尾身会長、首相会見で語った「思うところ」 疫学情報の共有「我々の望むレベルには...」

尾身会長、首相会見で語った「思うところ」 疫学情報の共有「我々の望むレベルには...」

  • J-CASTニュース
  • 更新日:2021/01/14

2021年1月18日に召集される通常国会の焦点のひとつが、政府が提出する新型コロナ特措法の改正案に盛り込まれる罰則の是非だ。それ以外にも感染症法の改正が予定されており、保健所による積極的疫学調査への協力を拒否したり、うその回答をしたりした人への罰則が検討されている。

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1月13日に開かれた菅義偉首相の会見では、同席した新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長に発言を求める機会も多かった。罰則の是非に関する質問では、尾身氏は、分科会内では賛否両論あるとした上で、「こういう部分をもしかして改善していただければ、もっと感染対策が進んだろうと思うところがある」と、法改正のあり方に注文をつける場面もあった。

疫学調査への拒否や虚偽回答に「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」検討

政府が検討している特措法改正案では、都道府県知事が店舗に営業時間の短縮や休業を命令し、立ち入り検査もできるようになる。従わない場合は過料を科す。過料の額は30万円以下が検討されているが、緊急事態宣言が出ている間は50万円以下に増える。

一方、感染症法の改正案では、入院を拒否した感染者への罰則新設が検討されており、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を想定。疫学調査への拒否や虚偽回答については「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」が検討されている。

記者会見では、罰則の根拠になる数字を示すように求める質問が出た。菅氏は、調査に協力してもらえない人が増えていることを指摘したうえで、

「調査がより実効性を上げることができるように、感染症法の改正を検討しており、こうした協力を頂けるような体制を採ることが大事だと思っている」

などと説明。具体的な件数については「具体的なことは承知していない」とした上で、「そうしたことの実例について、やはり申し上げる必要がある」として、さらに説明が必要だとの考えを示した。

半年前から「疫学情報の迅速な集計と自治体間との共有」主張していた

一方の尾身氏は、罰則については分科会で賛否両論あることを説明し、別の部分で改正が必要な部分があるとの考えを明かした。

「実は今の感染症法の改正も、あるいは特措法の改正も、実は我々、『こういう部分をもしかして改善していただければもっと感染対策が進んだろう』と思うところがある」

その一例として尾身氏が挙げたのが、個人情報を守ることを前提に、疫学情報を迅速に自治体間や自治体と国の間で共有できるようにすることだ。尾身氏いわく、「これが極めて重要だと思うが、それが今回、なかなか、いろいろな様々な理由で、我々が望むレベルには必ずしも到達していない」。

分科会は20年7月に行った初会合で、「疫学情報の迅速な集計と自治体間との共有」が必要だとして、

「東京都から離れた地域でも孤発例が報告されている。感染拡大防止のためには、孤発例がどこで、どのように感染したかなどの疫学情報がリアルタイムで集計され、広域間で共有されなければならない。この問題も数カ月前から認識されていたが、原因が多岐にわたり複雑であるため未だ課題解決に至っていない」

などと指摘している。ここから半年が経過しても事態が「我々が望むレベル」になっていないことになり、尾身氏は、今後の国会審議で焦点が当たる「補償と罰則」だけでなく、情報共有の不十分さが対策の支障になったことについても議論するようにクギをさした。

「是非国会で、感染症法あるいは特措法の改正をするときに、その罰則と、あるいは協力金にするとかいう議論、お金のことと同時に、『実際どういうことがあったので感染症対策が進まなかった』ということを十分、我々はまたそのことついてはしっかり問題提起をさせていただいて、そういうことも含めて議論していただければと思う」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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