80年代の“ラジオ局ジャック事件”がモチーフ 「若者の代弁者」「喪失感の象徴」ザ・スミスの20曲でつづる青春映画

80年代の“ラジオ局ジャック事件”がモチーフ 「若者の代弁者」「喪失感の象徴」ザ・スミスの20曲でつづる青春映画

  • ラジオ関西
  • 更新日:2021/11/26

80年代のアメリカ。ロックバンド「ザ・スミス」の解散をきっかけとして、若者たちが“自分探し”にさまよう一夜を描く青春映画です。『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』が12月3日(金)から全国ロードショー。

【動画】ラジオ局で起こった小さな革命「スミスの曲だけ放送しろ」 映画予告編

1987年、夏。アメリカ・コロラド州デンバー。スーパーで働くクレオはイギリスのロックバンド「ザ・スミス」が解散する、というニュースに大きなショックを受けます。

「ウソでしょ!?」

大好きなスミスの音楽を聴けなくなるのに、世間の様子は普段と全く変わりません。

クレオは、ボーイフレンドでレコードショップの店員・ディーンに“この町の連中へ一大事だと分からせたい”と訴えます。

「解散の悲劇をみんな重く受け止めるべきよ」
「僕に計画がある」

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ディーンはクレオをデートに誘いますが、クレオはほかの仲間とパーティーに出かけてしまいます。

1人になったディーンは、地元のラジオ局へ勝手に入り、DJへ銃を突きつけて「ザ・スミスの曲をかけろ!」と脅します。

「若い男がラジオ局に侵入し、俺に銃を向けている。この男の要求はザ・スミスの曲だ」

一方、クレオたちはパーティーでバカ騒ぎをしながら、将来への不安や自分の内面について悩みを口にします。

「大学なんて夢の話」
「一生フルタイムで働くレジ係よ」

ディーンは「ザ・スミスの音楽だけが僕らの救いだ」と言って、次にかける曲をDJに指定します……。

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ザ・スミスは、サッチャー政権だった1980年代のイギリスで5年くらい活動したバンドです。賃金が下がり失業者があふれる状況下、若者の代弁者として社会を痛烈に批判する歌詞と繊細なギターのフレーズが特徴で、多くのミュージシャンに影響を与えたといわれています。

ザ・スミスをめぐっては、1987年にアメリカ・コロラド州デンバーの若者が地元のラジオ局で銃を突きつけて「スミスの曲だけ放送しろ」と4時間にわたって要求した“ラジオ局ジャック事件”があったとされ、今作はこれをモチーフにしています。

この映画には、「ショップリフターズ」「ゼア・イズ・ア・ライト」「ディス・チャーミング・マン」「心に茨を持つ少年」ほか、ザ・スミスの作品が20曲以上散りばめられ、ボーカルのモリッシーが解散について語る当時の映像も挿入されています。

Bigmouth Strikes Again(ビッグマウス・ストライクス・アゲイン)
Oscillate Wildly(オシレイト・ワイルドリー)
Shoplifters Of The World Unite(ショップリフターズ)
There Is A Light That Never Goes Out(ゼア・イズ・ア・ライト)
The Queen Is Dead(ザ・クイーン・イズ・デッド)
The Headmaster's Ritual(ザ・ヘッドマスター・リチュアル)
This Charming Man(ディス・チャーミング・マン)
Panic(パニック)
Sweet And Tender Hooligan(スウィート・アンド・テンダー・フーリガン)
William, It Was Really Nothing(ウィリアム)
Barbarism Begins At Home(バーバリズム・ビギンズ・アット・ホーム)
Accept Yourself(アクセプト・ユアセルフ)
I Know It's Over(アイ・ノウ・イッツ・オーヴァー)
Girl Afraid(ガール・アフレイド)
The Boy With The Thorn In His Side(心に茨を持つ少年)
Meat Is Murder(ミート・イズ・マーダー)
Sheila Take A Bow(シーラ・テイク・ア・バウ)
Rubber Ring(ラバー・リング)
Death Of A Disco Dancer(デス・オブ・ア・ディスコダンサー)
How Soon Is Now?(ハウ・スーン・イズ・ナウ?)

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音楽だけでなく、1980年代アメリカのファッションや空気感を伝えていて、かつてこうした雰囲気に憧れたジェネレーションは懐かしい気分になります。例えば主人公とパーティーを楽しむメンバーにマドンナのコスチュームを完コピしている少女がいたり、1986年の恋愛映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』が会話に出てきたり、夜中に男女4人で酒を飲んだあとドライブして、バカ騒ぎしたり。この時代の青春アイテムはケンカとタバコとセックスでした。

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一方、80年代のアメリカの若者に限らずアイデンティティを意識する世代なら誰でも、男女のグループでつるんでちょっと危険なことをするのが楽しいですよね。この映画ではザ・スミスを喪失感の象徴として取り上げましたが、たいていの人にはこうしたバンドやアーティストがいるでしょう。クイーンや尾崎豊、キャンディーズ、BOØWY、ZARD、AAA……あなたにとっては?

ちょっと懐かしい喪失感を共有してみませんか。映画『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』が12月3日(金)公開。(SJ)

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◇映画『ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド』(原題:SHOPLIFTERS OF THE WORLD)
※上映日程は、作品の公式サイト・劇場情報でご確認ください。

キャスト:
ヘレナ・ハワード エラー・コルトレーン エレナ・カンプーリス ニック・クラウス ジェームズ・ブルーア ジョー・マンガニエロ

監督・脚本:スティーヴン・キジャック
配給:パルコ

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