ガーシー前参院議員、脅迫罪の常習性は否定 東京地裁で初公判

ガーシー前参院議員、脅迫罪の常習性は否定 東京地裁で初公判

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2023/09/19
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"成田空港から移送されるガーシー(本名・東谷義和)被告=2023年6月4日午後6時、千葉県成田市、伊藤進之介撮影"

ユーチューブ上で俳優ら4人を繰り返し脅迫したなどとして、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)、名誉毀損(きそん)、証人等威迫などの罪に問われた前参院議員のガーシー(本名・東谷義和)被告(51)の初公判が19日、東京地裁であった。東谷被告は「起訴状に書いてあるような発言をしたことは間違いありません」と述べた。弁護人は「常習性はなかった」として起訴内容の一部を争う姿勢を示した。

成田空港から移送されるガーシー(本名・東谷義和)被告=2023年6月4日午後6時、千葉県成田市、伊藤進之介撮影

東谷被告は白いシャツに黒いスラックス姿で法廷に立った。冒頭に「3カ月あまり罪の償い方を考えてきて、今はその途中です。被害者の方々に多大な精神的苦痛と経済的損害を与えた」と述べ、傍聴席の方を向いて「本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げた。

■「暴露系ユーチューバー」から参院議員に

起訴状などによると、東谷被告は昨年2~8月、ユーチューブに投稿した動画で、俳優について「明日暴露するネタはほんまに激震走ると思います」、デザイナーについて「このブランドやめるまでたたこうと思ってます」、実業家について「俺は言論の自由を推し進めてるから、誹謗(ひぼう)中傷もOK」「それをお前らの家族にも向けて」などと発言して、繰り返し脅迫したとされる。デザイナーには店舗を閉鎖させるなどして会社の業務も妨害。俳優の所属事務所代表も脅迫するなどしたとされる。

さらに、俳優とデザイナーから警視庁に告訴状が出されていると知った今年2月には、告訴を取り消させようとインスタグラムや動画配信サービス「ツイキャス」で威迫。俳優には「裁判出てくるってことがどんだけタレントとして致命的か、よう考えて出てこいよお前」、デザイナーには「子供や奥さんにどんだけ迷惑かけるかってこと、よう考えろ、カス」などと発言したとされる。

東谷被告はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに滞在し、「暴露系ユーチューバー」として活動。芸能界などの「裏話」を動画サイトで配信していた。同国に滞在したまま昨年7月の参院選にNHK党(当時)から比例区で立候補し、初当選した。

しかし、帰国せずに国会欠席を続け、今年3月に1951年以来となる除名処分が決まって議員資格を失った。

警視庁は著名人への脅迫容疑などで強制捜査に乗りだし、3月に逮捕状を取得。外務省は旅券返納命令を出し、旅券も失効した。警察当局によるUAE側への働きかけもあり、6月に急きょ帰国し、逮捕された。(田中恭太)

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