「涼宮ハルヒ」9年ぶりの新刊は「毎週、書きあがった分を......」スニーカー文庫編集部を直撃!

「涼宮ハルヒ」9年ぶりの新刊は「毎週、書きあがった分を......」スニーカー文庫編集部を直撃!

  • 文春オンライン
  • 更新日:2020/11/21

ハルヒの最新刊「涼宮ハルヒの直観」が9年半ぶりに発売される――。

【画像】いとうのいぢが描くSOS団は健在。

そのニュースは一瞬で日本中に広がり、SNSのトレンドを埋め尽くした。「まさか生きている間にハルヒの続きが読めるとは」という一見大げさな反応も1つや2つではなかった。

「涼宮ハルヒ」は、破天荒な美少女・涼宮ハルヒが高校の仲間たちを集めて作った「SOS団」が日常と非日常を往復する超人気シリーズ。11巻時点で全世界シリーズ累計2000万部を突破し、前作「驚愕」の51万3000部というライトノベル史上最多の初版部数は現在も破られていない。ライトノベルの世界を飛び出しSFの金字塔でもあり、大ブレイクのきっかけとなった2006年のアニメ放送は今も語り草だ。

そんな「涼宮ハルヒ」シリーズだが、前作「驚愕」の発売からはすでに9年半が経過していた。ファンのどれほどが新刊の発売を信じていただろう。それだけに、10度目の夏休みが終わろうとしていた8月31日の新刊発表は衝撃的だったのだ。

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11月25日に発売されるシリーズ最新作「涼宮ハルヒの直観」

そこで角川スニーカー文庫編集部に取材を申し込むと、書面でのインタビューが実現。その回答は、「ハルヒの新刊が出る!」というファンとまったく同じ高揚感に満ち満ちていた。

完成は2020年の夏

――新刊発売おめでとうございます……というより、ありがとうございます。「涼宮ハルヒの直観」、どんな執筆過程を経てこのタイミングでの完成となったのでしょうか。

「新刊は3編構成で、2013年刊行の画集『ハルヒ百花』に収録された短編『あてずっぽナンバーズ』、2018年にスニーカー文庫30周年を記念して発売したムック『ザ・スニーカーLEGEND』に収録された中編『七不思議オーバータイム』、そして、完全書き下ろし長編で『鶴屋さんの挑戦』が収録されています。

2018年の中編完成後に『鶴屋さんの挑戦』の構想を練りながら少しずつ書き溜めて、2020年初夏に脱稿されました。

――谷川先生は原稿を一気に書き上げられるんでしょうか、それとも少しずつ書き進めていくタイプなのでしょうか。

「毎週、書き上がった分をいただいていました。

今回の新刊のために書き下ろした『鶴屋さんの挑戦』は、鶴屋さんから届くメールに従ってハルヒたちが謎を解き明かしていくお話です。まるでそのストーリーのように、少しずつ原稿が到着するたびに、谷川先生からの挑戦状が届くような気持ちでワクワクと謎解きをしていました。読者の皆さんにも同じようなワクワクを感じてほしいと思っています」

帰ってきた! でも新しい!

――担当の方が「直観」を読み進めている時の感想を一言にするとどんな表現になりますか?

「ハルヒたちが帰ってきた! でも、新しい! です。

懐かしいSOS団のメンバーとの再会が心地よいとともに、『涼宮ハルヒ』シリーズの新しい一面に触れられた! という感激があります。

3編を通してはミステリ調の横串が刺さっていて、長編ではSOS団といっしょに謎解きゲームに参加している感覚になってほしいです。文章の隅々に張られた伏線を拾い、謎が解き明かされた時の爽快感も味わえます。何度読んでも新しい発見があり、毎回違う情景が浮かぶところが最高ですね」

――「直観」は時系列的にはどのあたりのお話なのでしょう。「驚愕」よりも前ですか? それとも後?

「『あてずっぽナンバーズ』はキョンたちが1年生の新年のお話ですが、『七不思議オーバータイム』『鶴屋さんの挑戦』は、『驚愕』の物語よりも少しだけ後の時間です。キョンが高校2年生の夏になるより少し前、くらいの時期です」

――「直観」では新たなハルヒの髪型やみくるの衣装などは登場しますか?

「『あてずっぽナンバーズ』は初詣の話で、ハルヒもみくるも長門も振り袖を着ています。それからキョンと古泉の男子2人も……。

また、新しいキャラクターが1名、登場します。非常に個性的なキャラクターですので、ぜひお楽しみに!」

――「直観」の発表が8/31だったのはやはり、「エンドレスエイト」を意識されていたんですよね。

「ご推察の通り『エンドレスエイト』から抜け出すと待望の新刊が予約できる! というストーリーを意識して解禁日を設定しました」

――「驚愕」のあとがきで谷川先生が「何だか突然、意味もなく何もできなくなったとしか言いようがなく、正直一般生活にも支障が出るくらいでしたが」と書かれていて心配していました。最近の谷川先生はいかがお過ごしでしょうか。

「ミステリー好きの担当編集とお勧めミステリーのやり取りをするなど、古今東西のミステリー小説を広く読んでいらっしゃいました。そのエッセンスは、新刊を読んだ方にも伝わると思います」

これが最後ではない!

――続刊についての執筆予定はありますか?

「読者の皆さんと同じく、またそれ以上に編集部全員が続編を読むのを楽しみにしています。谷川先生への応援や感想をお届けいただけますと幸いです!」

――新刊が出るとお伝えした時、イラストレーターのいとうのいぢ先生はどんな反応でしたか。

「『おめでとうございます!』と、とても喜んでくださいました。挿絵を決めるときも『きっとここで挿絵がきたほうが面白い!』と物語を読み込んでアイデアをいくつも出しながら、今巻もハルヒやSOS団を溌剌と描いていただきました。収録されているイラストも、ぜひ楽しみにしてください!」

――9月1日から始まった先行予約の勢いはどうでしょう。カバーがイラストではない新装版の影響など、読者層の広がりは感じますか?

「早くからたくさんの予約を頂戴していて、読者の待ちわびている雰囲気をひしひしと感じています。角川文庫からの新規読者はもちろん、今回の新刊発表を聞いて新たに1巻を読み始めたという声も届いています」

広大なハルヒワールド、おススメの入り口は?

――「直観」で話題になって初めて興味を持った「ハルヒ」入門希望の人も多いと思うのですが、アニメや小説など、どこから入るのがオススメですか?

「1巻刊行から17年になるシリーズで、原作やアニメ・コミックはもちろんゲームや音楽で接点をもってくださる方も増えています。ただ入り口としておススメしたいのは、なんといっても小説『涼宮ハルヒの憂鬱』(1巻目)です。

エンタメ小説の最高峰で、10代でもとても読みやすいと思います。もちろん、アニメも歴史に残る作品ですので、アニメから小説、小説からアニメと行ったり来たりすると、さらに『ドハマり』できると思います。ぜひ手近な入り口からハルヒの世界をのぞいてみてください」

「涼宮ハルヒの直観」は11月25日に発売される。「果報は寝て待て」……と言っていたら団長に怒られるだろうか。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

「文春オンライン」特集班

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