
大の里(右)は一山本にはたき込みで敗れる(撮影・小沢裕)
<大相撲秋場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館
東十両14枚目の大の里(23=二所ノ関)が今場所初黒星を喫し、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降の新十両として、史上初の初日から10連勝はならなかった。1敗の一山本に、長いリーチののど輪で上体を起こされた。大の里は右ハズでのど輪を外し、反撃に出たが、一山本に左に回り込れると、足がついていかずにはたき込まれた。「負けたので、切り替えてまた明日(11日目)から。明日から5日間、エンジンをかけ直して、集中力を高めてやっていきたい」と、自らに言い聞かせるように話した。
前日9日目は千代丸を寄り切り、新十両として歴代1位となる初日から9連勝を飾った。初日から9連勝の新十両は、53年初場所の成山、08年九州場所の翔天狼に次いで3人目だった。新記録が期待された土俵は、十両優勝を争う相手に、立ち合いで1度突っかけられるなど、緊張感が高まっていた。そんな中で新記録を樹立できなかったが「15日間全勝する方が難しい。記録をつくりにきたわけじゃない。1日でも早く、上(幕内)に上がることが目標」と、気にしている様子はなかった。
十両優勝争いの先頭は変わらないが、この黒星で、一山本と1敗で並んだ。15戦全勝なら、幕内から十両に陥落する力士の数にもよるが、来場所の新入幕の可能性もあった。1敗したことで、来場所も十両で取ることが決定的。ただ、まだ初土俵から3場所目。「反省すべき点はたくさんある。初めての15日。最後の5日間、頑張ります」。昨年まで日体大で2年連続アマチュア横綱で、まだ、まげの結えないざんばらの大の里は、この黒星を成長の糧にすると誓っていた。