
遠藤作品への思いや撮影エピソードを語る窪塚さん=長崎ブリックホール
作家の故遠藤周作の代表作を米国のマーティン・スコセッシ監督が映画化した「沈黙-サイレンス-」(2016年)の上映会が16日、長崎市茂里町の長崎ブリックホールであった。出演した俳優、窪塚洋介さん(44)のトークショーもあり、約650人が「沈黙」の世界を堪能した。
映画は、キリスト教弾圧下の江戸時代初期の長崎を舞台に、ポルトガル人宣教師や隠れキリシタンの信仰心を巡る葛藤などを描いた。この作品でハリウッドデビューを果たした窪塚さんは、宣教師を裏切る日本人キチジローを演じた。
遠藤の生誕100周年事業の一環で、市が上映。トークショーで窪塚さんは、出演をきっかけに遠藤作品を読み、人間性に引かれたとし、「海と毒薬」や「深い河」などの作中の言葉を引用しながら魅力を紹介。「僕は先生の作品に自分の芯や核の部分を見つけられる。言葉やその背景が、深く自分を知る手助けになる」と思いを語った。
観客の質問にも答え、自身の考え方や撮影時の裏話をユーモアを交えて語った。