毎月、X(旧Twitter)トレンド解析システムによる解析リポートを公表しているエリアLOVEWalker総合研究所リポート。第九弾のテーマは、秋の日本を彩る「紅葉スポット」だ。今回は2022年10月1日から2023年9月30日までに、X上で“紅葉”という言葉と一緒に言及されたスポット名ベスト100を発表する。
Xトレンド解析
「日本の紅葉スポット」 言及数ランキング TOP100
調査機関:角川アスキー総合研究所
集計期間:2022年10月1日~2023年9月30日
解析対象:「日本の紅葉スポット」を含むX(旧Twitter)上での投稿
抽出件数:25万5,264件(上位100位までの総投稿数)
上位10位までにランクインした紅葉スポットのうち、都道府県別で最多は京都府。秋の京都と言えば、今年30周年を迎えるJR東海のキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」をはじめ紅葉の名所として各メディアが紹介している。海沿いの地域よりは、山や渓谷があるスポットや歴史ある寺社や神社のあるエリアがやはり言及数が多かった。
また、紅葉スポットとともに言及されるポストの特長は紅葉の楽しみ方だ。ハイキングや周辺の散策など「観光」、「旅行」というワードとともに言及されるだけでなく、きれいな風景を撮影する「写真」や景色のなかを爽快に走り抜ける「ドライブ」、「ツーリング」といったワードも共起語に含まれていることから、趣味とセットで紅葉を楽しんでいることがうかがえる。
今年は11月7日に東京都心で100年ぶりに11月の最高気温を記録するなど温暖な気候だが、紅葉シーズンに突入! 美しく色づく紅葉を見に行ってみてはいかがだろうか。
Xデータでわかった「日本の紅葉スポット」TOP5を分析!その理由とは?

富士山と鮮やかに色づく紅葉のコントラストが美しい。 (写真:Σ64、CC BY 3.0)
2位は京都府京都市右京区の「嵐山」。言及数は15,760件だった。今回のランキング結果からもわかるように京都府に紅葉に関連する名所が多い印象があるが、歴史をさかのぼると平安時代にはすでに、貴族の間で紅葉を鑑賞する行事があったのだそうだ。なかでも嵐山は、スポットというよりもエリアとして認識されており、近隣の「渡月橋」、「直指庵」とあわせて言及されている。場所としては離れているが3位の「清水寺」とも、数多く一緒に言及されている。
複数の観光協会や個人ユーザーが毎日のように現在の紅葉の様子をポストしていることもあり、現地に行かなくても紅葉のピークや移り変わりがわかるほどの人気ぶりだ。そして11月12日には「嵐山もみじ祭り」が開催される。渡月橋付近から今様船、平安管弦船等、様々な趣向を凝らした優雅な船が出て、大堰川のほとりで嵐山の地にゆかりのある芸能を繰り広げるのだという。

嵐山エリアの散策、世界遺産にも認定されている天龍寺も忘れずに行ってほしい。 (写真:chee.hong CC BY 2.0)
3位は、同じく京都府の「清水寺」。言及数は9,306件だった。 言わずと知れた京都の名所の紅葉シーズンは、「リフレクション」というワードとともに多く言及されている。その理由は、ライトアップされた際に池の水面に鮮やかな木々たちが鏡合わせ(リフレクション)になっている写真が多数ポストされ、多くのユーザーに拡散されているからだ。夜のライトアップだからこそ見ることができる特別感とロケーションが、多くのユーザーから注目されていることがうかがえる。

紅葉シーズンになると、清水寺の境内全体が紅葉に包まれる。 (写真:Martin Falbisoner CC BY-SA 4.0)
4位も京都府の「東福寺」。キャッチコピー「そうだ 京都、行こう。」でお馴染みのJR東海の公式アカウントが、10月に東福寺の風景をカレンダーにし配布するなど、紅葉の名所として人気を博している。また、東福寺周辺はアクセスも良好で京都駅から近いことから、観光客にとっても行きやすい場所として広く認知されているようだ。

京都の紅葉ランキングに毎年登場する東福寺。京都五山の第四位の禅寺で、大きな伽藍を所有していることで知られている。 (写真:Maechan0360 CC BY-SA 4.0)
5位は、東京都八王子市にあり、交通アクセスが良いことから人気の「高尾山」。11月中旬から12月上旬に見ごろを迎え、1年でもっともにぎわう時期になるのだという。登山経験ゼロの方も楽しめるハイキングコースがあるため、登山客のみならず、観光客にもにも愛されているスポットだ。
なお、高尾山では12月3日(日)まで「高尾山もみじまつり」が開催されている。期間中の平日には、平日限定抽選会を実施。高尾山商店会加盟店で1,000円以上の買い物をした方に抽選券を1枚贈呈し、高尾山口観光案内所で豪華景品が当たる抽選会に参加できる。他にもイベント広場では、八王子市内にある大学や専門学校の学生が音楽の演奏等で清滝駅前広場を盛り上げる。

山頂では、色づく木々のなかで記念撮影を楽しもう (写真:Arashiyama CC BY-SA 3.0)
気になるX全量データによる日本の紅葉スポットTOP100
【Xトレンド解析】日本の紅葉スポットランキング11位~100位。12位の「いろは坂」(栃木県)は、紅葉シーズンになると道路が渋滞するほどの名所。そこで言及されている「HONDA」は、2022年にとあるユーザーが通行中に4台の同社の車両が故障し停車していたことをポストし注目を集めていた。また、20位の「国営ひたち海浜公園」は、春にはネモフィラの花で広く知られているが夏から秋にかけてコキアが一面に広がっている。そして今年の9月には、約3万3千本のコキアが音楽に合わせてカラフルにライトアップされる「コキアライトアップ」が4年ぶりに開催されたことも話題に。28位の「比叡山」は、2003年に公開された映画「ラストサムライ」のロケ地として知られ、主演の「トム・クルーズ」さんの名前とともに多くポストされている。
Xトレンド解析
「日本の紅葉スポット」 言及数ランキング TOP100
調査機関:角川アスキー総合研究所
集計期間:2022年10月1日~2023年9月30日
解析対象:「日本の紅葉スポット」を含むX(旧Twitter)上での投稿
抽出件数:25万5,264件(上位100位までの総投稿数)
角川アスキー総合研究所は2015年に、東京大学生産技術研究所喜連川・豊田研究室と、アジア圏で唯一ツイートデータの全量を取り扱うことができるNTTデータ、そしてTwitter Japanと共同で「Twitterトレンド解析システム」を開発した。それ以来、当社が持つエンターテインメント用語辞書(200万語以上)に収録されたワードをもとに、日本国内でのエンターテインメント分野に関するツイートを対象にした解析を行っている。
解析内容としてはツイート内でのワード出現傾向の分析に加えて、ツイートテキストを対象にした投稿者の推定属性情報(NTTデータ提供)や、各種統計データなどを組み合わせた分析などを行っており、報道機関や、企業・自治体等に幅広く活用されている。なお、「X(旧Twitter)トレンド解析システム」によるXのリアルタイムな集計結果は、「ついラン」でも見ることができる。
今回の集計の詳細は以下のとおり。 集計期間:2022年10月1日~2023年9月30日 解析対象:日本の紅葉スポットを含むX(旧Twitter)上での投稿 抽出件数:25万5,264件(上位100位までの総投稿数) *上記集計期間中、「Xトレンド解析システム」にて取得した投稿数57億93,56万3,005件の中から、上記調査対象ワードを含む投稿25万5,264件を抽出し、言及数順にて100位までのランキングを作成した。
■関連サイト
渡久地香緒里、大島あゆみ(エリアLOVEWalker総合研究所)