東京の「梅田」どんなとこ? 下町の裏道ゆく都バス「草41」 終点は妙な位置に

東京の「梅田」どんなとこ? 下町の裏道ゆく都バス「草41」 終点は妙な位置に

  • 乗りものニュース
  • 更新日:2020/10/17

東京の「梅田」は足立区にある

JRの大阪駅をはじめ、複数の私鉄がターミナルを構える大阪キタの中心地「梅田」。実は同じ地名が東京にも存在し、その名を冠した行先の都営バスが走っています。

そのバス路線は、浅草寿町と足立梅田町を結ぶ「草41」系統です。始発の浅草寿町バス停は、浅草の中心地からやや外れた東京メトロ銀座線 田原町駅近くに、そして目指す「東京の梅田」は、行先名の通り足立区にあります。

浅草寿町を出たバスは北西の方向へ進み、入谷鬼子母神バス停で東京メトロ日比谷線、鶯谷駅で山手線、三河島駅で常磐線と、そして町屋駅で京成本線および東京メトロ千代田線などと接続します。

このバス路線は、いわば幹線道路の国道4号や明治通りから外れるルートで、鉄道だけではやや移動しづらい、山手線から各方面へ放射状に延びる複数の鉄道路線をつないでいます。

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足立梅田町のバス折返所(2020年4月、乗りものニュース編集部撮影)。

町屋駅を出ると尾竹橋で隅田川を渡り、さらに西新井橋で荒川を渡ると、その土手上でバスは右折し、土手下の通りにつながるスロープを駆け下ります。ここからは、下町風情が残る狭い道へ。歩道もほぼなく、バス停は沿道の建物ギリギリのところに置かれています。それからバスは歩行者や自転車を避けながら進むこと10分弱で、終点の足立梅田町に到着します。

この「足立梅田町」は古い住所表記で、現在、バス停の所在地は足立区梅田5丁目になっています。足立区の「梅田」は1丁目から8丁目まであり、おおよそ、荒川に架かる西新井橋と千住新橋の北側一帯を指します。昭和のアイドルグループ「キャンディーズ」の田中好子さんの故郷であるほか、さらに北の梅島地区は、ビートたけしさんの地元です。

地名の由来は大阪と同じ? 足立梅田町止まりのワケは

梅田の地名の由来は、もともとこのあたりが低湿地帯で、それを埋め立てて田にしたことから「埋田」、転じて「梅田」になったといわれています。大阪の梅田と同じ成り立ちといえるでしょう。

ただ足立梅田町のバス停は、「なぜここが終点?」という中途半端な感じを覚えるかもしれない場所にあります。バスが3台停まれる草41専用の折返所を備えていますが、周囲は大小のマンション、戸建てが立ち並ぶ東京の典型的な住宅街といった趣で、特に何かあるわけではなさそうです。なお、道自体はバス停からさらに北へ続いており、東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の梅島駅までは徒歩6分ほどという位置にあります。

その不思議な位置関係は、都営バスの路線図を見るとよりハッキリします。すぐ近くを「王49」系統(王子駅前~千住車庫前)が走っており、足立梅田町からあと300mほど進めば接続できるという位置にあるのです。しかも、両路線とも千住営業所が担当しており、ときおり足立梅田町から千住車庫への回送便も走っています。

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足立梅田町が終点の草41は、近くを走る王49などと接続しない(画像:東京都交通局)。

その理由を探るべく、足立梅田町のバス停が開設された1950年代の現地の状況を調べてみました。

梅田地区は戦災を免れ、戦後間もない頃にはすでに住宅が密集していました。現在、バスの終点からひとつ目の信号がある交差点は、2000年代までT字路になっており、交わる道路は狭く、バスが入るのは困難だったと見られます(中型車で運行していた頃は回送路に使用)。

またバス折返所のはす向かいには現在、周囲でも目立つ大型マンションが立っていますが、足立区によると、ここはかつて田辺製薬(現・田辺三菱製薬)の工場だったそうです。梅田地区の中心部を貫く道路を、バスが走れるところまで乗り入れ、それが田辺製薬の工場前だった、といえるのかもしれません。

大きく変貌を遂げた「足立梅田町のちょっと先」

足立梅田町バス停から信号ひとつ目の交差点は、前述のとおり以前は丁字路でしたが、現在は都市計画道路「環七南通り」が横切り、直進方向は「亀田トレイン通り」という愛称で西新井駅方面へ続いています。

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亀田トレイン通り。かつての東武鉄道西新井車両工場の跡地(2020年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

実はこの「亀田トレイン通り」は、かつての廃線跡です。2000(平成14)年に閉鎖された東武鉄道西新井車両工場内の線路跡を道路に転用したものですが、その前身は、東武伊勢崎線の本線です。

東武伊勢崎線は戦前、荒川放水路(現在の荒川)の開削に伴い北千住~西新井の線路をやや西側へ移設しています。その旧線跡が、都営バス千住車庫から王49系統が走る「梅田通り」と、「亀田トレイン通り」に当たります。

乗りものニュース編集部

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