喧嘩する夫婦は仲がいい?子どもの前で「上手な喧嘩」のできる関係とは

喧嘩する夫婦は仲がいい?子どもの前で「上手な喧嘩」のできる関係とは

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2022/01/15
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マンガ/伊藤理佐 文/FRaUweb

夫婦喧嘩をしたことのない夫婦って

夫婦喧嘩は犬も食わない、という。
しかし、一度も喧嘩をしたことがなく、それでいてとても幸せで仲がいい夫婦はそんなにいるものなのだろうか。

教育ジャーナリストで心理カウンセラーの資格ももつおおたとしまささんは、著書『パパのトリセツ 2.0』にて、「上手な夫婦喧嘩なら子どもにどんどん見せたほうがいい」と書いている。
「上手な喧嘩」とは、相手を叩きのめすとか問題を先送りにするということではなく、「意見の相違があったらそれをお互いにぶつけ、その上でお互いを尊重する」というものだ(詳しくはおおたさん著書の抜粋記事をご覧ください)。

では、「私たち、夫婦喧嘩一度もしたことがないんです」という言葉を考えてみよう。もちろん、いつも笑顔で、健やかで、相手への不満も一ミリもなくいられる関係は素晴らしい。でももしかしたら、「私たち、どちらか一方が文句を言っても、それをもう片方がそのまま受け入れるしかできない関係なんです」とか、「私たち、お互いに不満を持っていても一度も正直に意見を闘わせていないんです」とか、そういう意味の場合だってある。
特に前者の場合は、片方が配偶者に絶対服従を強いられている場合もある。それは明らかにDVやモラハラだ。
では後者はどうだろう。そしてたとえばその理由が、「子どもの前で喧嘩している姿を見せたくない」から不満があっても口に出してないということもあるのではないだろうか。

おおたさんが言うように、「子どもの前で両親が喧嘩するのもいいのかも」と思わせてくれるのが、伊藤理佐さんの漫画『渡る世間はオヤジばかり』第2話の「姉の里帰り」である。

意見がすべて同じ人なんていない

伊藤理佐さんは『おいピータン!!』などで講談社漫画賞や手塚治虫漫画賞短編賞などを受賞しているショートコメディの名手。生活している中でのあるあるを見事に浮かび上がらせ、ぶははと笑いながら、ドキッとしたり、チクッとしたり、グサリと刺さったりもする。ご紹介した「姉の里帰り」はどうやら夫と喧嘩したらしい(しかもヤカンが飛ぶほどなかなか激しいような)女性が、子どもふたりを連れて実家に里帰りするところから始まる物語だ。

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(c)伊藤理佐/講談社『渡る世間はオヤジばかり』

小さな子の手を引いて実家の扉をあけ、子どもたちが必死に説明をして家に上がらせてもらう。そこでお父さんが言うのだ。

「なにがあったか知らないが、夕飯のまえに帰りなさい。夫婦というものはとにかく話をしないといかん」

そして漫才のような両親のやり取りをしばらくみていた娘は言う。
「ちゃんと理解しあってわかりあってて……わたしもお父さんとお母さんみたいになりたいな……帰るね……」

そうだ、私も家に帰って、話してみよう……もしかしたら両親みたいになんでもわかりあえる夫婦になれるかも……。

それで終わるとなんだか美しい話なのだが、その瞬間、父親があることに気づいて母親に激怒する。超くだらないことで怒っているのだけれど、お父さんは真剣だ。そして、ちょっと感動モードにはいっていた娘たちの前で、両親はああだこうだと喧嘩を始めてしまう。

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(c)伊藤理佐/講談社『渡る世間はオヤジばかり』

娘たちは呆れるのだけれど、ちょっと安心しているようにも見える。
そうだよね、100%理解しあってるなんて、ありえないもんね。

生活の中でのちょっとした習慣や考え方の違いはあって当たり前。だって、全員別の人間なんだから。そこでモヤっとしたことや譲れないことをどう伝えるか、どう受け止めるか。その積み重ねが人間関係を築いていく。
それでいいんだよね、理想的な美しい夫婦なんてないけれど、意見して作っていけばいいんだと、娘たちは感じているのではないだろうか。子どもの前で喧嘩を見せたほうがいいという理由は、意見を闘わせることは決して悪なのではないし、むしろ関係を築くために必要なことだと教えてくれるからではないだろうか。

さて、実はこの『渡る世間はオヤジばかり』は、現在放送中のドラマ『おいハンサム!!』(フジテレビ/東海テレビ土曜日23時40分~1/15放送分は24時10分~)の原案の一つである。恋と家族とゴハンを題材とした令和のホームコメディで、この父と母がどうやら吉田鋼太郎さんとMEGUMIさんが演じている夫婦の原案らしい。

そして、娘たちを木南晴夏さん、佐久間由衣さん、武田玲奈さんが演じており、三姉妹の中で唯一結婚しているのが、佐久間さんが演じる次女の里香だ。実は第1話で、里香が作ったタンメンが変だと一切口をつけずに夫が去っていくシーンが映されていた。もし友人だったら「里香、やばいんじゃない……」と思わず言ってしまうようなシチュエーションだ。なぜなら、里香はそのときひと言も夫に意見をぶつけることができずにいたから。理不尽なことをされながらも、「せっかく作ったのに……」と心の中だけで語っていたから。

この漫画のエピソードと、ドラマの里香は全く同じわけではない(ドラマの里香に子どもはいないようだ)けれど、里香が上手な喧嘩ができるようになったらいいなと、願わずにいられないのである。

ドラマの公開を記念して、この「姉の里帰り」を無料試し読み。両親の喧嘩のやり方は、意識せずに上手な喧嘩なんだな、それはお互いに大切に思っているからなんだなと感じさせられるのだ。

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(c)東海テレビ/日本映画放送

おいハンサム!!
朝食の目玉焼きひとつにしても、個性の違う三姉妹。その唯一の共通点が、「男を見る目が全くないこと」だった。娘たちの幸せのために、“昭和の頑固親父の生き残り”であるパパ・源太郎(吉田鋼太郎)が立ち上がる。「食べて、恋して、人は生きている」――。観れば誰もがクスッと笑えて、ついでに(深夜なのに)お腹もすく。“恋”と“家族”と“ゴハン”をめぐる懐かしくて新しいホームコメディが爆誕!
フジテレビ・東海テレビ系列にて毎週土曜日放送(夜11時40分~ ※1/15放送分は24時10分~)。

ドラマ原案の一つになっている『おいおいピータン!!』最新刊はこちら↓

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