CXOが昼過ぎまで出社せず、夜型体質な企業・部署→正直「だらしない」と思うぞ

CXOが昼過ぎまで出社せず、夜型体質な企業・部署→正直「だらしない」と思うぞ

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  • 更新日:2023/09/19

CXOが朝来ない(昼頃出社する)から、その組織全体が朝ほとんど誰も仕事せず、夜の労働スタイルが常態化~朝型の人が辛い/割を食う。そんなスタートアップ企業(人数は100名を超えている)を見た。いくらフレックスタイム制を敷いているとはいえ、正直どうなんだろう。

夜間がビジネスアワーであったり、グローバル企業で海外の時間にあわせなければいけないなどの事情があるならさておき、そうでないなら正直組織として「だらしない」と思う。このケース、2つの問題があると僕は考える。

1.CXOとして不適格では

プレイヤーならさておき、部門の代表でありボードメンバーであるCXOが昼過ぎないと稼動しないって正直組織としてどうなの? その間、経営としての意思決定も、部内のワークフローも止まる訳で、なおかつ組織全体に対する影響も大きい。

毎日朝からいる必要はないかもしれないが、単に朝起きられないなどの理由で昼近くまで稼働しないのであれば問題だろう。少なくとも経営責任を負っている職位の人なのだから、ライフスタイルを改めてもらうなどする(それができないなら降格、入れ替え)など検討すべきである。

そういえば、いわゆるJTC(日系老舗大企業)は、CXOはもちろん部課長も朝きちんと出社orテレワークで稼働できる人しか登用されない傾向にあると感じる(もちろん毎日でなくても良いし、理由があって朝遅い人もいるが)。スタートアップやメガベンチャー企業なども、そういうところはJTCをきちんと見習った方が良いと思うぞ。

それでもやむを得ない健康上の理由などがあり、なおかつその人物をCXOに登用し続けたいのであれば、せめて出社しなくても仕事や意思決定できるような仕組み(テレワーク併用)、プロセス、ルール、カルチャーに改めるべきでは? 起き抜けに、布団の中からでも仕事はできる。

2.組織内の権限移譲に問題あり

もう一つ。CXOが来ないと仕事が回らない組織運営や業務プロセスにも問題がある。
組織内の権限設計や権限移譲、および人材育成などが機能不全。それらが機能すれば、別にCXOの出社が遅かろうが、メンバーそれぞれのライフスタイルの時間軸で仕事が回るようになる。

あるいは、そもそも皆(特に中間管理職)がトップの顔色を窺って仕事をしているカルチャーになってしまっている可能性も否めない。
いわゆる大企業病の始まりである。

(大企業病はスタートアップや中小企業も罹患するから要注意。自覚症状がないぶん、JTCの大企業病よりある意味タチが悪い)

こうなると内向き、トップのYesマンしか量産されず、いよいよ組織として同質化が進み不健全になる。ライフスタイルの多様性などとは、別の意味でヤバい。

3.多様性を尊重しよう

正直この手の企業は、フレックスタイム制が単なる夜型の人たちの暗なる同調圧力になっていると考える。

同じライフスタイルの少人数だけで合意の下で回している組織ならさておき、30名を超えて、50名を超えてと人数が多くなったら(あるいは人数を増やしたいなら)そうもいかないだろう。

・子育てをしていて、8時~16時などの朝型で稼働したい人
・家族やパートナーが9時~17時勤務で、そのスタイルに合わせたい人
(夜遅いしわ寄せがすべて家族やパートナーに。家族やパートナーに失礼→自社さえ良ければそれで良いんですか?企業の社会的責任とは)
・地方都市勤務者
(地方都市では朝型が生活リズムになっているケースも珍しくない)
・40代以上のミドル・シニアな人
(40代近くなると、それまでの夜型生活による食生活の乱れなどが災いしてガタっと身体やメンタルを崩す人、周りにも少なくありません!)

このような人たちが正しく組織に参画し、活躍できるか?
「当社は昼から稼働の会社です」と説明し、その条件を呑んだ人だけを採用しているならさておき、そうでない(かつ上記のような人たちを採用している)なら無責任かつ無思慮(度が過ぎると失礼)すぎる。

4.その組織カルチャー、きちんと治そう! 組織開発しよう

この手の企業は、創業メンバーだけでわちゃわちゃやっていた時期からマネジメントもスタイル(呼吸)も変わっていないのだと推察する。

少人数だけでやっているステージならまだ良いかもしれない、20代や30代のメンバーだけでその時の快適なライフスタイルや気合・根性で走りつづけられるならそれでも良いかもしれない(今は良くても、年齢重ねてからしんどくなったりするよ。ホント)。

しかし、組織を大きくしたいなら、なおかつさまざまなライフステージや事情のある人たち、さまざまな地域の人たちを採用し共創していくのならば、そのマネジメントやカルチャーはどこかで正さなければなるまい。

夜型偏重、かつ朝型(というより世間一般的な9時~17時のリズム)で仕事をする人が割を食う、肩身の狭い思いをするのはやっぱりおかしいし、組織として「だらしない」と僕は思う。いわゆる、マネジメント不全に陥っている。

ダイバーシティ&インクルージョン、ワークライフバランス。本当に大事。持続可能な組織にしていきたいならば、だけれども。

組織の成長フェーズ、拡大フェーズに応じて、組織開発しよう。しなさい。
(良ければ顧問します)
大企業病に陥る前に…… 組織開発の発想がない組織は、どこかでガタが来る。

https://book.impress.co.jp/books/1122101186

https://cx.hamamatsu-ws-lab.com/

https://www.subarusya.jp/book/b619927.html

https://gihyo.jp/book/2022/978-4-297-12629-2

https://gihyo.jp/book/2021/978-4-297-12016-0

https://lounge.dmm.com/detail/3624/index/

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沢渡あまね

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作家/ワークスタイル&組織開発。あまねキャリア代表取締役CEO/浜松ワークスタイルLab取締役(組織変革Lab主宰)/NOKIOO顧問ほか。パラキャリ&多拠点人材。著書『職場の問題地図』『新時代を生き抜く越境思考』『バリューサイクル・マネジメント』他。#ダム際ワーキング 推進者。

沢渡あまね

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