コイツは速い。パワーと安心のPHEV仕様BMW X3はフューチャーカーの本命

コイツは速い。パワーと安心のPHEV仕様BMW X3はフューチャーカーの本命

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2020/10/18
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BMWは野心的なカーメーカーだ。2023年までになんと「25台」の電動車を出すと確信している。もちろん、その電動車とは、i4という完全な電気自動車もあれば、330e、530e、そして今回試乗する「X3 xDrive30e」というプラグイン・ハイブリッド仕様(PHEV)も含まれる。

実はこのPHEV仕様をローンチすることによって、3代目X3のモデル・ラインアップには4つのパワートレーンを提供することになったわけだ。つまり、ガソリン、ディーゼル、EV、それに今回のPHEVのチョイスから選べる。これらを可能にしたのは、どのパーワートレーンにも対応できるBMWの専用CLARプラットフォームの採用のおかげだ。「X3 xDrive30e」というバージョンがX3モデルに加わることによって、すでに4つのパワートレーンを販売しているメルセデスベンツとアウディに並んだことになる。

今回は当然ながら、そのPHEVの話に集中する。

さあ、デザインはどうだろう。ボディをよく見ても、xDrive30eと他の仕様との差がわからない。細かくいえば、見分けがつくのは、左フロントフェンダーの充電ポートの蓋の有無ぐらいだろうか。ホイールやフロントのエアインテークは多少違うけど、デザインオタクでないと差が見えないはず。僕は今回乗った「Mスポーツ」仕様だったから、そのバッジの有無でわかるぐらいだろうか。

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でも、デザインで左右される顧客はいないと思う。このxDrive30eに惹かれる理由はなんと言っても、PHEVのパワートレーンだ。同車のパワートレーンは、2リッター直列4気筒ガソリンターボと、電気モーターのコンビで構成されている。エンジンは、最高出力184ps、最大トルク300Nmと「X3 xDrive20i」から引き継ぐユニットで、8速ATが組み合わされている。その中に内蔵されている電気モーターは最高出力109ps、最大トルク265Nmと力あるパワーソースなので、合計で292psを発生する。そのおかげで、0-100km/hの加速は5秒とかなり速い。12kWhのバッテリーを積んでいるので、最大44kmのEV走行が可能だとか。燃費は11.8km/LだとBMWはいう。

しかし、電気だけで走行するEVモードができるのに、リアのラゲージスペースを犠牲にしている。バッテリーを収納するフロアが8cmほど高くなっていて、X3ガソリン仕様に比べて100リッター少ない450リッターと減っている。

インテリアは当然、他のX3兄弟車に良く似てはいるけど、ガソリン車と違うのは、PHEV専用にデザインされたメーターパネルや、3つの走行モードを変更する「eDrive」ボタンがセンターコンソールに配置されてるところだね。スタートボタンを押すと、デフォルトで選択されるのは電気だけで走行する「MAX eDrive」モードだ。繰り返して書くけど、EV走行だけで最大44km走れる。そしてバッテリーが空になったら、エンジンがスムーズに自動的に作動して、バッテリーをチャージしてくれる。

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EVモードでスロットルを元気良く踏むと、xDrive30eは静かに、そして素早く動き出す。しかし、モーターだけで駆動するので、加速は瞬間的だ。エンジンが作動しても、もちろんクイックだ。一般道でも、高速道でも、どの場面でも、その4WDシステムを通じてパワーを路面に伝達するので、車重2090kgにもかかわらずコイツは速い。ところが、急加速したい時は、パンチ力がいまいちフルに出ない時もあるけどね。

一方、「AUTO eDRIVE」モードなら、アクセルの踏み具合によって、自動的にエンジンとモーターを適度に作動させて力強い加速を提供する。つまり、アクセルペダルの踏み方によって、パワートレインをコントロールできる。だから、スポーティにドライブしたい人は「AUTO eDRIVE」に入れればいい。なぜかというと、このPHEV仕様のX3はSUVにしては加速性もいいし、コーナリング性能も優れている。そしてバッテリー部分は車の床下やラゲージスペース下に配置されているので、コーナーに進入した時に、ボディはほとんどロールしないし、狙ったラインを保つ。

ブレーキペダルを力強く踏むと、制動力が十分に効くまで、少しフニャッとした反応になるので、慣れが必要だ。でも、この2トンの車重を止められる回生エネルギーはちゃんとあるので、ブレーキは自信を持って踏める。ACC、レーンキープ、緊急ブレーキなどの安全装備はたくさん搭載されているけど、僕が特に気に入っているデバイスは、フロントの左右180度のビューをセンターコンソールの画面に映す広角レンズカメラだ。両側の視界が遮られた角に入る場合に、カメラをONにすると、全方向が見えるのでとても助かる。

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さて。本当の話をしよう。航続距離100キロ走行したあたりで、このようなPHEV車こそが「近未来」の主流になるだろうとの思いが深まった。

大気汚染を解決しようと世界各国の政府が今世紀に入って動き出し、排気ガスの排出をより少なく少なくするように、カーメーカーにプレッシャーがかかっている。

しかし、なぜ多くのユーザーが毎日排出する排気ガスを減らしたいとは思いつつ、ガソリン車からEVに乗り換えないのか。それは、満充電で走れる航続距離は、伸びたとは言えまだ少なくて、電欠の恐れもある。数百キロ走行しただけでまた充電をしなければならないからだ。それに高価格。

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プリウスのようなハイブリッド車は、ガソリン車から最終目的地と言われているEVまでの、通過的なパワーソースに過ぎない。

いっぽう、発電機としてガソリンエンジンがつくPHEVは、その問題をほとんどクリアしている。X3 xDrive30eのようなPHEV車は、排気ガスを出さないEVモードだけで44kmも走行できるし、その間にチャージされている。これなら、多くの顧客は電欠の恐れを感じないで気軽に乗れるフューチャーカー像ではないか。

近未来には、当然バッテリー技術もどんどん進化するので、EVモードだけで走行できる距離はどんどん伸びるし、しかも、バッテリー技術が普及すればするほど、こんなPHEVの価格が下がるはず。つまり、今現在は高めの781万円が600万円台に下がり、EVで走れる距離が伸びれば、より多くの顧客が乗りたがるに違いない。

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