元ファーストクラスCAが目撃した、超一流の乗客の「アイコンタクト 」

元ファーストクラスCAが目撃した、超一流の乗客の「アイコンタクト 」

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2020/08/03
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「超一流とそうでない方の差はアイコンタクトにあるというCAの意見も多く聞かれます」──そう語るのは、人気記事「元ファーストクラスCAに聞く「機内で噂される一流の乗客」の共通点」の著者であり、日本航空(JAL)の元CAで、現在は「CAメディア」代表取締役の清水裕美子氏だ。

コミュニケーションの大部分は、言葉ではなく、話し方や非言語コミュニケーションに基づいている。さまざまな研究によると、人が伝えるメッセージのうち55%からなんと90%が、非言語コミュニケーションの影響を受けると推定されている。

そのなかでも特に、「アイコンタクト」を意識することは、イメージ操作に繋がり、ビジネスでは重要なテクニックと言っても過言ではない。そのため、超一流のビジネスパーソンになるには、好感を与える「アイコンタクト」を極めて周りと差をつけることが必要不可欠だ。

好感を与えるアイコンタクトができるようになれば、初対面の人がたちまちファンになり、仕事や人間関係もうまくいく、人生の強力な武器となる。

清水氏の著書『ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」』(青春出版社、2020年7月21日刊)から、「超一流が自然と取り入れているアイコンタクト」について、以下抜粋で紹介する。

超一流と普通を分ける「アイコンタクト」

日本人は外国人に比べてアイコンタクトが苦手な傾向がありますが、超一流の方は外国人に引けを取らないくらい相手の目をしっかり見て対応します。超一流とそうでない方の差はアイコンタクトにあるというCAの意見も多く聞かれます。

「WBC日本代表選手の方々が搭乗されたときのこと。皆様とても礼儀正しく感じがよかったのですが、なぜそう感じたかと紐解いていくとアイコンタクトだったと思います。しっかりと目を見て『ありがとう』と言ってくださるなど、ささいなことの積み重ねでも、印象は大きく変わります。野球選手が搭乗されたことはほかにもありますが、WBC日本代表選手の方々のアイコンタクトは格別でした」

「あるサッカーチームの方々が搭乗された際、ゲームに夢中の選手が多く、お飲み物を伺った際も画面から目を離さずにオーダーされる方が多かったのですが、誰もが知っている有名な選手の方だけが、しっかりと目を見て対応してくださったのが印象的でした」

「私が勤務していたエアラインは、国内のさまざまな都市に就航しているため、映画の撮影に向かう俳優の方や、地方巡業の芸人さんなど、芸能人の方もよく乗られていました。そのなかで感じたのが、誰もが知っている有名な方ほどこちらの目をちゃんと見てくださり、コミュニケーションがとりやすいということです。マネージャーさんにオーダーを伝えさせるようなこともせず、きちんとご自身でオーダーされる姿にも好感を覚えました」

アイコンタクトは初対面での不安を取り除く

フライトではCAにとっても、ほぼすべてのお客様が初対面の方。どんなに接客に慣れていて、笑顔で対応していても、やはり最初は「このお客様はどんな方だろう」という不安は少なからずあるものです。

それを取り払ってくれるのがアイコンタクトです。目を合わせてひとこと交わすだけで、その方の人柄が伝わってきて、初対面の壁はかなり取り払われます。

逆に、目を合わせていただけないと、コミュニケーションがとりづらく、その方の感情がわからないため不安になってしまいます。例えばお飲み物をお伺いした際も、目を合わせずにオーダーされたり、寝たふりをされたりすると、お客様にとっては何の悪気もなかったとしても、「迷惑だったかな」と思ってしまうのです。

目をそらす日本人、笑顔で断る外国人

日本人のアイコンタクトの癖が顕著に感じられたのが、機内販売の商品を持ち回っていたときです。

「機内販売はいかがでしょうか?」と商品を持って機内を歩いていると、多くの日本人の方は目が合いそうになるとサッとそらされます。おそらく「買うつもりがないのに目が合ってしまったら気まずい」「薦められて断るのが気まずい」という思いからでしょう。私自身、無意識のうちにそのようにしてしまうことがあるのでよくわかります。

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それが、外国人のお客様の場合は、目が合ったときもそらさずに、笑顔で「No, thank you.」とおっしゃいます。はっきりと断られているのですが、こちらの心情としては目をそらされるよりも不思議とずっと気持ちがいいのです。

もちろん機内販売を買ってくださることも嬉しいですが、アイコンタクトでお客様とささやかなコミュニケーションをとることも、とても嬉しいものです。そのことに気づいてから、私は街中でティッシュを渡されたときも、無言で会釈して断るのではなく目を合わせて笑顔で「大丈夫です」と断るようになりました。

CAが徹底的に訓練される「ラストアイコンタクト」

CAの新人訓練では、アイコンタクトの重要性をみっちりと教わります。そのなかでも効果的だと感じたのが「ラストアイコンタクト」というものです。

ラストアイコンタクトとは、何かの動作を終えたあと、最後にもう一度相手の目を見るというものです。例えばコーヒーをお出しする場合の例で説明しましょう。

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1.「コーヒーでございます」とお客様の目を見て言う

2. 目線をコーヒーカップに移し、テーブルにコーヒーを置く

3. 最後にもう一度お客様の目を見て微笑む(このときに「ごゆっくりどうぞ」などの言葉を添えることもあります)

このように、2で終わってしまわずに、最後にもう一度相手の目を見るのが「ラストアイコンタクト」です。「ありがとうございました」とお辞儀をして立ち去る際も、お辞儀をしてそのまま立ち去ってしまうのではなく、もう一度顔を上げて相手の目を見て微笑むことで印象が大きく変わります。

実は私はカフェでドリンクを受け取る際などにも、どんな接客をしているのかつい観察してしまうのですが、感じのいい店員さんは必ず「ラストアイコンタクト」をされています。「ラストアイコンタクト」は接客業の人だけのものではありません。

例えば、自分がお客様の立場でお茶を出された際、ちゃんと相手の目を見て「ありがとうございます」と言っていますか? 御礼は言っていても、お茶を見たまま、相手に目を向けずに「ありがとう」と言っている人がかなり多く見受けられます。

超一流の方は、お客様の立場であっても、この「ラストアイコンタクト」を自然に実践されています。きっと常日頃から習慣になっているのでしょう。

目を合わせることは相手に敬意を払うこと

目を合わせることに恥ずかしさがあったり断ることを申し訳なく思うのは、日本人ならではの繊細な心ゆえのことだと思いますが、目を合わせてもらえないことは想像以上に悲しいことなのだということを、私はCAの仕事を通して学びました。

相手の目をしっかり見て伝えるということは、「あなたにしっかりと向き合っていますよ」というメッセージを伝えているようなもの、つまり相手に敬意を払っていることではないでしょうか。

グローバル化が進んでいるとはいえ、日本人はまだまだアイコンタクトが苦手な方が多いと感じます。そんななか、グローバルな場で活躍されている超一流の日本人の方は、いい意味で日本人離れしたアイコンタクトによる気くばりを身につけられていて、それが「普通」との差を生んでいるのです。

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清水裕美子◎日本初のCAが発信する総合情報サイト「CAメディア」代表取締役。日本航空(JAL)の客室乗務員として国際線ビジネスクラス、ファーストクラスなどを含め約5年乗務する。現在はCA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどでも活動する。All Aboutビューティー担当ガイド。最新の著書は、『ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」』(青春出版社、2020年7月21日刊)。

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