10%? 16%? 18%? 塩分濃度を変えて梅干しをつけてみた

10%? 16%? 18%? 塩分濃度を変えて梅干しをつけてみた

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  • 更新日:2022/06/23
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連載・暮らしを考える旅 わが家の移住について

自分たちの暮らしを自分たちで丁寧につくりたい。そんな思いから移住を決意した一家。移住先を探す旅、そしてその暮らしを、夫婦で交互に綴っていきます。

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完熟梅か青梅か? 塩分濃度の違いとは? 梅干しつくりのちょっとしたコツ

梅雨入り前の家庭の行事、梅仕事。津留崎家で10年以上続けている梅干しつくり、昨年は塩分濃度を変えてみたり、青梅で仕込んでみたり、さまざまな“実験”をしてみました。さて、どんな梅干しに仕上がったのでしょうか?

10年以上続けてきた自家製梅干しづくり

梅雨入り間近という時期になると、忘れてはいけないのが年に一度の梅仕事。梅仕事というと梅酒や梅シロップなどいろいろありますが、わが家が仕込むのはもっぱら梅干しです。梅酒も何年もつくり続けていましたが、夫も私もビールと日本酒が好きなので手つかずのまま残ってしまう。昨年からは梅干しだけにしぼり、傷んでいて梅干しに使えないものをシロップに使うというスタイルが定着しました。

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今年いただいた梅を追熟中。追熟するときにはカビないよう浮かして通気を確保。傷のあるものはより分けてシロップに使います。

梅干しの仕込みは手間がかかりますが、そのおいしさと充実感を味わうためならと10年以上続けています。下田に移住してからは、仕込む量も増えました。というのも、この時期になると直売所においしそうな梅がずらりと並び、さらに値段がとてもお手頃なのでついつい持ち帰りたくなってしまうのです(お店の方によると、農薬も使っていない、いわゆるほったらかし栽培だそう)。

昨年は塩分濃度を変えて仕込んでみたり、青梅と完熟梅の両方を試してみたりしました。そんな試作のでき栄えや、自分なりのちょっとした工夫を今回ご紹介したいと思います。

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仕込みの塩分濃度はどれくらい? 仕込みのコツは?

梅干しのつくり方でよく見かけるのが、梅の重さに対して18%の塩で仕込む方法です。けれど、もう少し塩分を減らすことで食べやすい梅干しになるのでは? と、昨年いろいろ試してみました。

10%、16%、18%の3段階で仕込んだ梅干しができあがり、夫と娘と一緒に試食。10%の梅干しと18%ではたいそう塩気が違うだろうと予測していました。ところが、ほとんど違いを感じなかったのです。

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これはとても意外だったのですが、使用した塩が角のないまろやかな塩だからかもしれません。昨年使用した塩は、伊豆大島の〈海の精〉という甘めの塩。味噌にしても梅干しにしても、一番肝心なのは塩のセレクトなのではないか? というくらい、どんな塩を使うかが味に影響を及ぼすように私は感じています。まろやかな塩と辛めの塩では、仕上がりがまったく異なるのです。

塩分濃度に話を戻すと、濃度が低いとカビや雑菌の繁殖のリスクが増えます。実際、10%の梅干しはヒヤヒヤしながら毎日見守っていました。けれど、10%と18%でこれほど違いがでないのであれば、ある程度濃度をあげて安心して漬け込む方が私には向いてそうです。

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いいお塩を使うと梅酢だって無駄にはできません。梅酢は瓶に移して冷蔵庫で保存し、ちょっと疲れたなぁというときにソーダで割って飲むと体がすっきりします。

青梅と完熟梅の食べ比べもしてみました。青梅のほうが食べた瞬間「おー、酸っぱい!」という強い酸味が感じられます。けれど、それがおいしくないのかというとそうでもなく、梅干しらしいといえば梅干しらしい。夫と娘は完熟が好きで、ある友人は青梅の方が好きとのことでした。私はそのまま食べるとかおにぎりにするなら完熟、料理に使うなら青梅の酸味もとてもおいしいと感じます。

一般的に梅干しは完熟梅を使いますが、下田の直売所に出回るのは青梅がほとんどです。それを自分で保管して追熟するのですが、湿気が多いと追熟している間に傷んでしまいます(昨年まで住んでいた家は、湿気がひどかったので追熟が本当に難しかった……)。

さらに、すべての梅が同時に完熟してくれないので、昨年は毎日チェックしながら完熟したものだけつけていくというなかなか面倒な状況に。今年は追熟するか青梅でつけてしまうか、悩むところです。

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昨年使用した青梅。購入した青果店の店主が「青梅でもおいしい梅干しできるよ」と教えてくださり、初めて青梅で梅干しをつくってみました。

梅干しの基本的な仕込み方はネット検索するとたくさん出てくるのではしょりますが、こうするとつくりやすいよとか、おいしくなるよ、という私なりのポイントをご紹介します。

●拭かずに乾かす

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「洗った梅を清潔な布で丁寧にひとつずつ拭く」というレシピをよく見かけるのですが、量が多いとなかなか面倒です。ということで、私は洗ったあとに竹ざるの上で数時間自然乾燥しています。「なり口」を取るついでに残っている水分をちょこっと拭くだけなので、かなり手間が省けます。

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●塩漬けする前に、梅に焼酎をまぶす

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塩漬けする前に梅に焼酎をまぶすと、梅酢の上がりが格段に早くなります。梅酢が早く上がることで雑菌が繁殖するリスクを避けられるので、とてもおすすめです。焼酎だけではなく、りんご酢や前年の梅酢も利用できます。

●取り込むのは夜露を含んだ朝

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梅干しは3日3晩天日干しにするのですが、最後に取り込むのは3日目の夜ではなく4日目の朝。そうすると梅が夜露を含んでいる状態なので、しっとりとした梅干しになります。この取り込むタイミングによって、しっとりした梅干しになるか乾いた梅干しになるか、違いがでます。

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夜露をまとった梅は美しい。

簡単でおいしい梅干しレシピ、煮物とパスタ

でき上がった梅干し、最初のひと粒を食べるときはかなりワクワクします。「しょっぱい、けどおいしい〜」という家族の声、これが聞きたくて。そうしてでき上がった梅干しは、やはりおにぎりがおいしい。

わが家はお米をつくっているので、自家製のお米と自家製の梅干しでおにぎりをつくり、それを田んぼで頬ばるのが至福のひとときです。娘や娘の友だちがこのおにぎりを「おいしい!」と食べてくれると、つくってよかったな〜と思います。

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この田んぼで取れたお米と、自家製梅干し。

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娘の運動会のあと、友だちと田んぼでおにぎりを食べました。焼きたらこよりも梅干しのほうが子どもたちに人気でうれしかったな。

おにぎり以外にも、わが家のお気に入りの梅干し料理があります。暑さでバテ気味の娘に何か元気がでるものをと思って適当につくったのが、豚肉の梅干し煮。

鍋に豚肉と玉ねぎのみじん切りを入れてみりんと梅干し数粒、お水を少し入れて煮ます。塩気を確認して最後に醤油を追加。娘は「ママの梅干し料理好き!」と喜んでくれて、さらに梅干し嫌いの甥っ子がおかわりするほど気に入ってくれたのも意外でした。

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この日は豚ひき肉ですが、薄切りもおすすめです。その場合は玉ねぎを薄切りにしています。

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常備しておくと、ごはんのおともに重宝します。大人はこれにネギを散らすとまたおいしい。

もう1品、最近のお気に入り梅干し料理をご紹介させてください。梅雨のだるいとき、暑さでバテ気味のときにおすすめの簡単料理、梅干しとツナのパスタ。梅干しの種を取り除き、叩いてペースト状にする。それとツナ缶、薄くスライスした玉ねぎをボールに混ぜておき、茹で上がったパスタを混ぜる。お好みで醤油か塩で調味。そこに、大人はみょうがやシソをたっぷりのせる。これも娘が好きな料理です。

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ツナ缶は静岡県の由比缶詰所のものを取り寄せています。ビンチョウマグロを綿実油で漬け込んだこのツナ缶を、油ごとドバッとパスタにからませるだけ。

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さて、これから今年の梅を仕込みます。また来年、「あ〜すっぱい! けどおいしい〜」という家族の声を聞くのが楽しみです。

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昨年、娘がなり口をとってくれました。今年もお願いね。

文 津留崎徹花

text & photograph

Tetsuka Tsurusaki

津留崎徹花

つるさき・てつか●フォトグラファー。東京生まれ。料理・人物写真を中心に活動。移住先を探した末、伊豆下田で家族3人で暮らし始める。自身のコロカルでの連載『美味しいアルバム』では執筆も担当。

コロカル編集部

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