時代を読む、東京ホテルストーリーNo.8「MUJI HOTEL GINZA」

時代を読む、東京ホテルストーリーNo.8「MUJI HOTEL GINZA」

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/05/05
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男女を問わず、社会で活躍するエグゼクティブたちは、魅力溢れる東京のホテルをどのようにお使いだろう。

せめて月に一度くらい、可能なら二度でも三度でも、誰にも邪魔されず、両手を伸ばして深呼吸をするために滞在するのはどうだろう。

東京のホテルは、時に伝統文化や江戸の粋が活かされ、また時には、都会らしい最鋭設備を纏うなど、それぞれが個性的に進化を遂げている。

ゆったりと異空間に身を委ね、すべてを忘れて過ごす癒しの時間。まずは週末、金曜日の夜にチェックインして、日曜の午後まで、別宅で過ごすように、自分独りで夢想に浸るのも今どきの流儀であろう。

ホテルジャーナリスト せきねきょうこ

高級ブランド店や老舗、高級ラインの飲食店などが立ち並ぶ銀座の真ん中に、「アンチゴージャス、アンチチープ」をコンセプトにしたホテルが、2019年4月4日に開業した。

コンセプトから読み解けるものは何か、泊って体感し見えてきたことが幾つもあった。とにかく興味津々、「日本初、無印良品の思想を体現するホテル」の魅力を紐解こう。

まず「無印良品の思想」とはどんなものだろう。良品計画のホームページによると、「無印良品」は、海外・国内合わせて合計1029店舗(2020年8月現在)もあると言うから驚きだ。

その世界展開もしている小売企業と、商業施設やホテル運営会社である気鋭のUDS株式会社がつくりあげたのが「MUJI HOTEL GINZA」である。

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単独店舗として世界最大の旗艦店「無印良品 銀座店」、6階からのホテルにも直結。「無印良品 銀座」が1~5階、レストラン「MUJI Diner」が地下1階。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

無印良品は様々な視点から幾つかの社会的な提案が掲げられている。中でも、「美意識と良心感を根底に据えつつ、日常の意識や、人間本来の皮膚感覚から世界を見つめ直すという視点で、物の本質を探求していく。そして『わけ』を持った良品によって、お客様に理性的な満足感と、簡素の中にある美意識や豊かさを感じていただく」というのが企業理念の核となる「無印良品の思想」だ。

これを知ることで、まずは「MUJI HOTELGINZA」を知る第一歩ともなるはずである。

ホテルは、無印良品の大型である世界旗艦店『無印良品 銀座』の開業と共にドアを開けた。

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石と木で作られたシンプルでスタイリッシュなロビーのカウンター。エレベーターを降りるとみぎに「ATELIER MUJI GINZA」、左にホテルのレストラン「WA」。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

入り口はレンガ通り沿いがホテル独自の入り口であり、1本隣の並木通りに面した無印良品店舗からも入ることができる。

ホテルのフロントとレストラン「WA」のスペースは広く、このロビーエリアは気持ちのいい空間だ。客室は7~10階に全79室が揃う。

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ホテルレストラン「WA」はふるさとの味を提供。写真は昼食の「ごぜん」のひとつ「おさかなととり天おぜん」(1450円)。現在、朝食の提供は土日祝のみ。平日の朝食はチェックイン時に受け取った朝食権を持って1階のベーカリーまで降り、パンを2種選んでレストラン「WA」でコーヒーやジュースなどとともに楽しむ形。(夕食は休業中)(Photo: MUJI HOTEL GINZA)

パブリックスペースとしては、前述のレストラン。さらにホテルフロントと同階に「ATELIER MUJI GINZA」(2つのGalleryとコーヒーやお酒の飲めるSalon、古書や希少本まで揃うLibrary、イベントスペースのLounge)も広がっている。

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ロビー階と同じフロアにある「ATELIER MUJI GINZA」の「Salon」にはバーカウンターが。こだわりのコーヒーや紅茶、クラシックなカクテルも。本棚に並ぶデザインやアートなどの書籍と共に楽しめる。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

客室内はさすがに家具や調度品、食器類など、ほぼ無印良品の商品が用いられている。さらに、無印良品 銀座と同じビル内にあるために、世界一の旗艦店で品揃えの整ったショップで買い物が楽しめる。

1階から5階までを占める店舗には、食料品からライフスタイルのアイテム全般がオリジナル品として並び、ホテル滞在とショッピングの醍醐味は切っても切り離せそうにない。

また地下には、身体に優しく、食べておいしいと謳う「素の食」を楽しむレストラン「MUJI Diner」があり、各地の食文化や調理法に学び、自然の味を引き出せるよう、できる限りシンプルに調理した旬の料理が提供されている。

ホテル滞在、ショッピング、グルメという現代人の求める必須アイテムが館内で揃うのは、前述のコンセプト「アンチゴージャス、アンチチープ」にも集約されているように思える。

そしてもうひとつ、生活必需とは違う、アカデミズムを刺激する「ATELIER MUJI GIINZA」の存在も嬉しい。アートの展示会や「叡智」に触れるイベントが展開される。

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ロビー階のにはイベント開催も行う「Lounge」があり、「Salon」「Gallery」「Library」も含めたこのスペースを「ATELIER MUJI GINZA」と呼ぶ。写真は無印良品のショップに通じるエスカレーター。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

ホテルの内装はスタイリッシュ&ミニマリズム。デコラティブな物は一切ない。ホテル関係者曰く、「建築素材やデザインの『経年変化』(エイジング)を楽しもうと、最初から価値のあるものを厳選して使用している」という。

たとえば、木、石、土など自然素材を中心に用い、驚きは50年前に都心を走っていた路面電車の敷石や、船の廃材なども巧みに取り入れている。

特に印象的だったのは客室内の木の使い方だ。壁、天井、ドアなど四方八方に木材が使われ、バスルーム以外、木に囲まれて過ごす温かみは滞在してみなければわからないことだ。

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間口2100mmの細長い部屋(TYPE C: 24~25平方メートル)は最も多いタイプの部屋。ベッドは眠りと姿勢の研究に基づくマットレスを用い、触感の優しいバスタオルや、自然な眠りに導く照明など工夫。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

「アンチゴージャス、アンチチープ」は、質を求めたシンプルさの原点のようであり、確固たるホテル哲学でもあり、机上の説明ではなく体感することで理解すればいい。近年では、デイユースプラン、テレワークプランも設けている。銀座と言う高級感溢れる街と絶対的な便利さの中で、ビジネスユースは「有り」である。

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「テレワークプラン」用に造られた特別潮用の客室は4室、チェックインは9時、チェックアウト21時、使用料:10000円。(Photo: MUJI HOTEL GINZA)

総支配人の独り言

女性支配人、福島悠氏。「注目度の高かった開業時から2年。当時は外国人客も7割を占めた。今は、コロナ禍でホテルも特別な状態。でも、ここに来てよかった!と思われるよう、ブランドの強さを信じ、無印良品のホテルとしてのチャレンジを常に模索しています」

MUJI HOTEL GINZA

東京都中央区銀座3-3-5

TEL:03-3538-6101

https://hotel.muji.com/ja/

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