日本のプロ野球だけでなく、メジャーでも怪我人が続出...原因は一体何なのか?

日本のプロ野球だけでなく、メジャーでも怪我人が続出...原因は一体何なのか?

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  • 更新日:2021/06/10
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6月8日の試合で負傷退場した日本ハムの中田翔 (c)朝日新聞社

開幕から約2カ月半が経過した今年のプロ野球。今季は阪神の佐藤輝明がルーキーらしからぬ打棒を披露するなど、話題には事欠かないが一つ気になることがある。それは、各チームともに負傷者が続出していることだ。

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6月8日にも日本ハムの中田翔が、走塁中に腰を痛め途中退場となった。報道によると急性腰痛と診断され、実戦復帰までに約3週間かかる見込みとなっている。

各チーム離脱する選手が目立つが、特に多くの負傷者が出ているのが西武。開幕早々に主砲の山川穂高、ベテランの栗山巧がともに脚の怪我で登録抹消となると、その後も外崎修汰、山野辺翔、若林楽人らが立て続けに故障で離脱し、辻発彦監督も「もう選手がいなくなるよ」と嘆くほどの惨状になっている。

巨人の坂本勇人がヘッドスライディングの際に右手親指を骨折したように、プレー中のアクシデントは仕方がない。とはいえ、コンディション不良が起因となった離脱も多く、今シーズンは選手たちに異変が起きているように思えてしまう。

これは、決して日本だけに限ったことではない。米国でも負傷する選手が増加傾向にあるのだ。メジャーリーグの名物記者であるケン・ローゼンタール氏によると、2019年の開幕から1カ月と、2021年の開幕からの1カ月を比べると、実に故障者リスト(IL)入りした選手の数は15パーセント上昇しているという。

現在メジャーでプレーする日本人選手では、前田健太(ツインズ)が右足内転筋の張りで、有原航平(レンジャーズ)が右肩の動脈瘤手術を受け、ともにILに入っている。また、既に戦列に復帰している選手もいるが、開幕から野手ではコディ・ベリンジャー(ドジャース)、マイク・トラウト(エンゼルス)、フェルナンド・タティス(パドレス)、クリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)、ブライス・ハーパー(フィリーズ)、投手ではジェイコブ・デグローム(メッツ)、スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)、コリー・クルーバー(ヤンキース)ら名前を挙げたらキリがないほど、メジャーを代表する多くの選手が怪我で一度は戦列を離れている。

理由としては様々なことが考えられるが、コロナ禍のため昨季の試合数が通常の162試合から60試合に短縮されたことが原因だと主張するのが、自身も左肘の負傷で離脱した救援左腕のザック・ブリトン(ヤンキース)だ。

米紙ニューヨーク・タイムズ(6月3日付)のウェブサイトによると、ブリトンは「(負傷が増えたのは)2020年の短縮されたシーズンと大きく関係がある。打者は恐らく(通常のシーズンと比べると)400打席は少なかっただろう。打席でビルドアップする機会を失ってしまった。これは投手もイニングをこなせず一緒で、(試合がなかった)マイナーリーガーにも当てはまる。今は元(通常の162試合)に戻ったことで、プレーの量が増え、それが体にとって負担となっている」と述べている。

また、ブルワーズのマット・アーノルドGMや、パドレスのジェイス・ティングラー監督も、コロナ禍による変則的な日程から通常のシーズンに戻ったことで、選手たちがコンディションを整えるのに苦労し、怪我が増えていると語っているようだ。

日本のプロ野球も昨年はメジャーほどの試合数減とはならなかったが、143試合が120試合に短縮された。さらに、開幕も遅れたことで日本シリーズは11月の下旬に行われるなど、大きなスケジュールの変更があった。オフシーズンの期間も短くなり、コロナ禍で海外渡航も制限。通常どおりの時間を過ごせなかったことで、選手たちが新シーズンに向けてのコンディション調整に苦しんだのは一緒と言えるだろう。

ただ、コロナ禍による不規則なシーズン以外にも原因があるという見方もある。米紙ニューヨーク・ポストのウェブサイト(5月19日付)は、ア・リーグ球団の幹部の意見として以下のようなコメントを載せている。

「スイングも大きくなれば、労力も大きくなる。投球も以前にもましてエネルギッシュになった。今は多くの選手が楽にプレーをすることができない。また、体の動きを毎回確認するのが良いとされ、打撃練習の時でさえも全力を出している」

このようにパワー偏重の野球が怪我人増加の原因だという分析もある。近年米国ではフライボール革命がリーグを席巻するなど、パワーを重視した野球が良しとされ、投打ともに力に頼ったプレーが増えつつある。だが、これが選手の体に必要以上に負荷をかけている可能性も否定できないだろう。

イチローが引退会見で「日本の野球はアメリカに追従する必要はない」と語ったものの、日本のプロ野球界ではメジャーのトレンドを次々に取り入れる傾向がある。パワー偏重の野球も例外ではなく、最近では選手の体も大型化している。必ずしも悪いことではないが、どうしても必要以上に体を大きくすると、怪我が増えるリスクもあるはずだ。

今回、日米の野球界で負傷する選手が増えているの原因は決して一つではなく、様々な要因が絡みあっているのは間違いない。各選手ごとに理由も違うだろうが、怪我で選手が離脱するのはファンにとって一番見たくない場面。コロナ禍の中でのプレーは難しさもあるが、一人でも多くの選手がハツラツとしたプレーを見せて欲しい。

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