
ウィズコロナ時代にあって、すっかり定着したテレワーク。面と向かってコミュニケーションがとれない中、ビジネスパーソンに求められているのは「伝わるメールを書く力」だろう。『テレワークで人を動かすリーダーのメール術』を上梓したばかりの吉田幸弘氏は、「件名」に気を配ることが大切だと語る。良い例、悪い例を挙げながら、覚えておきたいポイントを4つにまとめてくれた。
「自分のことだ」と思わせる
人は、メールのどこを見て「読む・読まない」を判断するのでしょうか。

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本文の見た目も重要ですが、それ以前に開封してもらえるかどうかが大切です。いつかは読んでもらえるとは思いますが、なるべく早く開封してほしいですよね。
開封するかどうかの基準は、差出人と氏名です。
しかし、差出人が何度もやり取りしている相手で重要度が高いとわかっている相手ならまだしも、「大した用件ではない」「あとでいいや」と思われてしまったら、なかなか開封してももらえません。
また「あとでいいや」と優先順位を外されると、「明日でいいや」となり、そのまま忘れられてしまう可能性もあります。
そこで「件名」が大事なポイントになってきます。
開封してもらえる件名にするには、相手が「自分ごと」だと思える言葉、相手の興味を引く言葉にすることです。
読んでもらえる件名をつける人は「相手に何をしてほしいのか」「何のことに関するメールなのか」が明確になっている上で、さらに数字や記号などを使っていてわかりやすいという特徴があります。
件名を見ただけで、何の話かパッとわかるのです。
たとえば「打ち合わせの件」「お疲れ様です」「お願い」「先日の件」といったタイトルですと、本文を読まないと思い出せないことも多いでしょう。
最近では、このような件名のスパムメールも増えてきています。何の件かすぐに判断できない件名にしてはいけません。
日時と内容を具体的に書く
では、どのように作成していけばいいか説明します。

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ひと目で内容が伝わる件名をつけるには、「何の件」「いつの件」「自分がしたいこと」「相手にどうしてもらいたいか」などを具体的に表現することです。
具体的には以下の4ポイントを押さえてください。
(1)いつのことなのか、日時を具体的にする
相手は受信後即座にメールを開封するとは限らないため、明日などとは書かないほうがいいでしょう。
× 2月度オンラインセールスセミナーのお知らせ
〇 2/21(水)オンラインセミナーのお知らせ
× 明日の会議の件
〇 明日1/17の会議の件
(2)何のことなのか、固有名詞を交えて書く
差出人・会社名・部署名・日付などの情報を入れることによってより具体化します。
× 宴会プランのご見積もりに関しまして
〇 △△社(2/27)宴会プランのご見積もりに関しまして
× コンペに関する打ち合わせ
〇 ■■社 2022年度営業コンペに関する打ち合わせ
× 来期の商品開発に関しまして
〇 来期の男性用化粧品のラインナップに関しまして
× 先ほどの件
〇 B社価格変更の件
件名は短く、用件は明確に
(3)件名は短くする

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相手のPC環境によっては、長すぎる件名は途中で省略されてしまいます。そうでなくても、長い件名では読む気になりません。あまり長くなりすぎず、せいぜい25文字以内程度にしましょう。
× 5月21日商品番号00-7365 カートリッジに関するお問い合わせ
〇 5月21日注文商品 カートリッジに関しまして
(4)どうしてほしいのか、用件を明確にする
さらに、件名に【ご相談】【ご報告】【お知らせ】【情報共有】など用件を記号で囲んで送ると、相手は自分にどうしてほしいのかがわかりやすくなります。【】《》などの記号を使うと目に入りやすいのでおススメです。
また、うっかり間違った内容を送ってしまった場合は、再送の際に注意喚起のために【訂正】をつけ、添付ファイル漏れがあった場合も【再送信】というタイトルをつけると、丁寧な印象を与えられます。
こうすることで、どれが正しいメールなのか、相手もひと目でわかるようになるので、読む側の混乱を防ぐ気づかいとなります。
メールラリーとなってしまった場合などには【返信不要】も相手への気づかいなので、使っても問題ないでしょう。
