FA「近藤健介」、巨人“横取り”の現実味 パ球団三つどもえで、6年前の「再現」の余地も

FA「近藤健介」、巨人“横取り”の現実味 パ球団三つどもえで、6年前の「再現」の余地も

  • デイリー新潮
  • 更新日:2022/11/25

福良GMにヘッド時代の威光

プロ野球日本ハムからフリーエージェント(FA)宣言した近藤健介外野手(29)を巡ってはソフトバンク、オリックス、西武、ロッテ、そして古巣日本ハムとパ・リーグ5球団による異例の大争奪戦が展開されている。出だしはソフトバンク、オリックスの2球団が条件面でリードしていたようだが、西武入団で合意とのフライング報道もあった。

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FA戦線で最大の目玉となった近藤の去就に注目が集まっている

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「本人は(11月23日の)ファン感謝イベントで各球団との交渉は一巡したばかりで、人生の分岐点となる決断と捉えている。同じ捕手の伏見(寅威)が絡むなど、早期の結論が求められた森(友哉)のFA移籍とのケースとは異なり、時間をかけて結論を出すのではないか」(セ・リーグ球団編成担当)

近藤は通算打率3割7厘、抜群の選球眼を誇り、2019年はリーグトップの103四球で出塁率は4割2分2厘をマークした。トップバッターに適役だが、中軸も任せられる。野球に対する真摯な姿勢や、同僚との協調性など人間性を含め、各球団で垂涎の的となるのは当然だ。

オリックスはポスティングシステムによるMLB挑戦を目指す吉田正尚外野手の後釜として6年総額30億円の大型契約を提示したもようだ。資金力のほかに、他球団にはない強みが「人脈」である。

中嶋聡監督は日本ハム時代に捕手兼任コーチとして近藤と関わった。首脳陣でも中垣征一郎巡回ヘッドコーチ、小谷野栄一打撃コーチ、厚沢和幸投手コーチら日本ハム出身者は多い。特に福良淳一ゼネラルマネジャー(GM)は近藤のプロ1年目、日本ハムでヘッドコーチを務めていた。

「ルーキー時代のヘッドコーチとなれば影響力はかなり大きい。いまだに頭が上がらないもので、その人に交渉で口説かれれば心は揺れるはず。しかも今季26年ぶりに日本一になったチームで、オフには森獲得と勢いに乗っている。近藤にも魅力に映るだろうし、入団すればFA選手への注目度は森と分散され、プレッシャーは和らぐ。オリックスのFAの目玉の両獲りは十分にあり得る」(NPB球団元監督)

「秋山争奪戦」とは熱の入れようが違う西武

西武も近藤とのパイプという点では引けを取らない。今季も試合前には憧れの松井稼頭央新監督をはじめ、西武ナインと談笑するなど、敵チームながらその親密さはかねて話題を呼んでいた。さらに、近藤に関東志向があることはオリックスにはない強みだ。

「今季途中の秋山(翔吾=広島)との争奪戦でも資金難で後れを取った西武だが、森に充てるはずだった複数年契約分が浮き、近藤につぎ込めるようになった。松井監督の新体制になって正捕手が抜けているにもかかわらず、何も手を打たないではフロントがファンに強化の意欲を疑われる。秋山の時とは熱の入れようが違う」(西武担当記者)

ソフトバンクはオリックス、西武に人脈、立地ともに劣るだけに、豊富な資金力で対抗するしかない。交渉解禁初日にスピード交渉し、藤本博史監督は生電話でラブコールを送った。提示した条件は6年総額30億円とオリックスと同規模で、増額もありそうだ。2度目の交渉では近藤が心酔する長谷川勇也打撃コーチが同席し、球団の魅力をPRしたという。まさに三顧の礼で迎える構えだ。

しかし、すんなり獲得とはならないワケを、前出の元監督が挙げる。

「ソフトバンクは地元九州出身の選手以外ではFA市場で苦戦してきた。18年オフには西(勇輝投手=阪神)や浅村(栄斗内野手=楽天)の獲得に失敗し、今季途中にも秋山(翔吾外野手=広島)の争奪戦に敗れた。条件面は申し分ないのだが、選手層が厚いため、レギュラーを維持することが他球団に比べると難しい。最近では内川(聖一=前ヤクルト)や松田(宣浩=巨人)と功労者と言えるベテラン選手があっさり戦力構想外とされたこともマイナス材料。競争原理が働いていることを示している半面、厳しい環境がFA選手を遠ざけているのではないか。近藤もおカネだけで落とせるかどうか……」

今オフにFAで獲得した嶺井博希捕手も沖縄出身であることなどが決め手になった。人気、実力共に球界屈指になったソフトバンクだが、巨人とは違った意味で、球団のブランドが選手への訴求力に直結しないジレンマがある。

日本ハムのネックは新庄監督

最も地縁が深いのはロッテだ。近藤は千葉出身で、ロッテのジュニアチームに在籍していた。吉井理人新監督は投手コーチとして日本ハム時代を共にした。

だが、いかんせん、ここまではライバル球団に資金力で劣っているようだ。

「ご当地選手で新監督へのご祝儀という意味を込め、球団は強化に力を入れているところを内外に示す必要がある。とはいえ、ない袖は振れない。近藤獲得の意思表示は球団のファン向けのアピール狙いの意味合いは強いのではないか」(前出のセ球団編成担当)

では、近藤が11年間在籍した日本ハムはどうか。

「近藤も多少条件面が低くても長くプレーしたチームへの愛着から、残留する気持ちは少なからずあるだろう。ネックは新庄(剛志)監督。就任1年目の今季は打順が二転三転するなど不可解な起用法に近藤の不信感は消えない。チームも長期低迷が続き、来季以降の展望が見えづらい。選手としてのピークを迎え、優勝への渇望感が強い中、このまま日本ハムにいることに、ためらいがあるようだ」(同)

新庄監督は早くから近藤抜きの外野陣の構想を公言している。来年から新球場に移転するにもかかわらず、看板選手の残留の可能性は低いと言わざるを得ない。

史上稀に見る争奪戦は事実上、オリックス、西武、ソフトバンクの三つどもえの様相だが、当初、近藤を調査していたはずの巨人は動きが見えてこない。

同編成担当者は16年オフにFAになっていた陽岱鋼をオリックス、楽天との争奪戦で最後方から強奪した経緯に触れつつも、「外野陣では丸(佳浩)を右翼に配置換えし、中堅は増田(陸)、ドラフト2位新人の萩尾(匡也)らで争わせると原(辰徳)監督が明言している。左翼はウォーカー、その他に長野(久義)や内野からの転向も視野にある松田(宣浩)に、1位新人の浅野(翔吾)も外野手で抱える。確かに近藤は1番打者として魅力だが、既に手を引いているのではないか」と今回は否定的にみている。

近藤は11月中に日本ハムでの行事を終え、来季の所属先表明に支障がなくなる見込みだが、結論は年内ともしており、熟考する構えだ。

デイリー新潮編集部

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