3月FOMC議事録、量的金融緩和の段階的縮小には時間を要するとの見解で一致

3月FOMC議事録、量的金融緩和の段階的縮小には時間を要するとの見解で一致

  • モーニングスター
  • 更新日:2021/04/08
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<チェックポイント>●FRBの目標(物価の安定と雇用の最大化)達成まで金融政策は据え置き

●委員の間でインフレ見通しについて意見分かれる

●米経済の先行きはワクチン接種の進展に大きく依存する

FRB(米連邦準備制度理事会)は7日、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(3月16-17日開催分)を公表した。米経済の見通しについては、引き続き、「FRBの目標(物価の安定と雇用の最大化)の達成には程遠い」とした上で、「目標の達成でさらなる前進を果たすには時間がかかる」と判断していることが分かった。

ただ、議事録ではバイデン政権による新型コロナワクチン接種の加速が経済や雇用に好影響を及ぼしているとの楽観的な見方も示された。議事録では13カ所にわたり、「ワクチン接種」のキーワードが繰り返された。主なものは、「ワクチン接種で21年はソーシャルディスタンシングが一段と緩和する」、「米経済の先行きはワクチン接種の進展に大きく依存する」などだ。

FRBは3月FOMCで、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を現状のゼロ金利(0-0.25%)に据え置くことを全員一致で決めた。また、インフレ率が一定期間の平均で物価目標の2%上昇に収束させる、いわゆる「平均インフレ目標政策(AIT)」のフォワードガイダンスを継続。QE(量的金融緩和)政策についても、国債買い入れ目標を月800億ドル、MBS(不動産担保証券)を月400億ドルの計1200億ドルと据え置いた。

これらの金融緩和スタンスの継続の必要性について、議事録は、「FRBの目標が達成されるまで、金融緩和を続ける必要がある」とし、その上で、「すべてのFOMC委員は現在のFRBの金融政策措置と政策金利に関する結果重視のフォワードガイダンス、資産買い入れペースは景気回復を強め、平均インフレ目標政策の達成にとって適切ということで意見が一致した」としている。これはFRBが目標達成まで政策は変えないこと、また、量的金融緩和のテーパリング(段階的縮小)の議論がまだ先になることを意味する。

結果重視のフォワードガイダンスは20年12月会合で初めて採用された。その前の11月会合では、「今後数カ月、国債とMBS(不動産担保証券)の買い入れを少なくとも現在のペースで増やす」とし、「数カ月」という時間軸で示していた。現在のフォワードガイダンスでは資産買い入れプログラムを変更する場合、慎重な資産買い入れ効果の評価が重要になるとしている。

20年12月15-16日開催分の議事録では、「多くの委員は、さらなる前進が達成された場合、(バーナンキ元FRB議長当時の)13-14年に実施されていた大規模な資産買い入れプログラムの規模縮小の例に倣って、徐々に縮小を開始することになる」と指摘していた。しかし、今回の議事録では、「結果重視のフォワードガイダンスに従って、FRBの目標の達成が大きく進展するまでは資産買い入れが少なくとも現在のペースを維持して続けられる」と様変わりしている。

長期金利上昇によるインフレ加速懸念について、今回の議事録ではインフレ見通しをめぐり、委員の間で意見がほぼ半分に分かれていることが分かった。議事録では「複数の委員はサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)や強い需要が思っていた以上に物価を押し上げている」とした一方で、「複数の委員は過去10年間にわたり低インフレを起こしていた要因が再度、思っていた以上の下押し圧力を引き起こしている」としている。

また、3月会合前、米金利先物市場では長期金利の上昇が景気回復を腰折れさせるとの懸念で、FRBは政策金利を22年暮れごろに利上げに転換し、その後、23年末までに計3回の利上げを実施するとの見方を織り込んでいたが、3月会合で公表された、FOMC委員による最新の3月経済予測では前回予測(20年12月)と同様、23年末まで利上げは予想していないことが明らかになった。

<関連銘柄>NASD投信<1545>、NYダウ投信<1546>、上場米国<1547>、SPD500<1557>、NYダウ<1679>、NYダウブル<2040>、NYダウベア<2041>

(イメージ写真提供:123RF)

増谷 栄一

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