「踏んだつもりだったが...」大分商が意外な幕切れで敗退「引きずれば夏に間に合わない」

「踏んだつもりだったが...」大分商が意外な幕切れで敗退「引きずれば夏に間に合わない」

  • 西日本スポーツ
  • 更新日:2023/03/19
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◆第95回選抜高校野球大会2回戦 作新学院8-6大分商(19日、甲子園)

大分商は作新学院(栃木)に敗れ、26年ぶりの春の勝利は届かなかった。9回に2点差まで追い上げ、なお1死一、二塁から走者のベースの踏み忘れによるアピールプレーでゲームセット。右手小指の骨折を抱えながらWBCで活躍するOBの源田壮亮(西武)に勇気をもらい、最後まで追い上げたが、意外な幕切れで涙をのんだ。

幕切れは突然訪れた。4点を追う最終回に大分商が最後の追い上げを見せた。1死から連続四死球と4番羽田野、5番江口の連続適時打で2点差として、なお一、二塁。だが大分商の粘りもそこまでだった。

続く6番丸尾は左飛に倒れ、「プレッシャーをかけたかった」と猛スタートを切った一塁走者の江口は二塁を通過した直後に慌てて帰塁。ところが江口は二塁の脇を通過してそのまま一塁へ戻ってしまったのだ。

江口は一度はアウトの判定を受けたが、アピールプレーでのアウトと認められなかったため試合は再開。最後はアピールにより相手の遊撃手が二塁ベースを踏みゲームセットとなった。「一塁に戻って周りの雰囲気がおかしいと気づいた。二塁ベースを踏んだつもりだったけど、頭が真っ白で何も考えられなくなった」と涙ながらに話した。

那賀監督は「敗戦の責任が江口にあるようなことではない。精いっぱい戦った上の攻防の差が出ただけ」と積極的なプレーを認め、チームメートも3安打2打点の江口に「おまえのせいじゃない」と声をかけた。

この悔しさは夏の甲子園で晴らしてみせる。「この経験を引きずっていては夏に間に合わない。切り替えて絶対に夏に戻ってきて悔いを晴らしたい」。夏の勝利を誓い、江口は涙で潤んだ目で前を向いた。

(前田泰子)

西日本スポーツ

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