「PTAに加入したくない」そう考える親が穏便に"非会員"となるためのたった一つの方法【2022編集部セレクション】

「PTAに加入したくない」そう考える親が穏便に"非会員"となるためのたった一つの方法【2022編集部セレクション】

  • PRESIDENT Online
  • 更新日:2022/09/23

2022年上半期(1月~6月)にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2022年4月6日)PTAに加入したくない場合、どうすればいいのか。PTA活動に詳しいノンフィクションライターの大塚玲子さんは「PTAは任意加入団体なのですが、強制加入や会費の自動引き落としなど、法に触れるやり方をしているところもあります。『非会員』でいるためには、校長先生にお手紙などで意思表示することです」という――。

※本稿は、大塚玲子(著)、おぐらなおみ(イラスト)『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)の一部を再編集したものです。

No image

イラスト=おぐらなおみ 『 さよなら、理不尽PTA! 』より

PTAの理不尽度チェックをして問題点を確認

一般の団体では「アウト」なことをPTAでは「当たり前」にやりがちです。入学式の後など、PTAへの入会を求められるときにチェックしておきたいのが、そのPTAが個人情報保護法などに触れる方法を取っていないかということ。以下の10項目で1つでも当てはまったら、要注意です。

「あなたのPTAは大丈夫? PTA理不尽度チェック」
1 入会届がない
2 入学説明会や入学式のとき「加入は任意」と説明がない
3 入退会について会則に書かれていない
4 個人情報の扱いに問題がある
5 会費が無断で口座から引き落とされている
6 強制的な役員決めが行われている
7 「できない理由」を言わされる
8 「ポイント制」がある
9 非会員家庭の子どもに記念品が配布されない
10 母親の比率が8割を超える
※各項目についての詳細は書籍 『さよなら、理不尽PTA!』を参照ください

クリーンな入退会システムを理論立てて求めよう

会長や役員さんではない、いわゆる「ヒラ」の一般会員や、非加入を選択する人が、PTAの改革・適正化を促すときのポイントや注意点をまとめてみました。

具体的に伝えることとしては、たとえば次のような要望が考えられるでしょう。

・入退会の仕組みや会則を整えること
・入会届の整備/加入意思を確認すること
・入学説明会や入学式のときに「加入は任意である」と説明すること
・個人情報を正しく取り扱うこと/PTAに名簿を無断で使わせないこと
・加入意思の確認をしないまま、会費を徴収、引き落とししないこと
・会員に活動への参加を強制しないこと
・非会員家庭の子どもも含め、その学校に通うすべての子どもを対象に活動すること

入会前に適正化を求めるなら、校長先生に直訴を

伝える相手は、なるべく校長先生がいいかと思います。会長さんでもよいですが、保護者なので、任意団体の運営について正しい知識をもたない人もときどきいますし、保護者同士でぶつかることは、なるべく避けたいものです。そもそも、連絡先を公表していないPTAも多いので、会長や役員さんに直接連絡をとることは難しいかもしれません。

No image

イラスト=おぐらなおみ 『 さよなら、理不尽PTA! 』より

特に、子どもが入学したばかりで入会届を出していない(配られていない)人は、校長先生に伝えるのが妥当でしょう。まだPTA会員ではないと考えられるからです。もし入会届を出していないのに会員として扱われているなら、それは校長先生が、学校がもつ名簿(個人情報)をPTAに使わせている、またはPTAの使用を黙認しているためであり、つまり校長の不適切な行為(自治体の個人情報保護条例に反する)が原因です。

校長先生に手紙を書く

伝える方法は文書か、文書と対面の併用がおすすめです。一度くらいは直接話したほうが、誤解が生じにくく、話がスムーズになるのではないかと思いますが、ケースバイケースで対応を。このとき校長先生に、『さよなら、理不尽PTA!』の巻末で紹介する、教育委員会が出した通知や手引きを見てもらうと、より話が通じやすくなるかもしれません。読んでおしまい、ということにされないよう、なるべく文書で回答を求め、ある程度余裕のある期限を添えましょう。

伝える相手は、教頭先生でもよいのですが、最終的な判断をできるのは校長先生なので、最初から校長先生と話すほうが、おそらく早いかと思います。

なお、自動強制加入のPTAで「そもそもPTAに入っていない」と伝えるときは、退会届を出さないでください。以前ある裁判で、保護者が退会届を提出したことが「PTAに入っていた」と認定される根拠の1つとされてしまったからです。

PTAの理不尽は現役役員のせいではない

1点、筆者からのお願いですが、会長・役員さんや管理職の先生とやりとりするときは、どうか、喧嘩腰で挑まないでもらえたらと思います。一般社会の常識からすると「なんじゃこりゃ⁉」と思うようなことでも、PTAや学校では「当たり前」のこととして、何十年も引き継がれてきたことだったりするので、現任の役員さんや先生だけを責めるのは、気の毒なところがあります。それに、改革・改善途上のPTAも意外と多いのです。なるべく淡々と問題を指摘して、あとの判断は相手に委ねる、というくらいがよいのではないかな、と思います。

No image

イラスト=おぐらなおみ 『 さよなら、理不尽PTA! 』より

PTAの改革・適正化はいつ促してもかまいません。ただし、子どもが入学したばかりで、まだPTAに入っていない(入会届を出していない)ときと、既にPTA会員として会費を納めたり活動したりしてきた場合とで、できることは異なります。

会費の自動引き落としは拒否する

入会届を出していないのに、学校がPTA会費の集金袋(児童生徒の名前入り)を配ったり、会費を勝手に引き落としたりしたときは、「PTAに加入した覚えがない」「引き落としに同意した覚えがない」ということを、校長先生にお手紙などで伝え、入会届を配布することや、引き落としの同意書をとることを求めてもいいでしょう。

この場合はおそらく、学校に伝えた銀行口座や、学校が管理する児童生徒の名前が、PTA会費を徴収するため無断流用されているので、個人情報の取扱いが不適切です。

もしPTAに入らない予定なら、この時点で「入らない」と伝えてもいいですし、あるいは事前に、会費を勝手に引き落とさないよう伝えておいてもいいでしょう。加入を検討中であれば、このときに会費の使途(決算書)などの確認を求めるのもいいと思います。

恐怖のクラス役員決めには参加しない

クラス役員決めについても、入会届を出していないのに参加を求められた場合は、「PTAに加入した覚えがないので出席しかねる」と伝え、校長先生に入会届の配布を求めるといいかもしれません。「希望しない人に活動を強制しないでほしい」または「活動が強制なら加入しない」と伝えるのもいいでしょう。

No image

イラスト=おぐらなおみ 『 さよなら、理不尽PTA! 』より

タイミングはいくつか考えられます。どの委員をやるかという調査票(アンケート)が配られた場合は、その提出時でもいいですし、あるいは「入学式や保護者会の後にクラス役員決めをします」というお知らせを受け取ったときに伝えてもいいと思います。

いずれにせよ、加入前なので、PTAでなく校長先生にお手紙等で伝えればいいでしょう。調査票に記入して提出するだけだと見落とされてしまうことがあるので(筆者が経験済みです)、別の紙に用件を書き、「校長先生宛て」と明記するのがおすすめです。

No image

大塚玲子(著)、おぐらなおみ(イラスト)『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)

当日に言いだすのは、できれば避けたほうがよいと思います。クラス役員決めが始まってから、特にクジやじゃんけんで役にあたってから「PTAに入っていない」と言うと、おそらくまず揉めます。役員決めが始まる前に退席しましょう。

もし後で、先生や役員さんから電話で委員をやるように求められた場合は、電話番号をどこから入手したか確認を。学校からとしか考えられませんが、もし学校がPTAに個人情報を提供することについて、あなたが同意していないのであれば、学校の個人情報の取扱いが不適切です。後日、校長先生に連絡をして、改善を求めるのがよいかと思います。

なお、PTAに入らない予定ならそのままでよいのですが、もし「クラス役員をしなくてよいならPTAに入りたい」と考えている場合は、その旨も伝えましょう。

誰もが役員になって組織改革ができるわけではない

ときどき「PTAを変えたいなら、役員になって自分で変えろ」という声を聞きますが、誰もが役員になれるわけではありませんし、誰もがそこに時間や労力を費やせるわけでもありません。「政治に不満があるなら、議員になって自分で変えろ」と言われたら、「いや、そこまではちょっと」と困惑する人が多いと思いますが、それと同様でしょう。

----------
大塚 玲子(おおつか・れいこ)
ノンフィクションライター、編集者

1971 年生まれ。東京女子大学文理学部社会学科卒業。PTAなどの保護者組織や、多様な形の家族について取材、執筆。著書は『ルポ 定形外家族』(SB新書)、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』(太郎次郎社エディタス)ほか。共著は『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『ブラック校則』(東洋館出版社)など。東洋経済オンラインで「おとなたちには、わからない。」、「月刊 教職研修」で「学校と保護者のこれからを探す旅」を連載。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。

----------

大塚 玲子

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加