
【写真:Getty Images】
ラツィオの予想先発メンバー
UEFAチャンピオンズリーグは決勝ラウンドに突入する。現地時間23日に行われるラツィオ対バイエルン・ミュンヘンはどのような試合になるだろうか。両クラブの現状や先発出場メンバーを占う。
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システム:3-5-2
▽GK
ホセ・マヌエル・レイナ
▽DF
パトリック
フランチェスコ・アチェルビ
マテオ・ムサッキオ
▽MF
マヌエル・ラッザリ
セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ
ルーカス・レイバ
ルイス・アルベルト
アダム・マルシッチ
▽FW
ホアキン・コレア
チーロ・インモービレ
2019/20シーズンのセリエAを4位でフィニッシュし、12季ぶり6回目となるチャンピオンズリーグ(CL)出場を果たしているラツィオは、グループリーグでドルトムント、クラブ・ブルージュ、ゼニト・サンクトペテルブルクと対戦。最終節まで敗退の可能性を残すなどヒヤヒヤしたが、見事2位に入り、実に20年ぶりとなる決勝トーナメント行きを決めていた。
今季リーグ戦はスタートこそ不安定な形となったが、ここ最近は勝ち点を継続して重ねられるようになっている。直近5試合の成績は4勝1敗で、年明け時点で8位だった順位も現在は5位まで回復した。バイエルン・ミュンヘンとの一戦に向け、状態は良いとみていいだろう。
バイエルン戦の予想先発メンバーは上記の通り。システムは3-5-2になるだろう。
ラツィオは現在、守護神トマシュ・ストラコシャ、ルイス・フェリペ、ステファン・ラドゥなどが離脱中。そのためGKにはホセ・マヌエル・レイナが入り、L・フェリペとラドゥのいない最終ラインにはパトリック、今冬新加入のマテオ・ムサッキオ、そしてフランチェスコ・アチェルビが並ぶと予想される。
その他に目立った離脱者はおらず、ルイス・アルベルトやセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチらの主力が問題なく出てくるだろう。2トップはお馴染みのチーロ・インモービレとホアキン・コレアのコンビになるはずだ。
バイエルン・ミュンヘンの予想先発メンバー
システム:4-2-3-1
▽GK
マヌエル・ノイアー
▽DF
ニクラス・ジューレ
ジェローム・ボアテング
リュカ・エルナンデス
アルフォンソ・デイビス
▽MF
ヨシュア・キミッヒ
ダビド・アラバ
レロイ・ザネ
レオン・ゴレツカ
キングスレー・コマン
▽FW
ロベルト・レバンドフスキ
昨季のチャンピオンズリーグ(CL)で圧倒的な強さを見せて優勝を果たしたバイエルン・ミュンヘンは、今季の同舞台でもその力を証明。アトレティコ・マドリード、ザルツブルク、ロコモティフ・モスクワと同居したグループリーグを5勝1分で終えており、危なげなく首位通過を果たしている。なお、同6試合で奪った得点数は「18」にも積み上がっていた。
ただ、現在リーグ戦では多くの離脱者を出していることもあり、苦戦中。15日に行われたビーレフェルトとの一戦を引き分けで終え、先日には日本代表MF鎌田大地が躍動したフランクフルトに1-2と敗戦している。リーグ戦の状態がそのままCLに影響するとはもちろん限らないが、ラツィオ戦に向けやや不安を覗かせているのは確かだ。
ラツィオ戦の予想先発メンバーは上記の通り。システムは4-2-3-1になるだろう。
バイエルンは先述した通り離脱者が多い。ラツィオ戦ではバンジャマン・パバール、ドウグラス・コスタ、コランタン・トリッソ、さらにはトーマス・ミュラーやセルジュ・ニャブリらを起用することができない。とくに、ミュラーとニャブリ、パバールの不在は痛手と言えそうだ。
パバール不在の右サイドバックにはニクラス・ジューレが起用されるよう。センターバックはリュカ・エルナンデスとジェローム・ボアテングが濃厚で、ダビド・アラバはボランチに回ると予想する。また、ミュラー不在のトップ下は、先日新型コロナウイルス感染から復帰を果たしたレオン・ゴレツカが務めることになるだろう。
マッチプレビュー
ラツィオとバイエルン・ミュンヘンがマッチアップするのは今回が初めてのことだ。
ラツィオはチャンピオンズリーグ(CL)の舞台で過去6度ドイツ勢と対戦しており、わずか1回しか負けたことがない。なお、本拠スタディオ・オリンピコでの対ドイツ勢では無敗を維持している。
対するバイエルンはこれまでに4度スタディオ・オリンピコで試合を行っており(すべてがローマ戦)、2勝2分と互角の結果を収めている。2014/15シーズンにはローマに対し1-7で大勝しており、クラブ史上CLアウェイ戦最多得点勝利を記録していた。
ラツィオを率いるシモーネ・インザーギ監督は、先週末に行われたサンプドリア戦後「彼らは、我々が抽選で選びたくなかった唯一のクラブだった」と本音を漏らしていた。現欧州王者であり世界王者でもあるバイエルンは、ラツィオにとって国内で戦うユベントスやインテルよりも遥かに大きな壁になることは間違いない。
アグレッシブなミドルプレスで相手のビルドアップを遮断し、奪ったら一気に攻撃を加速させるスタイルがラツィオの強みだ。バイエルンのような強敵相手に恐れることなく、どこまでそのストロングポイントを貫けるかがこの試合の大きなポイントになるだろう。
気をつけたいのはウイングバックの裏、つまり3バックの脇のエリアだ。ラツィオの最終ラインにはスピード系ではなく、パワー系の選手が揃うので、快速自慢のレロイ・ザネやキングスレー・コマン、アルフォンソ・デイビスなどにスペースへ抜け出されてしまうと必然的に大ピンチを招くことになる。いつも以上の集中力が必要だ。
注目選手はやはりチーロ・インモービレだ。昨季のセリエA得点王であり、欧州最多得点者でもある同選手のアクション一つが、ルイス・アルベルトやセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチらのクオリティーを引き出す意味でも重要となる。もちろん最後に求められるのは、バイエルンを沈黙させる得点であることは間違いない。
バイエルンの守護神であるマヌエル・ノイアーは、1-2で敗れたフランクフルト戦後に「僕らは最初から問題に直面していた。立ち上がりからピッチ上でのアグレッシブさが必要なんだ」と話した。また、ハンジ・フリック監督は「序盤から(アグレッシブさを取り戻した)後半のようにプレーしていれば、勝者は我々だったはずだ」とコメントを残している。
バイエルンはそのフランクフルト戦の反省を、ラツィオ戦でしっかり生かしてくるだろう。トップ下に入ると予想するレオン・ゴレツカ、右サイドバック起用が予想されるニクラス・ジューレのパフォーマンスなど、気になるポイントは様々あるが、ノイアーの言葉通り、チームとして最初からアグレッシブにプレーできるか。まずはここがカギとなる。アウェイの地でタフに戦い、ラツィオにペースを握らせなければ、勝利の女神はバイエルンに微笑むだろう。
注目選手はロベルト・レバンドフスキだ。仮にチームとして苦しい状況にあっても、この男にはすべての状況を覆す一発がある。左右両足、頭、ペナルティーエリア内、ペナルティーエリア外…どこからでもゴールを奪えるポーランドの大エースが結果を残せば、チームとしても勢いがつくはず。欧州年間最優秀選手の力をここでも証明したい。
編集部