
長野・中野市で男女4人が死亡した事件で、容疑者の男の身柄確保されてから、半日以上がたった。
警察との緊迫の攻防、そして男の素顔が徐々に見えてきた。
長野・中野市で4人が死亡した、立てこもり事件。
殺人の容疑で逮捕されたのは、青木政憲容疑者(31)。
青木容疑者の知人「猟銃の免許が欲しいみたいなことを言って、取ったという話は聞いた」
近所に住む女性を刺したあと、駆けつけた警察官2人に猟銃を発砲。
その時、青木容疑者の表情が目撃されていた。
青木容疑者を目撃した住民「もう撃つぞ! 撃つぞ! という感じで、ただ笑っていた」
なぜ事件は起きたのか、総力取材で迫る。
凄惨(せいさん)な事件の現場となったのは、田園風景が広がる長野・中野市の集落。
亡くなった女性2人は散歩仲間だったといい、散歩中に襲われ、殺害された可能性があるとみられている。
近くに住む人「毎日ここ、たぶん散歩で通ってたと思う。女性2人で」、「2人とも楽しそうに、いつも世間話をしながら歩いていた」
4人もの命を奪った犯行。
逮捕された青木容疑者は、どのような人物なのだろうか。
26日午前4時半過ぎ、立てこもり現場となった長野・中野市の住宅の窓が開き、人影が見えた。
捜査員が現場の方に向かって一斉に走り出した直後、警察に身柄を確保された青木政憲容疑者(31)。
その後、殺人の疑いで逮捕された。
「男が女性を刺した」との110番通報が入ったのは、25日の午後4時半ごろ。
青木容疑者は、駆けつけた警察官に発砲したあと、自宅に向かい、立てこもったとみられる。
膠着(こうちゃく)状態が続く中、警察は、立てこもり現場の目の前にある住宅の2階を見張り部屋としていた。
現場横の住民「警察官が『お部屋貸してもらえますか?』と。(持っていたのは)猟銃、ライフルというか、長い。猟友会っていうんですか、赤いジャンパーと帽子と迷彩の服で」
青木容疑者は、中野市議会の青木正道議長の長男。
警察官に発砲した際の様子を目撃した住民は、青木容疑者の異様な姿が目に焼きついていると話す。
近隣住民「2発撃った。フロントガラスは当然バラバラに。(容疑者は)撃つぞ、撃つぞという感じ。ただ笑っていた」
「笑いながら撃っていた」という青木容疑者。
どのような人物なのだろうか。
近所の人「おとなしい。農業をやっていて」
容疑者を知る人「ジェラート屋さん、最近店出したんだけど、一応その社長は息子さんというか、犯人。(でも)仕事には一切関わっていなかった」
中野市内にジェラートの店を出したものの、店にいる様子はなかったという。
その店に行ってみたところ、25日はオープンしていたということだが、26日は閉まっていた。
そして、知人らの間では、以前から青木容疑者が「猟銃の免許が欲しい」と話していたことが知られていた。
青木容疑者の知人「猟銃の免許が欲しいみたいなことを周りに言って、(猟銃の免許を)取ったという話は聞きました」
しかし、所属する猟友会の関係者は、害獣駆除などで活動しているのを見たことがないと話している。
青木容疑者が所属していた猟友会の会長「(容疑者は)全然知らない人だから、話もしたこともない」
警察は青木容疑者の自宅から、散弾銃や空気銃などの猟銃あわせて4丁を押収した。
容疑者の知人からは、クレー射撃をやっていたという話も聞かれた。
容疑者を知る人「クレー射撃は、前によく練習には行ってたっていう話は聞きました。(銃の扱いは?)手慣れていると思いますね」
至近距離から撃たれたとみられる中野警察署の玉井良樹警部補(46)と池内卓夫巡査部長(61)は、共に死亡した。
カメラに向かい、優しい笑顔を見せる玉井警部補。
大学時代、同級生だったフジテレビ情報番組のスタッフは、その人柄について、「故郷・長野への思いが強く、責任感も人一倍強かったので、警察官として、身を粉にして働いたのだと思います」と話している。
また、ナイフで刺された村上幸枝さん(66)と現場近くに倒れていた竹内靖子さん(70)の死亡も確認され、死者はあわせて4人。
女性2人は散歩仲間で、ほぼ毎日仲良く歩いていたという。
近所に住む人「村上さんと竹内さん。ほぼ毎日ですね。健康のために、2人で歩いていたんだけど」
青木容疑者は、なぜこのような凶行に及んだのだろうか。
容疑者の知人「(動機については?)逆に知りたいですね、何があったのか。本当に小さい街で、みんなで、もう近所の人たちはもう身内みたいな、本当に仲のいい地域だったので」
青木容疑者の父親は26日午後、市議会議員を辞職。
警察は、犯行に至った経緯や動機、被害者との関係などを追及する方針。