V逸の悔しさ胸に窮地から底力 工藤監督「鬼采配」に込めたメッセージ

V逸の悔しさ胸に窮地から底力 工藤監督「鬼采配」に込めたメッセージ

  • 西日本スポーツ
  • 更新日:2020/10/16
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◆オリックス4-9ソフトバンク(15日、京セラドーム大阪)

連続無失点は止まっても連勝は止まらない。工藤監督の執念采配が的中した。6回の好機で松田宣の代打川瀬が犠打を決め、中村晃が勝ち越し打。さらにバレンティンの代打長谷川がプロ初の満塁弾を放つなど一挙5得点で試合を決め、5連勝だ。「残り20試合」との公言通りのラストスパート。楽天に敗れた2位ロッテとのゲーム差を今季最大の4に広げ、最短で18日に優勝へのマジックナンバー「10」が点灯する。

公言通り、3年ぶりのVに向けた「ラストスパート」へギアチェンジした。同点に追い付かれた直後の6回。工藤監督が、勝負の「鬼」と化した。無死から柳田は四球を選び、グラシアルは中前打で一、二塁の好機が生まれると指揮官は迷わず動いた。松田宣の代打として告げたのは川瀬。5番に座るベテランを試合中盤で下げてまで「ピンチバンター」を送った。

「同点に追い付かれたんで何としてもあの回で点を取らないと、という思いがあった。申し訳ない思いもあるけど、チームの勝ちが何よりも大事」

2年連続でリーグVを逃した強い悔しさがあるからこそ、指揮官は情を排してでも勝利をもぎ取りにいく。その「覚悟」に選手も応えた。是が非でも走者を進めなければいけない極度の重圧の中、川瀬は3球目の高め直球をきっちりバントで投前へ転がし、1死二、三塁とチャンス拡大。続く中村晃は、田嶋のスライダーを右前へはじき返し、三走の柳田が生還。工藤監督は、してやったりの表情だ。

ただ、まだ手は緩めない。続く栗原の死球で満塁となり、相手先発の田嶋が交代。すると8番バレンティンの代打に長谷川を送り出した。コロナ感染による離脱からの復帰後、前日14日まで打率1割5分8厘(19打数3安打)と苦しんでいたベテランも、これ以上ない場面で期待に応えた。

2番手の比嘉に3球で追い込まれながら、4球目のシンカーを振り抜くと、打球は右翼席へ飛び込んだ。「何とか追加点を、という気持ちだけだった」。気迫が生んだ今季1号はプロ14年目で初の満塁弾。もうベンチはお祭りムードだ。8月から約1カ月のブランクがあったにもかかわらず、ここぞの場面で大仕事を果たしたベテラン。工藤監督は「さすが」とうなり、「チームにもより勢いがつく」と喜んだ。

一時はロッテに勝率1厘差まで迫られながらも、指揮官はかねて、ラストスパートのタイミングを「残り20試合」と言い続けてきた。今季100試合を消化した前日14日で、宿敵とのゲーム差は1カ月以上ぶりに「3」に拡大。そして「このままぶっちぎるぞ」とのメッセージを示すかのような鬼采配を繰り出し、選手らもそれにしっかり応えた。敗れたロッテとは4ゲーム差。最短で18日にも優勝マジック「10」が点灯する。悲願の3年ぶりV奪回に向けて、勢いを増した工藤ホークスはもう止まらない。 (倉成孝史)

◆チーム2年連続 長谷川が6回に代打満塁本塁打。代打本塁打、満塁本塁打とも長谷川にとっては初めて。ソフトバンク打者の代打満塁本塁打は昨年6月21日の巨人戦で福田(現ロッテ)が放って以来で2年連続、南海、ダイエー時代を含め9人(10度)目。

西日本スポーツ

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