベッドルームにこもってつくった”Idle Town”という曲を、インターネットに投稿したんです。すると、その一曲が爆発的に広まって、信じられないほどたくさんの人が共感してくれた。それが、いまのキャリアのきっかけです。

僕のことなんて誰もわかってくれないと思っていたから、音楽を通して人に受け入れられ、同じ葛藤を抱えている人たちとつながれると気づいたときから、自分自身もいろいろな声を聞くようになり、広い物事に関心を持つようになりました。

僕たちは、変化を起こすことができる手段を、生まれつき与えられている唯一の世代なのです。

自分の声なんて、広大な海の小さな波のひとつに過ぎないと感じるかもしれない。しかし、あなたが気づいていないだけで、共感をしてくれる人はたくさんいるはず。勇気を出して声を上げれば、応援してくれる人や一緒に戦ってくれる人が必ずいると、17歳で実際にそれを経験した僕が保証します。

インターネットという非常に強力なツールを生まれたときからもち、誰よりもうまく使いこなせるZ世代だからこそ、社会をよりよくするために活用しない理由がありません。

外出自粛期間、僕は自分自身と向き合い、自分を表現する方法を模索し、自分の知らなかった一面とたくさん出合うことができました。多くの人が自分自身と深く向き合うと同時に、世の中には変えるべきことがたくさんあることにも気づかされたでしょう。世界中の多くの不平等に目を開かされ「すべてが崩壊する前に何とかしないといけない」と皆が気づき始めたと感じます。

何もかもが当事者としてリアルに感じられ、さまざまな議論が飛び交っている現状で、僕は「いつまでも学び続けなくてはいけない」という気持ちを一層強く抱くようにもなりました。学校教育で教えられたことすべてが事実とは限らないのだと、誰もが気づかされるようなことが世の中では起き続けています。

これからの歴史は、実際に起こったことが曲解されることなく生々しく記録されていくし、音楽はそれを反映する役割を担うと思います。音楽、特に痛みについての音楽は、時代や出来事のみならず、社会で生きる人々の感情や価値観を常に反映します。

人間の感情は非常に内在的であるため、自分自身で処理することは難しい。しかし、音楽にすれば他者へも伝えることができ、感情や価値観を共有することができます。僕は自分の曲を書いているときでも、感情を処理するために「いますぐあの曲を聴かなきゃ」とほかのアーティストの曲を聴きます。それは、代弁者が必要だから。音楽やアートは、人間のリアルな声を聞くための特別な手段であり、それぞれが必要としている価値観を表しているからです。

もしいまの多様性に満ちた音楽を10歳のころに聴いていたら、僕はもっと早く「自分らしく」なれていたかもしれません。だからこそ、次の世代の音楽リスナーが「自分を理解してくれる人がいる」と感じられるようなアーティストがたくさん生まれることを願っています。

若い世代のミュージシャンはみんな変わり者で、10年前には通用しなかったであろう音楽をつくっているけど、実際にはみんな「自分らしさ」を表現しているだけ。僕もそう。「Z世代」と呼ばれる僕たちの世代を、音楽が反映しているのです。

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新曲「Overdrive」配信中

コナン・グレイ◎1998年生まれ。サンディエゴ出身のシンガーソングライター。2020年最大のデビュー実績を残す新人アーティスト。18年、初のEP『Sunset Season』のリリースを皮切りに、同世代からの高い支持を得る。

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