三菱UFJ「半沢氏」頭取就任 異例の“13人抜き”に不満の声は?

三菱UFJ「半沢氏」頭取就任 異例の“13人抜き”に不満の声は?

  • 文春オンライン
  • 更新日:2021/01/13

三菱UFJ銀行に“半沢頭取”が誕生する。同行は4月1日付で、半沢淳一常務執行役員(55)が頭取に就任することを発表。計13人いる副頭取、専務を抜き、年功序列を重視してきた同行では初めて、常務から頭取になる抜擢人事だ。

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「週刊文春」は10月1日号で“半沢頭取”を予測していたが、本誌の取材に対して半沢氏を「非常に優秀な人」と太鼓判を押したのが、三菱UFJフィナンシャル・グループの平野信行会長である。

「平野氏は今も行内で大きな影響力を持つ。現頭取の三毛兼承氏は同じ慶應大経済学部卒で、半沢氏より年次が1年上の林尚見常務執行役員を推したようですが、平野氏に押し切られた形です」(メガバンク幹部)

半沢氏は県立浦和高校から東大経済学部に進み、88年に旧三菱銀行に入行した。入行4年目に旧大蔵省国際金融局に出向し、政治家との折衝も担当。以降はほぼ一貫して企画畑を歩み、「将来の頭取候補」と目された。同期一番の出世頭で、14年に49歳の若さで執行役員に上り詰める。

「19年にはCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)に就任し、マネーロンダリング対策を指揮していた。日本のマネロン対策には米金融当局から厳しい視線が注がれてきましたが、担当役員として対応していました。小山田隆頭取(当時)が17年に健康問題で突如辞任し、平野氏が全銀協会長に再登板した時も経営企画部長として支えてきた。そうしたこともあり、平野氏からの信頼が厚かったのです」(同行OB)

さはさりながら、異例の“13人抜き”に不満の声は出ていないのか。

「この期待を何倍返しにするか」の問いに半沢氏は……

「籔田健二副頭取の処遇が注目されています。83年入行で半沢氏の5年先輩。三菱グループの経営不振企業への対応をはじめ、行内の難しい仕事を一手に引き受けてきただけあって、一時は頭取候補とも言われていました。しかし、半沢氏はタブーなき人事に斬り込む構え。副頭取、専務陣の処遇は3月に発令されますが、籔田氏は関連会社のトップに異動させると見られます」(同行関係者)

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就任会見で「この期待を何倍返しにするか」と聞かれた半沢氏。「何倍返しできるかは4月以降、着任してからお答えさせて頂きたい」と述べていたが、

「超低金利時代で経営環境が厳しい中、三菱UFJは特に銀行部門の経費率が高い。三井住友の約57%に対し、三菱は約74%。逆に言えば、大胆なコスト改革を実行できれば、利益を拡大できる余地があるということです」(同前)

顧客への“倍返し”を実現できるか。“半沢頭取”の真価が問われる。

(森岡 英樹/週刊文春 2021年1月14日号)

森岡 英樹

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