"嫌われる人"が気づいていない「絶対NGな地雷」

"嫌われる人"が気づいていない「絶対NGな地雷」

  • 東洋経済オンライン
  • 更新日:2022/11/25
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「嫌われる人」がつい踏みがちな「会話の中にある地雷」とは……(写真:den-sen/PIXTA)

累計250万部以上の書籍を手がける編集者である一方、ドラァグクイーンとして各種イベント、メディア、舞台公演などに出演する村本篤信氏による連載「話しやすい人になれば人生が変わる」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

あなたの「大丈夫」の中に、誰かの地雷がひそんでいる

悪気はまったくなかったのに、会話の中でふと口にした一言や話題が相手にとっては「地雷」だったらしく、怒らせてしまった。

そんな経験をしたことがある人はいませんか?

あるいは、地雷を踏んでしまったようだけど、相手が何も言ってくれないまま疎遠になったため、何が良くなかったのかいまだにわからない。そんな経験をしたことがある人はいませんか?

誰かと会話をしていて、相手の地雷を踏んでしまったことは、もちろん私にもあります。

特に、まだまだコミュニケーション能力が低かった若いころは、いろいろと失敗がありました。

ひそかに地雷を踏んでいたのに、私が気づいていないというケースも、きっとたくさんあるはずです。

今でもたまにやってしまうのが、地雷というほどではないのですが、交際相手がいた人に「彼氏(もしくは彼女)とは仲良くやってる?」と訊いたところ、すでに別れていた……というケース。訊く前から、別れている可能性もある程度念頭には入れているのですが、実際に「もう別れた」と聞くと、やはりドギマギしてしまい、「まあ、人生いろいろあるよね」などと適当なことを言いつつ、気まずい空気を必死で振り払います。

話しやすい人になるためには、もちろん、会話の中にひそむ地雷に気づき、回避することが必要ですが、これは非常に難しい問題です。

「何を不快に思うか」は、人によってまったく異なるからです。

「地雷は人の数だけある」と言ってもいいかもしれません。

特に容姿や年齢、家庭環境、出身地、人種、学歴、仕事、政治、宗教、恋愛、セクシュアリティなどについて話すとき、「自分はこういうことを言われても気にならないから、相手もきっと気にしないだろう」「自分はこういう話題をふられても大丈夫だから、相手も大丈夫だろう」と考えるのは非常に危険です。

自分が言われたくない言葉、触れられたくない話題なら、口にする前に「あ、これは言わないほうがいいかな」という思いが頭をよぎることもあるでしょう。

しかし、自分がまったく平気なこと、気にしていないことだからこそ、人は何気なく、無邪気に、相手の地雷を踏んでしまうのです。

地雷のほとんどは、踏んでしまったほうにとっては「え? 今のが地雷だったの?」「え? そんなことで怒るの?」と思ってしまうようなものでしょう。

あなたの「大丈夫」の中に、誰かの地雷がひそんでいるのです。

どんな人、どんなケースにも確実にあてはまる地雷の回避法は、残念ながらありませんが、ここでは、私なりに考えた(もしくはふだんから気をつけている)地雷の避け方をお伝えしたいと思います。

「望まれないアドバイス」は地雷の宝庫

まず、何よりも大事なのは、話している相手へのリスペクトを忘れないことです。

相手のことを軽んじたり侮ったりしていると、その気持ちは話し方や言葉に表れ、相手を不快な気持ちにさせます。

その時点ですでに地雷に軽く足をのせているようなものであり、もし相手が言われたくない言葉、触れられたく内容を口にすれば、たちまち火柱が上がるでしょう。

相手を大事に思う気持ちがあれば、「これを言ったら相手は不快になるかもしれない」「この話題には触れられたくないかもしれない」といった想像力も、多少は働きやすくなるかもしれません。

次に大事なのが、会話をしながら、常に相手の気配を察知すること。

地雷を踏んだときは、たとえ相手があからさまに怒ったりしなくても、必ず顔色や表情、放つ空気が変わります。

そうしたら、以後、その話題を続けたり膨らませたりしてはいけません。
何か別の話題を思いついたふりをする、「あれ? 自分、何を話そうとしたんだろう」ととぼけるなどして、可及的速やかに撤収しましょう。

ただ、「常に相手の気配を察知する」といっても、必要以上に神経質になることはありません。

それでは、自分も相手も疲れてしまい、会話を楽しめなくなります。
あくまでもリラックスし(た空気を出し)つつ、相手を観察するようにしましょう。

たとえるなら、やわらかく動く繊毛で、相手が放つ思いや空気を受け止めるようなイメージです。

会話の内容にも注意が必要です。

相手の容姿や年齢、家庭環境、出身地、人種、学歴、仕事、恋愛、セクシュアリティ、宗教などについてネガティブなコメントをするのはもちろんNGですが、これらに関しては、良かれと思って言った一言が地雷となる可能性も高いため、特に関係が深まるまでは、慎重にコメントする必要があります。

もし相手から、「実は自分は~なんだ」と打ち明けられたら、「ああ、そうなんだ」と、まずはそのまま受け止めるのがいいかもしれません。

何かに悩んでいる人に対し、求められたわけでもないのにアドバイスをするのも、できるだけ控えましょう。

アドバイスをするとき、人はどうしても上から目線になりがちですし、ドヤ顔で語るアドバイスが陳腐なもの、相手がとっくに実践していることだったりすることもよくあります。

望まれないアドバイスは地雷の宝庫です。

悩みを打ち明けられたら、やはりとにかく聞き、そのまま受け止めることに徹しましょう。

「世の中にはいろいろな人がいる」と心で理解する

ほかに心がけていただきたいのが、「世の中にはいろいろな人がいる」と心で理解することです。

そういわれると、多くの方は「そんなのわかってる」と思うでしょう。
でも、頭でわかるのと心でわかるのとではやはり異なるのです。

先ほど「あなたの大丈夫こそ、誰かの地雷」と書きましたが、同様に、あなたが「当たり前」だと思っていることの中は、あなたにとって当たり前なだけで、ほかの人にとっては当たり前じゃないこともたくさんあります。

たとえば、最近ではだいぶ、レズビアンやゲイ、トランジェンダーなどに関する理解は進んできたように感じるのですが、世の中には「他者に恋愛感情や性的欲求などを抱きにくい人」もいらっしゃいます。

私は、自分自身がゲイで、「世の中には同性が好きな人も異性が好きな人も、同性・異性両方を好きな人もいる」というのは昔からわかっていたため、セクシュアリティがわからない相手とプライベートに関する話をするときには、「彼氏はいるの?」「彼女はいるの?」ではなく、「好きな人はいるの?」「つきあっている人はいるの?」と訊くようにしていました。

しかし、「他者に恋愛感情や性的欲求などを抱きにくい人がいる」と知ったのは、ずいぶん後になってからのことでした。

今は、セクシュアリティがわからない相手には、不用意にそうした質問をしないようにしていますが、かつて私が「彼女いるの?」と訊かれるたびに息苦しい思いをしたように、もしかしたら私が「好きな人はいるの?」と訊いた相手の中に、息苦しい思いをした人がいたかもしれないと、ときどきふと考えることがあります。

もちろん、知らないうちは仕方がありませんが、もし「世の中には、こういう人がいる」という情報を得たときには、それをきちんとインプットし、「もしかしたら目の前にいる人が、そういう人なのかもしれない」という思いを、心の片隅に入れておくことをおすすめします。

「ダメ」という言葉は「あまり良くない」に言い換える

相手へのリスペクトを忘れないこと。

リラックスして会話をしつつ、常に相手の気配を察すること。

「世の中にはいろいろな人がいる」と心で理解すること。

これらを心がけるだけで、あなたの言葉が変わり、話し方や会話の内容が変わり、地雷を踏んだり、被害を大きくしたりすることがかなり少なくなるのではないかと思います。しかし、特に「嫌い」「ダメ」など、ネガティブだとされているような事柄を表すときは、できるだけ強く直接的な言葉や表現を使わず、優しくやわらかい言葉や表現を使うことも大事です。

言葉の選び方、言い方ひとつで、相手に与える印象は大きく変わります。
たとえば、「嫌い」と言いたいときに「あまり好きじゃない」と言ったり、「ダメ」と言いたいときに「あまり良くない」と言ったりすると、少し優しい印象になります。

ちょっとふくよかな人のことを表現するときも、「デブ」「太っている」などというよりも、「ちょっと大柄な」「ちょっと肉づきのいい」というと、やわらかい印象になるのではないでしょうか(そもそも、容姿についてコメントすること自体あまり好ましくないし、シチュエーションによっては、かえって嫌味に聞こえるかもしれませんが)。

そうすれば、相手はあなたに対し、「この人は気を遣って話す人なんだな」という印象を抱き、仮にあなたが、相手にとって本当なら地雷となるようなことを言ってしまったとしても、相手が地雷を踏まれたことに気づかなかったり、あまり不快な気持ちにならなかったり、大目に見てくれたりする可能性が高くなります。

これはもちろん、その場にいない人の話をするときでも同様です。

むしろ、その場にいない人の話をするときこそ気をつけるべきかもしれません。

もしあなたが、その場にいない人のことを「あのデブ」などと言っていたら、その場にいる、「自分はふくよかなほうかもしれない」と思っている人は、「この人は、自分がいない場所では、自分のことをこんなふうに話しているのかもしれない」と感じてしまうからです。

相手に直接言った言葉でなくても、相手の地雷を踏んでしまうことはあるのです。

「優しい表現」は、上手な人の真似をしてみる

どうしても誰かを攻撃したいとき、ストレスがたまり、周りの印象など気にせず、思いきり誰かの悪口を言いたいとき、直接的な言葉を使わないと相手に伝わらないと感じたときなどは別ですが、そうでない場合は、できるだけ優しくやわらかい言葉や表現を使うようにしてみましょう。

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アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

もしかしたらみなさんの中には「そんなことを言われても、どう優しい表現に言い換えたらいいかわからない」と思う人もいるかもしれません。

時間のあるときに本や漫画を読んだり辞書を眺めたりして語彙を増やしたり、いろいろな事柄について、「どうすれば優しい表現になるだろう」と考えたりするのももちろん効果的ですが、もし身のまわりに、「この人の話し方は優しいな」と感じる人がいれば、その人がふだん、どのような言葉を使い、どのような話し方をしているかを観察し、真似してみましょう。

以上、今回は地雷の避け方について、私なりの考えをいろいろと述べてきましたが、ある程度こうしたことを配慮したうえで、それでも地雷を踏んでしまったときは、反省し今後に生かしつつ、あまり自分を責めすぎないようにしましょう。

また、世の中には、繊細で傷つきやすく、会話の至るところに地雷がひそんでいる人もいらっしゃいます。

あまりにも地雷が多い人、あなたなりに配慮しているのに地雷を踏んでしまうことが多い相手など、「話していて疲れる」と感じる人とは、「あまり立ち入った話はしない」「適度な距離感でつきあうようにする」といった具合に、関係性自体を見直したほうがいいかもしれません。

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(アルファポリスビジネス編集部)

アルファポリスビジネス編集部

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