35歳以上の転職希望者が「絶対にやるべきではない」NG行動

35歳以上の転職希望者が「絶対にやるべきではない」NG行動

  • 幻冬舎ゴールドオンライン
  • 更新日:2021/10/14
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高齢化で定年年齢が引き上げられたこと、構造改革で人材の流動化が促進されたことなどを背景に、転職者の平均年齢はあがっているものの、35歳を超えたミドル世代では転職の難易度は一気に上がります。そのようななか、ミドル世代が転職を成功させるためにはどうすればいいのでしょうか。「絶対にやるべきではない」NG行動から、成功のポイントを探っていきます。※本連載は、黒田真行氏の著書『35歳からの後悔しない転職ノート』を一部抜粋・再編集したものです。

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以前の転職でうまくいったイメージは捨てたほうがいい

35歳からは安易な転職は決しておすすめできません。転職市場では35歳を超えた瞬間から需要が一気に下がるからです。この流れは40歳、45歳と、年を経ることに強くなっていきます。

転職することで年収が上昇する割合が顕著に低下しはじめるのも35歳からです。景況、業界や専門領域により微妙に異なりますが、意外な落とし穴といえるかもしれません。

特にリーマンショック後の時期に、30歳前後で転職した経験がある人は、転職市場での自分の評価が、予想以上に高かったと感じたケースも少なくありません。

実際、こんな例があります。大手医療機器メーカーで経営企画職をされている39歳のAさんは、34歳で初めて転職活動をした際、とんとん拍子で複数企業から内定が出たり、好条件の年収額が提示されたり、高嶺の花だと思っていた企業からオファーがかかるなど、「自分は世の中からこんなに必要とされているのか」と驚いたと振り返っておられました。

ところが、今の会社の業績悪化に伴い、転職活動を始めてみると、5年前とはまったく違う状況にショックを受ける事態になってしまいました。中途採用市場は、当時よりもさらに活発化していて、Aさん自身のキャリアもミドルマネジメントとして磨きがかかっていたにもかかわらず、です。

5年前には、10社応募すれば5、6社は面接に進めていたものが、今回は書類選考の通過すら難しく、結局20社以上応募して面接に進めたのが3社。しかも、いずれも不採用になってしまったということです。

経営企画が人気職種で、ポジションの割にライバル応募者が多いという事情や、応募している企業が、知名度が高く規模が大きいという理由もあります。ポジションが上がり、以前より年収水準が上がって、希望年収が高くなったこともあります。

ただ、そのどれもが5年前とそこまで決定的な違いがないため、やはり年齢による企業の視線の厳しさが背景にあるとAさんは感じておられました。会社を退職して、いざ転職活動を始めてみると、「募集条件は満たしているのに、30社連続不採用でどうすればいいかわからない」といった転職者からの相談は、今も後を絶ちません。

背景には、採用時に年齢を過剰に重視する日本雇用の特徴があるのですが、仕事を探す側としては、それをしっかり意識しておく必要があります。そのためにも、次の3つに留意しておくことです。

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[図表1]ミドル転職者の3つの注意点

「退職してからの転職活動」はしてはいけない

35歳からの転職は厳しいものになる可能性が高いだけに、まず留意しておいてほしいことがあります。それは、とりわけ初めての転職であればなおさら、在職しながら転職活動をしてほしい、ということです。

仕事をしながらでは忙しいので、会社を辞めてから転職活動を始めたほうがいいのではないか、と考え、まずは会社を辞めてしまう人がいます。しかし、これは危ない。特に、先が見通せない時期、不況が予想される時期は避けることが鉄則です。

実際に新型コロナウイルス騒動のさなかは、企業の採用の多くがストップしてしまいました。また、給与をそれなりにもらっていると自覚しているなど、比較的好待遇の状況にあるのであれば、特に注意をしなければいけません。

なぜなら、それが当たり前の条件になっていたり、何らかのバイアスを強く受けてしまっていることが少なくないからです。「なかなか転職先が決まらない」という厳しい状況を、社内にいて給料をもらいながら体感していない人は、大きなリスクにさらされる可能性があります。

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[図表2]転職活動の実態

いきなり会社を辞めてしまい、収入がストップしてしまったなかで、次の行き先が決まらないと、精神的に追い詰められてしまうことは言うまでもありません。余裕を持った転職活動ができなくなってしまいます。だから、退職してからの転職活動はおすすめしないのです。

そして、自分の思い込みで会社や職種を絞り込んでしまわないこと。できるだけゼロリセットで考えてみる。実際には、直接の経験がなくても、自分の持っているポータブルスキルが活かせる可能性もある。その移動幅が少ないところは、選択肢になりえます。だから、まずは手を挙げてみることです。

「興味があります」「応募します」とアクションを起こしてみる。応募したからといって、ほぼ落ちてしまうのが現実です。先にも書いたように、公開されていない事実上の年齢制限に引っかかってしまうことも少なくないからです。

それこそ、それほど関心のない会社に応募してもいい。もしラッキーにも書類選考に通過すれば、次のステップを経験することができます。会社を見にいくこともできるし、面接も体験できる。実際に話を聞くことができる。転職活動の経験ができるのです。

まずは、最初からいきなり採用されるなどと考えず、このくらいから始めてくださいと私はアドバイスしています。仮に内定が出てしまったところで、断ることもできます。応募したら行かなければいけないわけではないのです。ところが、応募するとほぼ受かると考えてしまう人が多い。とんでもない考え違いだと知る必要があります。まずは、応募してみることです。

転職で取り戻せる確証がないことを退職理由にしない

キャリア相談を始めるにあたり、私自身が心がけていることがあります。それは、単純に「会社を辞める理由は何ですか?」「転職理由は何ですか?」という質問をしないことです。そうではなくて、「何のために会社や仕事を変えようとするのか」という質問をするようにしています。

なぜ転職することになったのか? なぜ辞めようと考えているのか? という表面的な理由よりも、転職の目的や心理的態度を聞くことのほうが重要だと考えているからです。

極論すると、「転職を考えるきっかけになった理由は何か?」ということよりも、「何のために仕事をしているのか」を知ることのほうが大事だからです。仕事に対する自尊心や向き合う姿勢、「自分自身の仕事人生をコントロールする主導権を、自分自身が握っているのかどうか」を把握しやすいからです。

働く個人にとって、会社や組織、ポジション、年収などの条件はとても重要な要素ではあっても、それらの外形的条件に依存するよりも、自分自身が仕事人生の主導権を持って働けるかどうかのほうが、人生の満足度の高さに直結する重要な要素だと私は考えています。

そして知っておかないといけないことは、今の会社を辞めたい理由は転職によって必ずしも取り戻せるとは限らない、ということです。取り戻せる確証がないことを理由にしてしまうと、あとでやっかいなことになります。

たとえば、役職定年が気に入らないから会社を辞めたい。この場合、転職したからといって、役職が付くかどうかはわかりません。業績悪化で給料が下がってしまった。しかし、だからといってそれまでの給料が転職した次の会社で手に入るとは限りません。つまり、会社を辞めたい理由と、転職先を探す条件と、転職先を決める条件はすべて別にしたほうがいい、ということです。

それをざっくり「転職理由」と呼ぶのですが、会社を辞めたい理由なのか、転職先を探す条件なのか、決める条件なのかはすべて違うということを認識しておくべきです。

35歳からの転職では、会社の将来不安、売り上げが下がってきたといった会社まわり、上司と合わない、社長がワンマンといった人間関係まわり、給与が上がらない、昇給しないといったお金まわり、さらには今の仕事を続けていても仕事人として成長できないという声など、さまざまな理由があります。

それらをすべて転職で取り戻そうとすると、おかしなことになる。給料は上がったけれど、慣れない超ハードワークになってしまった、というのは典型例です。大事なことは、どうすればこれから幸せな仕事人生を送っていけるか、ということなのです。個別具体的な「辞めたくなった理由」にこだわらないことです。

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[図表3]ミドル転職者の具体意見

黒田 真行

ルーセントドアーズ株式会社

代表取締役

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